ガンダムの1年戦争とグリプス戦役を多くのガンダムゲームを共有プレイして弩外道視点で物語たりたい。第拾弐話なのです。
第拾弐話の攻略プレイ日記の部分に使用したソフトは【機動戦士ガンダム連邦vsジオンDX】【機動戦士ガンダム戦記】(PS2ヴァージョン)です。
ここから第拾弐話
【ガウ通過支援作戦】が成功した翌々日に、グラナダのキシリア様から秘匿通信が入ったが、いつもと違って艦内コンソール等を使って全員に配信するようにと指示された。
今回は、【第1MS特務遊撃隊】の大幅な改組を伝える。
司令官は今まで通りダグラス・ローデン准将だ、従来通りザンジバル級アレクサンドリアとそのクルーは今まで通り【第1MS特務遊撃隊】所属となる。
改変が行われるのは、ここからだマット・オースティン中佐が艦長を務めるザンジバル級サン・ジョルジュは従来独立偵察艦として行動していたが、今回の改組で【第1MS特務遊撃隊】に編入されダグラス・ローデン准将の指揮下へ入る。
まず、アレクサンドリアの母港はキャリフォルニア・ベースに変更となり、基本そちらに駐留することになる。
また、新規に編入されたサン・ジョルジュも地球での母港は、キャリフォルニア・ベースとなるが、こちらの艦は、【第1MS特務遊撃隊】の宇宙空間での作戦を担う事となる。
ダグラス准将は、既に理解したと思うが、弩外道大佐を地球上だけに縛り付けておくのは、惜しい。
今は、宇宙空間での特務は考えていないがせっかくの戦艦キラーだ、弩外道大佐には、連邦の戦艦を日常的に狩って貰って物量の差を埋めるのと、この作戦を前回同様全世界のメディアに乗せて国威高揚と連邦の民に不安を与える材料とする。
まさしく、これはプロパガンダだが、客寄せパンダになることは、前回面会した時に弩外道大佐も納得済みだ。
どうだ、弩外道大佐、シャア大佐と入れ替わりで、連邦のニュータイプ部隊を相手にする方が客寄せパンダより良いか?二人とも貴重な人材だが双方がお互いに取って代わる事が可能という稀有な例だ、2人に3人分の仕事をさせるのは出来ない以上、私としては二人の役割が逆になってもいっこうに差し支えないが。』
『閣下、発言をすることを許していただけましょうか?』私は、やむをえず、口をはさんだ。
『許す、話せ。』
『小官は殊の外現在の任務を気に入っておりますので、かなうれば現在の役割分担でお願い致します。』
『ダグラス准将は、何か事前に知りたい事はあるか?』
『いえ、ありません。閣下。』
『それでは、皆そいうことで、いっそうジオンの為励んで欲しい。』
『ジーク・ジオン!』
『ジーク・ジオン!』
キシリア閣下の声に、全員が唱和した。
そして、秘匿通信はブラックアウトして、回線が切れた。
艦橋に居るメインメンバーの中にも緊張しすぎていたため、大きなため息を吐く者も少なくはなかった。
その日の内に、雑事を済ませアレキサンドリアは、キャリホルニア・ベースを目指して、巡航速度で航行していた。
2日後、アレキサンドリアは、キャリホルニア・ベースのポートに着艦した。
それから2時間と待たずに、マット・オースティン中佐のサンジョルジュもアレクサンドリアが駐機している隣に着艦した。
まず、艦を代表する形で部門責任者やパイロットと言った主要メンバーが挨拶もそこそこに、大会議室に召集されて、まずはお互いの情報の擦り合わせを行う事になったが、そこに呼ばれなかった気楽な立場の者たちは、思い思いに交換会!?をそこここで繰り広げていた。
思いのほか、顔合わせはなごやかに進んでいたようだ。
まず、司令官としてダグラス閣下が代表としての基本的な考えを伝える事から会議は始まった。
キシリア様から頂く特務は最優先で行うが、今まで地球で普通に受けていた他部署からふられた任務は基本断る方針で、自部署で発生する案件は、ジノビエフ少尉とガンス准尉に可能な限り、担当させて私を必用以上に地球での任務に縛り付けないように、配慮するとマット中佐達サンジョルジュ組に伝えた。
連絡事項の最後に付け加えて、
『ともかく、この男はバカがつくほどの真面目人間だから、放っておくと死ぬほど頑張りかねないのは、貴官達も良くご存じだろう、その時に一番困るのは、マット中佐と私だからね。』
と軽くジョークで締めたのだけれど、満座で爆笑ってどういうこと!?俺って自己管理も満足にできない奴みたいな認識なの?ってとなりにいたユウキ軍曹に尋ねたら、
『大佐、自覚無かったんですね。私なんか、いつかあなたが頑張りすぎて倒れてしまうんじゃないかっていつも心配してるんですよ。』
『まあ、その辺はこれからユウキ軍曹がきっちり管理してくれるだろうから、逆に心配いらないかもな。』
と、聞き耳を立てていたダグラス閣下が突っ込むと、マット艦長まで。
『おお、君が噂の大佐の想い人か、確かに美人でしっかりしていそうだ。』
と、悪乗りする始末で私と彼女は突然始まってしまった、私たちに関する情報交換会がおわるまで恥ずかしくて顔をあげられなくなりました。
それが、やっとの事で収まると、再び話はシリアスに、今度はマット中佐が、発言した。
『そういや、大佐。キシリア閣下なんだけど、本気なのか冗談だったのか、俺にゃあわかんなかったんだが、「弩外道が宇宙に居る間は1日当たり、少なくとも連邦の戦艦3隻は減るだろうな。」って、独り言おっしゃって、少し嬉しそうだったぞ。』
『マジすか?』
『ああ、マジだ。』
しばらくの間、誰も一言もしゃべらない、気まずい沈黙の後。
『まあ、やるだけやってそれでもダメなら仕方が無いですね。それこそ、シャア大佐に替えて下さいって奏上しますよ。』
場の雰囲気が重かったので、多少意識して冗談ぽく言ったのだけれど。
なんか、みんな眩しそうに僕の事見てない?ああ、こいつならたぶんなんとかしちゃうんだろうとか思ってない?最近何処へ行っても過大評価されるようになっちゃったんで、ギャグがギャグとして通用しないっ!?
そんな、わたしだけおきざりな感じで情報や方針の擦り合わせが、進んでゆくのでしたw
しかし、悪い話ばかりでは無く、マット艦長のサン・ジョルジュには、私用にリック・ドムの次期主力MSでビームライフルが標準装備のゲルググのプロトタイプの試作1号機が配備されているのと、足が完成していないものの、その部分にはバーニアがあるから宇宙戦闘に関しては、問題無いそうだけれど、サイコミュの能力を100%発揮できるニュータイプ専用MSジオングも私用に配備されたという事と、シャルロッテ中尉のためにやっとリックドムが配備になったそうだ。
前はザクⅡで対MS戦もこなしてたもんね。。。
あれはいくらなんでも無いわ(-_-;)
夕方になると夕食も兼ねて、サンジョルジュのクルーの歓迎会と言う名の飲み会が始まったw
翌日の短期作戦日程会議では、少なくとも1週間は地球における、特務は発令しない旨、キシリア様からマット中佐が言質を取ってくれていたので、当面は戦艦撃沈に専念できそうです。
取り合えず、マット中佐、シャルロッテ中尉と相談して、大気圏脱出軌道をルナツーに向けて、母艦は前回と同様デブリに偽装して、ルナツーのメインポートを狙える宙域にシャルロッテ中尉のリックドムと私のプロトタイプ試作1号機ゲルググが少し離れて、やはりデブリに擬態してひたすら中規模艦隊を待つことにしました。
6隻~7隻程度の小艦隊は、よくMSの護衛も付けずに縦列陣形でメインポートから頻繁に出てくるので奇襲されると微塵も思って無いようだった。
しかし、ここで小艦隊を狩ってしまえば、確実に警戒が厳重になってしまうし、緊急用の迎撃MS発進口をシャルロッテ中尉に押さえて貰うのも大変になってしまうので、2日でも、3日でも中艦隊16隻から20隻程度の規模の奴を一気に根こそぎ沈めてしまいましょうと言う事で、今次作戦がスタートしたのです。
作戦開始から38時間、そろそろ集中力を維持するのが難しく成りつつあった時、メインポートから1機のジムもボールも戦闘機さえ随伴していない、18隻編成の注文通りの中規模艦隊がメインポートから一列で並んで出てくる興奮で、あっさり眠気などは吹っ飛んでしまいました。
気分は獰猛な猛禽類で、ゲルググをフルバーニアで吹かしてたちまち懐に入ればもう戦艦が回避行動を取るには遅すぎる!
舌なめずりしながら、ビームライフルを4発撃ちこむだけでマゼラン級戦艦は轟沈した、サラミス級巡洋艦は僅か3発で沈んでしまいました。
昂揚して、マゼラン級戦艦9隻撃破+サラミス級巡洋艦9隻撃破 合計大型戦闘艦18隻撃破するのに必要なタイムは僅か5分弱でした。
戦いが終わって愕然とした。
一体、私はいつから人殺しを楽しむような、人間に成り下がってしまったのだろう。
たまたま、運よく作戦が決まって、大きな戦果を挙げて、英雄に祭り上げられて、苦々しく思っていたのはついこの前の事だったのに。
何を、思いあがってる弩外道大佐!!
大切な人達を守るために戦うのはまだしも、ただ殺戮の為に戦うなんて、獣と同じではないか。
戦争は殺さなければ、殺される。
しかし、今の一方的な戦いにどれだけ殺される可能性があったと言うのだろう。
でも、ここで俺が殺すのを止めて、生き伸びた敵兵が私の親しい人を殺すかもしれない。
しかし、かもしれないで人殺しを正当化してもよいのだろうか?
私は、何処で道を間違えたのだろう。
何も見えない、何も分からない、ユウキ、君の声が聴きたい、君の笑顔が見たい、君に会いたい。
帰ろう、ユウキに会えなくても、せめてサン・ジョルジュに帰って、せめて笑顔に囲まれなくては、おかしくなってしまいそうだ。。。。
帰艦して、コクピットを出るとエンジニアたちが笑顔で私を囲んでくれた、少しだけ心が楽になったけど、いつも通りには笑えていないだろう。
『大佐殿、どうかなさったのですか?』
『うん、実は旋回を焦って限界を超えてしまって、でも皆の顔を見れたので大分楽になったよ。』
半分は嘘で半分は本当だ。
『大変じゃありませんか、すぐに軍医殿を呼んできます。』
『いや、ちょっと眼球に血が一瞬集まっちゃっただけだから、たぶん先生にも打つ手が無いし、一晩休めばなんとかなるから。』
『大した事無いどころの話じゃないじゃないですか。捕まって下さい、大佐殿。』
シャルロッテ中尉が、愛機から飛び出してこちらへ飛んで来て、半ば強引に肩を貸してくれた。
情けない事に、わたしの膝がガクガクして、支えて貰ってさえ重力区画に入ってからはまともに歩けていない。
『すまない。』
わたしが、やっとのことで絞り出した声はかすれてしまい老いてまともにしゃべれない老人のようだった。
『もう少しだけ、頑張って下さい。必ず、元の大佐殿に私が戻して差し上げます。』
焦慮の滲む声で、シャルロット中尉が、励まそうとしてくれていた。
彼女も、同じパイロットで、優しいだけでなく思慮も知力にも長けている。
弩外道の様変わりの原因が、耐G限界を超えてダメージを受けたからではなく、心因的なものだと感じ取ったのかも知れなかった。
弩外道がいきなり好戦的な気分になって昂揚したり、戦闘が終わって今度は逆にナイーブになってしまったのは、決してゆえない事では無かった。
彼が意識するしないに関わらず、サイコミュを使ったあの日までは、ニュータイプとしては、ただ単に勘が突出して優れているに過ぎなかった彼は、認識域の拡大、即ち共感覚を有するニュータイプとしての真の覚醒にはほど遠いところでとどまっていたので戦争でどれだけ戦果をあげても、つまり多くの人の命を奪っても、それは実感の伴った心の痛みにはならなかったから彼のパーソナリティは守られていたのだ。
しかし、あの日からニュータイプとしてほんの少しづつではあるが覚醒しつつある彼は、強い想い、多くの想い、今回であれば彼が殺してしまった数千人分の痛み、苦しみ、恨み憎しみ、慚愧の想いが、共感覚として死に伴うネガティブな人の精神活動の負荷が突然彼の心に襲い掛かったのに彼の精神が一時的にパニックに陥ったからなのだった。
シャルロッテ中尉は、ニュータイプでは無かったが、女性特有の鋭い勘によって、弩外道に何が起こったのか、推理をすっ飛ばして正解に近い結論、何が弩外道大佐を苦しめているのかにほぼ気づいていた。
自分自身も、トリガーを引いて初めて人を殺した夜は悪夢にうなされる程、感受性の強い娘だった彼女は、その体験を通して、弩外道の今が彼女のその時なのだとほぼ正解に辿りついていた。
彼女には、ただただ分かってあげられる私が傍に居なければという想いしかなかった。
それは、恋愛感情などでは無く、彼女の本質がただただ優しいからにほかならなかったからなのだけれども。
医務室に運び込まれ、ハオ軍医は異常はないから休めばすぐに元通りになると弩外道に太鼓判を押すとともに、彼の診断は戦闘に伴う極度の緊張状態によって引き起こされた一時的なパニック障害のようなものだろうと当たりを付けて、心配そうにしていたシャルロッテ中尉にハオ軍医はアドバイスとして、彼が眠ってしまうまで静かに見守ってあげるだけでも十分効果が見込めること、ほんの簡単な挨拶程度の会話でも戦争に関係の無い軽い世間話をかわすことでも患者の傷付いた心に特効薬足りうることなどを簡単に説明して、『お大事に。』の言葉と共に、二人を残して静かに退室した。
シャルロッテ中尉が弩外道大佐のことをとても尊敬しているのは、艦内で誰もが知る事実であったし、見守り役として、この艦に彼女以上の適任者がいないこともハオ軍医は良く理解していた。
ハオ軍医は、その後マット艦長に呼ばれて面談室に来ていた。
『軍医殿、弩外道大佐の様態はどうだった?』
『おそらく、人の集中力のおよそ限界を越えた長時間に及ぶ作戦行動によって心がすり減って、一時的な混乱状態になられたのだと思います。』
『しかし、彼は40時間近い潜伏の後でもいつも通り、いやむしろいつもより鬼気迫る戦いぶりだったぞ。』
『それだからこそですよ艦長、弩外道大佐はご自分が指揮した作戦で部下を失った事が無いとか。』
『それは、素晴らしい事だろうが、何が悪いんだ?』
『確かに単なる英雄であるだけでもすごいのに、部下を大切にする、人としても素晴らしい方です。』
『そんな事は軍医殿に一々教えて貰うまでも無い。』
『だからですよ、弩外道大佐は立派過ぎる、それを維持し続けるのに我々凡人には想像も付かないほど重い責任を自ら背負っておられるのだと思います。』
『限界を越えて無理し続ければ、体だけでは無く心も壊れます。幸い、今回の消耗状態は、一時的なものだと思われますが、今後もこのような無理を重ねるのは医師の立場から許可しかねます。もちろん責任感の強い方ですからこれからも無理なさろうとするのでしょうが、せめてこの艦に居る間は艦長殿が大佐殿に無理させないようにお止めすべきです。』
『うーむ。大佐はダグラス閣下もほっとくと頑張り過ぎて倒れるんじゃないかと心配されるくらいだからなあ。わかった、ジオン軍として弩外道大佐を失う訳にはいかない、俺のできる限りの事をするよ。』
『ともかく、大佐殿には最低でも1週間程度の休養が絶対に必用だと思われます。』
『わかったよ、それは、ダグラス閣下に話を通して、俺がなんとかしよう。』
『それと、大佐殿の見張り兼癒やし担当にシャルロッテ中尉を見守り役を任せてますが、それはこの鑑では彼女が最も適任だと言うだけで。より、適任と言うなら、大佐殿のフィアンセ嬢がその役目にはより適任と言えると思うのですが。』
『分かった、そりゃ当たり前だよな、其の件も含めて閣下にお願いしてみるわ。』
『ありがとうございます。』
『いやいや、礼を言うのはこっちの方だ、ハオ軍医殿。正直そこまで考えてケアして貰ってるとは、思ってなかったからな。その、今までの失礼な物言いは許してほしい。』
『いえ、それが私の仕事ですから、お気になさらないで下さい。では、そろそろ、大佐殿のバイタルの変化も確認しておきたいので、失礼します。』
『何から何まですまん。大佐のことをよろしく頼む。』
ハオ軍医は、それには会釈するにとどめ、医務室へと急いだ。
一方、弩外道の為に自分が何をなすべきか、把握したマット艦長はさっそくダグラス司令に状況を説明し、大佐には1週間程度の休養が必要なのと、その間の看病に彼のフィアンセが当たれるように調整して、ともかくもアレキサンドリアと合流を果たすべく、地球に降下してキャリフォルニア・ベースを目指した。
ハオ軍医とアレクサンドリアのガラード軍医の間でも、大佐の治療方針について、細かい打ち合わせが持たれて、これから彼を休養させ方についても、コンセンサスが持たれた。
当初の予定通り、大佐のフィアンセであるユウキ軍曹の看病をメインに彼を戦闘行為そのものから遠ざけ、医務室で半分監視の元、1週間程度安静にさせることとなった。
最初、弩外道大佐が倒れたと聞いて動揺した、当のフィアンセであるユウキ軍曹もガラード軍医から、その詳細や治療方針についての話を聞いて、自分が彼を元通りにするのだという責任感が芽生え、いたれりつくせりと言って良い、看護状況が整えられ、午前と午後に行われるバイタルチェックについても、回復傾向が顕著で4日めには、既に通常時のバイタルに戻っていたが、念の為当初の予定通り1週間は安静の方針を変えずに、弩外道は開戦以来始めてゆっくり休み、恋人と二人きりな幸せな時を過ごせたのでした。
彼が退院した後も、事務仕事やパイロット訓練などは復帰したものの、作戦行動は【第1MS特務遊撃隊】として、控える方針でダグラス司令とマット艦長の間で合意されていたので、ともかく断れないキシリア閣下からの特命が降りるまでは、 部隊として戦闘行為を控える方針であることが決められた。
そうして、おだやかな日々が続いていたのだが、弩外道が退院して4日め、ついにキシリア様から特務が命ぜられた。
【廃墟都市 敵包囲網突破作戦】(機動戦士ガンダム戦記:PS2ヴァージョン)より~
今回の特務はオデッサ陥落により、ヨーロッパ方面軍がアジア方面に脱出するために、半ば潰走する友軍を追撃する敵軍を廃墟と化した都市にて足止めして可能な限り友軍を脱出させるというものだった。
アローフォーメションを選択。
1番機の弩外道大佐のケンプファーが中央で突出して、敵の包囲網の一方向を突き破り。
2番機のジノビエフ少尉機のドム・トローペンは右翼後方から、敵包囲網の解れを広げ
3番機のガンス准尉のドム・トローペンも左翼後方から包囲網に開いた穴を押し広げる
まず、1機めの陸戦ジムに至近距離からジャイアントバズーカをお見舞いして。更に2機めの陸戦ジムの止めを指し
3機めの陸戦ジムには、格闘戦を仕掛けて包囲網の一部に穴を開ける事に成功。
敵指揮官機と思われるEz8を苦労の末撃破し、味方部隊の脱出を成功させ、戦域から離脱する。
弩外道大佐の戦果
陸戦型ジム 3機撃破
Ez.8 1機撃破
ジノビエフ少尉の戦果
陸戦型ジム 1機撃破
61式戦車 2両撃破
ガンス准尉の戦果
陸戦型ジム 2機撃破
皆、機体にダメージを受けながらも、撤退戦支援を成功させた。
多勢に寡兵で戦闘を挑んだため、戦果は少なめでした。
ちなみに、弩外道が撃破したEz.8はMS06小隊のシロー・アマダ少尉機。
物語中では、弩外道が知ることができない内容なのでスルーです。
次回も見て下さいね~♪
『あなたに、こころからのやすらぎが訪れますように~♪』
第拾弐話の攻略プレイ日記の部分に使用したソフトは【機動戦士ガンダム連邦vsジオンDX】【機動戦士ガンダム戦記】(PS2ヴァージョン)です。
ここから第拾弐話
【ガウ通過支援作戦】が成功した翌々日に、グラナダのキシリア様から秘匿通信が入ったが、いつもと違って艦内コンソール等を使って全員に配信するようにと指示された。
今回は、【第1MS特務遊撃隊】の大幅な改組を伝える。
司令官は今まで通りダグラス・ローデン准将だ、従来通りザンジバル級アレクサンドリアとそのクルーは今まで通り【第1MS特務遊撃隊】所属となる。
改変が行われるのは、ここからだマット・オースティン中佐が艦長を務めるザンジバル級サン・ジョルジュは従来独立偵察艦として行動していたが、今回の改組で【第1MS特務遊撃隊】に編入されダグラス・ローデン准将の指揮下へ入る。
まず、アレクサンドリアの母港はキャリフォルニア・ベースに変更となり、基本そちらに駐留することになる。
また、新規に編入されたサン・ジョルジュも地球での母港は、キャリフォルニア・ベースとなるが、こちらの艦は、【第1MS特務遊撃隊】の宇宙空間での作戦を担う事となる。
ダグラス准将は、既に理解したと思うが、弩外道大佐を地球上だけに縛り付けておくのは、惜しい。
今は、宇宙空間での特務は考えていないがせっかくの戦艦キラーだ、弩外道大佐には、連邦の戦艦を日常的に狩って貰って物量の差を埋めるのと、この作戦を前回同様全世界のメディアに乗せて国威高揚と連邦の民に不安を与える材料とする。
まさしく、これはプロパガンダだが、客寄せパンダになることは、前回面会した時に弩外道大佐も納得済みだ。
どうだ、弩外道大佐、シャア大佐と入れ替わりで、連邦のニュータイプ部隊を相手にする方が客寄せパンダより良いか?二人とも貴重な人材だが双方がお互いに取って代わる事が可能という稀有な例だ、2人に3人分の仕事をさせるのは出来ない以上、私としては二人の役割が逆になってもいっこうに差し支えないが。』
『閣下、発言をすることを許していただけましょうか?』私は、やむをえず、口をはさんだ。
『許す、話せ。』
『小官は殊の外現在の任務を気に入っておりますので、かなうれば現在の役割分担でお願い致します。』
『ダグラス准将は、何か事前に知りたい事はあるか?』
『いえ、ありません。閣下。』
『それでは、皆そいうことで、いっそうジオンの為励んで欲しい。』
『ジーク・ジオン!』
『ジーク・ジオン!』
キシリア閣下の声に、全員が唱和した。
そして、秘匿通信はブラックアウトして、回線が切れた。
艦橋に居るメインメンバーの中にも緊張しすぎていたため、大きなため息を吐く者も少なくはなかった。
その日の内に、雑事を済ませアレキサンドリアは、キャリホルニア・ベースを目指して、巡航速度で航行していた。
2日後、アレキサンドリアは、キャリホルニア・ベースのポートに着艦した。
それから2時間と待たずに、マット・オースティン中佐のサンジョルジュもアレクサンドリアが駐機している隣に着艦した。
まず、艦を代表する形で部門責任者やパイロットと言った主要メンバーが挨拶もそこそこに、大会議室に召集されて、まずはお互いの情報の擦り合わせを行う事になったが、そこに呼ばれなかった気楽な立場の者たちは、思い思いに交換会!?をそこここで繰り広げていた。
思いのほか、顔合わせはなごやかに進んでいたようだ。
まず、司令官としてダグラス閣下が代表としての基本的な考えを伝える事から会議は始まった。
キシリア様から頂く特務は最優先で行うが、今まで地球で普通に受けていた他部署からふられた任務は基本断る方針で、自部署で発生する案件は、ジノビエフ少尉とガンス准尉に可能な限り、担当させて私を必用以上に地球での任務に縛り付けないように、配慮するとマット中佐達サンジョルジュ組に伝えた。
連絡事項の最後に付け加えて、
『ともかく、この男はバカがつくほどの真面目人間だから、放っておくと死ぬほど頑張りかねないのは、貴官達も良くご存じだろう、その時に一番困るのは、マット中佐と私だからね。』
と軽くジョークで締めたのだけれど、満座で爆笑ってどういうこと!?俺って自己管理も満足にできない奴みたいな認識なの?ってとなりにいたユウキ軍曹に尋ねたら、
『大佐、自覚無かったんですね。私なんか、いつかあなたが頑張りすぎて倒れてしまうんじゃないかっていつも心配してるんですよ。』
『まあ、その辺はこれからユウキ軍曹がきっちり管理してくれるだろうから、逆に心配いらないかもな。』
と、聞き耳を立てていたダグラス閣下が突っ込むと、マット艦長まで。
『おお、君が噂の大佐の想い人か、確かに美人でしっかりしていそうだ。』
と、悪乗りする始末で私と彼女は突然始まってしまった、私たちに関する情報交換会がおわるまで恥ずかしくて顔をあげられなくなりました。
それが、やっとの事で収まると、再び話はシリアスに、今度はマット中佐が、発言した。
『そういや、大佐。キシリア閣下なんだけど、本気なのか冗談だったのか、俺にゃあわかんなかったんだが、「弩外道が宇宙に居る間は1日当たり、少なくとも連邦の戦艦3隻は減るだろうな。」って、独り言おっしゃって、少し嬉しそうだったぞ。』
『マジすか?』
『ああ、マジだ。』
しばらくの間、誰も一言もしゃべらない、気まずい沈黙の後。
『まあ、やるだけやってそれでもダメなら仕方が無いですね。それこそ、シャア大佐に替えて下さいって奏上しますよ。』
場の雰囲気が重かったので、多少意識して冗談ぽく言ったのだけれど。
なんか、みんな眩しそうに僕の事見てない?ああ、こいつならたぶんなんとかしちゃうんだろうとか思ってない?最近何処へ行っても過大評価されるようになっちゃったんで、ギャグがギャグとして通用しないっ!?
そんな、わたしだけおきざりな感じで情報や方針の擦り合わせが、進んでゆくのでしたw
しかし、悪い話ばかりでは無く、マット艦長のサン・ジョルジュには、私用にリック・ドムの次期主力MSでビームライフルが標準装備のゲルググのプロトタイプの試作1号機が配備されているのと、足が完成していないものの、その部分にはバーニアがあるから宇宙戦闘に関しては、問題無いそうだけれど、サイコミュの能力を100%発揮できるニュータイプ専用MSジオングも私用に配備されたという事と、シャルロッテ中尉のためにやっとリックドムが配備になったそうだ。
前はザクⅡで対MS戦もこなしてたもんね。。。
あれはいくらなんでも無いわ(-_-;)
夕方になると夕食も兼ねて、サンジョルジュのクルーの歓迎会と言う名の飲み会が始まったw
翌日の短期作戦日程会議では、少なくとも1週間は地球における、特務は発令しない旨、キシリア様からマット中佐が言質を取ってくれていたので、当面は戦艦撃沈に専念できそうです。
取り合えず、マット中佐、シャルロッテ中尉と相談して、大気圏脱出軌道をルナツーに向けて、母艦は前回と同様デブリに偽装して、ルナツーのメインポートを狙える宙域にシャルロッテ中尉のリックドムと私のプロトタイプ試作1号機ゲルググが少し離れて、やはりデブリに擬態してひたすら中規模艦隊を待つことにしました。
6隻~7隻程度の小艦隊は、よくMSの護衛も付けずに縦列陣形でメインポートから頻繁に出てくるので奇襲されると微塵も思って無いようだった。
しかし、ここで小艦隊を狩ってしまえば、確実に警戒が厳重になってしまうし、緊急用の迎撃MS発進口をシャルロッテ中尉に押さえて貰うのも大変になってしまうので、2日でも、3日でも中艦隊16隻から20隻程度の規模の奴を一気に根こそぎ沈めてしまいましょうと言う事で、今次作戦がスタートしたのです。
作戦開始から38時間、そろそろ集中力を維持するのが難しく成りつつあった時、メインポートから1機のジムもボールも戦闘機さえ随伴していない、18隻編成の注文通りの中規模艦隊がメインポートから一列で並んで出てくる興奮で、あっさり眠気などは吹っ飛んでしまいました。
気分は獰猛な猛禽類で、ゲルググをフルバーニアで吹かしてたちまち懐に入ればもう戦艦が回避行動を取るには遅すぎる!
舌なめずりしながら、ビームライフルを4発撃ちこむだけでマゼラン級戦艦は轟沈した、サラミス級巡洋艦は僅か3発で沈んでしまいました。
昂揚して、マゼラン級戦艦9隻撃破+サラミス級巡洋艦9隻撃破 合計大型戦闘艦18隻撃破するのに必要なタイムは僅か5分弱でした。
戦いが終わって愕然とした。
一体、私はいつから人殺しを楽しむような、人間に成り下がってしまったのだろう。
たまたま、運よく作戦が決まって、大きな戦果を挙げて、英雄に祭り上げられて、苦々しく思っていたのはついこの前の事だったのに。
何を、思いあがってる弩外道大佐!!
大切な人達を守るために戦うのはまだしも、ただ殺戮の為に戦うなんて、獣と同じではないか。
戦争は殺さなければ、殺される。
しかし、今の一方的な戦いにどれだけ殺される可能性があったと言うのだろう。
でも、ここで俺が殺すのを止めて、生き伸びた敵兵が私の親しい人を殺すかもしれない。
しかし、かもしれないで人殺しを正当化してもよいのだろうか?
私は、何処で道を間違えたのだろう。
何も見えない、何も分からない、ユウキ、君の声が聴きたい、君の笑顔が見たい、君に会いたい。
帰ろう、ユウキに会えなくても、せめてサン・ジョルジュに帰って、せめて笑顔に囲まれなくては、おかしくなってしまいそうだ。。。。
帰艦して、コクピットを出るとエンジニアたちが笑顔で私を囲んでくれた、少しだけ心が楽になったけど、いつも通りには笑えていないだろう。
『大佐殿、どうかなさったのですか?』
『うん、実は旋回を焦って限界を超えてしまって、でも皆の顔を見れたので大分楽になったよ。』
半分は嘘で半分は本当だ。
『大変じゃありませんか、すぐに軍医殿を呼んできます。』
『いや、ちょっと眼球に血が一瞬集まっちゃっただけだから、たぶん先生にも打つ手が無いし、一晩休めばなんとかなるから。』
『大した事無いどころの話じゃないじゃないですか。捕まって下さい、大佐殿。』
シャルロッテ中尉が、愛機から飛び出してこちらへ飛んで来て、半ば強引に肩を貸してくれた。
情けない事に、わたしの膝がガクガクして、支えて貰ってさえ重力区画に入ってからはまともに歩けていない。
『すまない。』
わたしが、やっとのことで絞り出した声はかすれてしまい老いてまともにしゃべれない老人のようだった。
『もう少しだけ、頑張って下さい。必ず、元の大佐殿に私が戻して差し上げます。』
焦慮の滲む声で、シャルロット中尉が、励まそうとしてくれていた。
彼女も、同じパイロットで、優しいだけでなく思慮も知力にも長けている。
弩外道の様変わりの原因が、耐G限界を超えてダメージを受けたからではなく、心因的なものだと感じ取ったのかも知れなかった。
弩外道がいきなり好戦的な気分になって昂揚したり、戦闘が終わって今度は逆にナイーブになってしまったのは、決してゆえない事では無かった。
彼が意識するしないに関わらず、サイコミュを使ったあの日までは、ニュータイプとしては、ただ単に勘が突出して優れているに過ぎなかった彼は、認識域の拡大、即ち共感覚を有するニュータイプとしての真の覚醒にはほど遠いところでとどまっていたので戦争でどれだけ戦果をあげても、つまり多くの人の命を奪っても、それは実感の伴った心の痛みにはならなかったから彼のパーソナリティは守られていたのだ。
しかし、あの日からニュータイプとしてほんの少しづつではあるが覚醒しつつある彼は、強い想い、多くの想い、今回であれば彼が殺してしまった数千人分の痛み、苦しみ、恨み憎しみ、慚愧の想いが、共感覚として死に伴うネガティブな人の精神活動の負荷が突然彼の心に襲い掛かったのに彼の精神が一時的にパニックに陥ったからなのだった。
シャルロッテ中尉は、ニュータイプでは無かったが、女性特有の鋭い勘によって、弩外道に何が起こったのか、推理をすっ飛ばして正解に近い結論、何が弩外道大佐を苦しめているのかにほぼ気づいていた。
自分自身も、トリガーを引いて初めて人を殺した夜は悪夢にうなされる程、感受性の強い娘だった彼女は、その体験を通して、弩外道の今が彼女のその時なのだとほぼ正解に辿りついていた。
彼女には、ただただ分かってあげられる私が傍に居なければという想いしかなかった。
それは、恋愛感情などでは無く、彼女の本質がただただ優しいからにほかならなかったからなのだけれども。
医務室に運び込まれ、ハオ軍医は異常はないから休めばすぐに元通りになると弩外道に太鼓判を押すとともに、彼の診断は戦闘に伴う極度の緊張状態によって引き起こされた一時的なパニック障害のようなものだろうと当たりを付けて、心配そうにしていたシャルロッテ中尉にハオ軍医はアドバイスとして、彼が眠ってしまうまで静かに見守ってあげるだけでも十分効果が見込めること、ほんの簡単な挨拶程度の会話でも戦争に関係の無い軽い世間話をかわすことでも患者の傷付いた心に特効薬足りうることなどを簡単に説明して、『お大事に。』の言葉と共に、二人を残して静かに退室した。
シャルロッテ中尉が弩外道大佐のことをとても尊敬しているのは、艦内で誰もが知る事実であったし、見守り役として、この艦に彼女以上の適任者がいないこともハオ軍医は良く理解していた。
ハオ軍医は、その後マット艦長に呼ばれて面談室に来ていた。
『軍医殿、弩外道大佐の様態はどうだった?』
『おそらく、人の集中力のおよそ限界を越えた長時間に及ぶ作戦行動によって心がすり減って、一時的な混乱状態になられたのだと思います。』
『しかし、彼は40時間近い潜伏の後でもいつも通り、いやむしろいつもより鬼気迫る戦いぶりだったぞ。』
『それだからこそですよ艦長、弩外道大佐はご自分が指揮した作戦で部下を失った事が無いとか。』
『それは、素晴らしい事だろうが、何が悪いんだ?』
『確かに単なる英雄であるだけでもすごいのに、部下を大切にする、人としても素晴らしい方です。』
『そんな事は軍医殿に一々教えて貰うまでも無い。』
『だからですよ、弩外道大佐は立派過ぎる、それを維持し続けるのに我々凡人には想像も付かないほど重い責任を自ら背負っておられるのだと思います。』
『限界を越えて無理し続ければ、体だけでは無く心も壊れます。幸い、今回の消耗状態は、一時的なものだと思われますが、今後もこのような無理を重ねるのは医師の立場から許可しかねます。もちろん責任感の強い方ですからこれからも無理なさろうとするのでしょうが、せめてこの艦に居る間は艦長殿が大佐殿に無理させないようにお止めすべきです。』
『うーむ。大佐はダグラス閣下もほっとくと頑張り過ぎて倒れるんじゃないかと心配されるくらいだからなあ。わかった、ジオン軍として弩外道大佐を失う訳にはいかない、俺のできる限りの事をするよ。』
『ともかく、大佐殿には最低でも1週間程度の休養が絶対に必用だと思われます。』
『わかったよ、それは、ダグラス閣下に話を通して、俺がなんとかしよう。』
『それと、大佐殿の見張り兼癒やし担当にシャルロッテ中尉を見守り役を任せてますが、それはこの鑑では彼女が最も適任だと言うだけで。より、適任と言うなら、大佐殿のフィアンセ嬢がその役目にはより適任と言えると思うのですが。』
『分かった、そりゃ当たり前だよな、其の件も含めて閣下にお願いしてみるわ。』
『ありがとうございます。』
『いやいや、礼を言うのはこっちの方だ、ハオ軍医殿。正直そこまで考えてケアして貰ってるとは、思ってなかったからな。その、今までの失礼な物言いは許してほしい。』
『いえ、それが私の仕事ですから、お気になさらないで下さい。では、そろそろ、大佐殿のバイタルの変化も確認しておきたいので、失礼します。』
『何から何まですまん。大佐のことをよろしく頼む。』
ハオ軍医は、それには会釈するにとどめ、医務室へと急いだ。
一方、弩外道の為に自分が何をなすべきか、把握したマット艦長はさっそくダグラス司令に状況を説明し、大佐には1週間程度の休養が必要なのと、その間の看病に彼のフィアンセが当たれるように調整して、ともかくもアレキサンドリアと合流を果たすべく、地球に降下してキャリフォルニア・ベースを目指した。
ハオ軍医とアレクサンドリアのガラード軍医の間でも、大佐の治療方針について、細かい打ち合わせが持たれて、これから彼を休養させ方についても、コンセンサスが持たれた。
当初の予定通り、大佐のフィアンセであるユウキ軍曹の看病をメインに彼を戦闘行為そのものから遠ざけ、医務室で半分監視の元、1週間程度安静にさせることとなった。
最初、弩外道大佐が倒れたと聞いて動揺した、当のフィアンセであるユウキ軍曹もガラード軍医から、その詳細や治療方針についての話を聞いて、自分が彼を元通りにするのだという責任感が芽生え、いたれりつくせりと言って良い、看護状況が整えられ、午前と午後に行われるバイタルチェックについても、回復傾向が顕著で4日めには、既に通常時のバイタルに戻っていたが、念の為当初の予定通り1週間は安静の方針を変えずに、弩外道は開戦以来始めてゆっくり休み、恋人と二人きりな幸せな時を過ごせたのでした。
彼が退院した後も、事務仕事やパイロット訓練などは復帰したものの、作戦行動は【第1MS特務遊撃隊】として、控える方針でダグラス司令とマット艦長の間で合意されていたので、ともかく断れないキシリア閣下からの特命が降りるまでは、 部隊として戦闘行為を控える方針であることが決められた。
そうして、おだやかな日々が続いていたのだが、弩外道が退院して4日め、ついにキシリア様から特務が命ぜられた。
【廃墟都市 敵包囲網突破作戦】(機動戦士ガンダム戦記:PS2ヴァージョン)より~
今回の特務はオデッサ陥落により、ヨーロッパ方面軍がアジア方面に脱出するために、半ば潰走する友軍を追撃する敵軍を廃墟と化した都市にて足止めして可能な限り友軍を脱出させるというものだった。
アローフォーメションを選択。
1番機の弩外道大佐のケンプファーが中央で突出して、敵の包囲網の一方向を突き破り。
2番機のジノビエフ少尉機のドム・トローペンは右翼後方から、敵包囲網の解れを広げ
3番機のガンス准尉のドム・トローペンも左翼後方から包囲網に開いた穴を押し広げる
まず、1機めの陸戦ジムに至近距離からジャイアントバズーカをお見舞いして。更に2機めの陸戦ジムの止めを指し
3機めの陸戦ジムには、格闘戦を仕掛けて包囲網の一部に穴を開ける事に成功。
敵指揮官機と思われるEz8を苦労の末撃破し、味方部隊の脱出を成功させ、戦域から離脱する。
弩外道大佐の戦果
陸戦型ジム 3機撃破
Ez.8 1機撃破
ジノビエフ少尉の戦果
陸戦型ジム 1機撃破
61式戦車 2両撃破
ガンス准尉の戦果
陸戦型ジム 2機撃破
皆、機体にダメージを受けながらも、撤退戦支援を成功させた。
多勢に寡兵で戦闘を挑んだため、戦果は少なめでした。
ちなみに、弩外道が撃破したEz.8はMS06小隊のシロー・アマダ少尉機。
物語中では、弩外道が知ることができない内容なのでスルーです。
次回も見て下さいね~♪
『あなたに、こころからのやすらぎが訪れますように~♪』