美と知

 美術・教育・成長するということを考える
( by HIGASHIURA Tetsuya )

クラス通信 2012年1月10日

2012年01月10日 | クラス通信Ⅳ(A組高2~高3)
◆新年明けましておめでとうございます。
新年を迎えて私は「3Aの諸君がそれぞれ自分の希望する人生をつかみとれますように・・・」と気持ちを新たに祈りました。高校生活の締めくくりです。それぞれに気持ちを引き締めていきましょう。
自分は何をやりたいのか、何をすべきなのかを意識して行動を起こすこと(自覚~自主)
→徹底的にそのことに取り組んだことによる能力の獲得(自信)
→社会の中で生活していける力(自活)
→社会の中で自分の考え方や、生き方に自信が持てる状態(自立)
→さまざまな束縛から解き放たれ、自ら思考したことが実現できる状態(自由)
今の自分の立ち位置が分かりますか? 二十歳前後に何をやって、何を考えたかがその後の人生を決めるといってもいいでしょう。 君の人生です。

◆高校の最後、まとまった読書をしませんか? 司馬遼太郎著『竜馬がゆく』(文春文庫、全8巻)は絶対に若い時に読んでおきたい本です。
小説として楽しめるのはもちろんですが、幕末の日本に生きた若者達のひたむきな思いとその姿が鮮明に描かれています。「薩長連合、大政奉還、あれァ、ぜんぶ竜馬一人がやったことさ」(勝海舟)。坂本竜馬は小さな藩の中にとどまって物事を考えていたのではダメだと考え脱藩します。浪人の身で、日本国民という意識を持って、大動乱期の幕末に大政奉還、薩長連合という大事をなしていきます。決してたやすい道ではなかったものの、竜馬とその同時代を生きた若者たちの志をもった姿があります。 竜馬は彼自身が構想した、大政奉還が上手く運んだ時の新政府の閣僚名簿に自分の名前は書きませんでした。西郷隆盛に「尊兄の名が見あたらんが、どぎゃンしもしたかの」とたずねられた時「おれは窮屈な役人がきらいでな・・・世界の海援隊でもやりましょうかな」 と応えます・・・ 
「この長い物語も、おわろうとしている。人は死ぬ。竜馬も死ななければならない。その死の原因がなんであったかは、この小説の主題とはなんのかかわりもない。筆者はこの小説を構想するにあたって、事をなす人間の条件というものを考えたかった。それを坂本竜馬という、田舎うまれの、地位も学問もなく、ただ一片の志のみをもっていた若者に求めた。」と語っています。そして「時代は旋回している。若者はその歴史の扉をその手で押し、そして未来へ押しあけた。」とこの長い小説は終わります。
京セラやKDDIを生み出した稲盛和夫氏がよく言われる「動機善なりや、私心なかりしか」という言葉が、坂本竜馬の生き様と重なりました。 今、社会が最も必要としているのは、お金で売買されない人、魂の奥底から真実な人、罪を罪と恐れずに言える人、正しいことのために立つ人…。どうか美しい「志」を持って未来に向かって歩もうではありませんか。
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