美と知

 美術・教育・成長するということを考える
( by HIGASHIURA Tetsuya )

卒業に寄せて

2015年02月21日 | 学年通信

関西学院高等部の長い歴史の中で、男子校として3年間を過ごす最後の学年となった67期生、3年次が関西学院創立125周年の記念すべき年と重なったことも、この学年をより印象深いものにしてくれました。

高等部の卒業生である私にとっても、担任の先生方と、そんな67期生の担当になれたことは非常に嬉しいことでした。

入学式で歌った校歌「空の翼」を覚えています。

そして卒業式で歌う校歌「空の翼」。  

3年間で何度歌ったのだろうか…当たり前のように歌っていた男子高校生900人が歌う力強い「空の翼」をもう二度と聴くことはできません。

来年度から女子が入学し、新しい高等部の歩みが始まります。そんな大きな学校の変革期に67期生は、実に伸びやかな、良き成長を遂げてくれました。日本の教育が縮こまって、青年の大らかさが失われている現代に、高等部67期生の存在は輝いています。過去の多くの高等部生が愛してきた「高等部の良さ」をしっかり受け止めてくれました。これからは高等部OBとして、共学となる高等部の後輩たちの姿を見守ってください。

 さて、これからの人生の中で、大きな勝負をしなければならない時、大きな決断をしなければならない時がきっとやってきます。そんな時に次の言葉を思い出してください。私が高等部を卒業する時に、戦後の関西学院中学部・高等部を支えてこられた恩師から贈っていただいた言葉です。

「けっして卑怯にならないこと。 ときには不利とわかっていても、 正々堂々と進まなければならない道がある。」

世の中のため他人のために何かをやろうという「気概」、自分のことばかりではなく他者の幸せにつながる思い、さらには「志」を持っていれば、その進むべき道ははっきりと見えてきます。 関西学院高等部の「精神」として受け取ってください。 卒業おめでとう。

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学年通信2015年2月20日

2015年02月20日 | 学年通信

高等学校の様々な学びはきっとこれからの人生に繋がっていきます。

実生活にはほとんど関係のないような学びもあったことと思います。「こんなことやっても無駄!」「いくらやっても点数とれない…」とあきらめて割り切ってしまった人いませんか。そんな小さな了見では人生拡がりませんよ。

学ぶとは、何かの役に立つとか・立たないとか、何かの資格のためとかではなくて、自分という人間を作るためにすることです。一見無駄と思える学問でも、それに支えられて社会の太い幹が形成されています。そんな学問のごくわずかな部分を高校時代に学んだわけです。そして、自分が子ども時代から感動したこと、ケンカした友だち、経験したスポーツ、読んだ本、音楽、ケガしたこと・・・そして学校の勉強、どれをとっても人間形成に無駄なものはなかったのです。これからも…

自分の「今」をしっかり受け止めて、「今」を大切に生きていこう!

お別れの時です。

高等部67期生として初めて君たちと出会ってから3年・・・あっという間の3年間だったように感じます。君たちのいろんな姿が思い浮かびます。卒業していく君たちへの最後のメッセージです。

これからの自分の人生の歩み、「思いやり」の心を持って「誠実」に、そして、しっかりとした「志」を持った生き方を見つけてください。

漫然とした人生の歩みの中では、いい出会いも、いい出来事も気づかぬうちに自分のそばを通り過ぎていきます。また、獲得した知識も能力も経験もそれでは十分に生かされません。

自分のためではなく、世の中のため、他人のために何かをやろうというのが「志」です。自分が生きていることによって、少しでも人のため、社会のためになっているという実感が持てることです。

一人でも多くの人が「志」をもって生きることによって、きっと社会は良くなっていきます。そして、自分も大きな幸せを感じることができます。

 これからの人生の中で、大きな勝負をしなければならない時、大きな決断をしなければならない時がきっとやってきます。そんな時に次の言葉を思い出してください。

「けっして卑怯にならないこと。

  ときには、不利とわかっていても、

    正々堂々と進まなければならない道がある。」

この言葉は、戦後の関西学院中学部・高等部を支えてこられた恩師から送っていただいた言葉です。

「志」という言葉を添えて、君たちにこの言葉を申し送りたいと思います。

自分のことばかりではなく他者の幸せにつながる思い、そして「志」を持っていれば、その進むべき道ははっきりと見えてきます。

関西学院高等部の精神として受け取ってください。

 

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学年通信2014年12月18日

2014年12月18日 | 学年通信

◆この冬休みは特別な冬休みです。いろいろと計画していますか?受験生としての自覚をしっかりと持ち続けてください。1ヶ月後には受験会場に入っていく君の姿があります。入学試験に臨む自分をこの1ヶ月作り上げていってください。

これから一人一人がそれぞれ違った方向を目指して進んでいくこととなります。でも、高等部生としての繋がりを大切にできる信頼関係をしっかり築きながら歩んでください。そして、冬休み~1月の君の姿が、高等部3年間の君の成果として表れるのです。

 

◆高校の最後、まとまった読書をしませんか? 

司馬遼太郎著『竜馬がゆく』(文春文庫、全8巻)は若い時に読んでおきたい本です。

小説として楽しめるのはもちろんですが、幕末の日本に生きた若者達のひたむきな思いとその姿が鮮明に描かれています。「薩長連合、大政奉還、あれァ、ぜんぶ竜馬一人がやったことさ」(勝海舟)。坂本竜馬は小さな藩の中にとどまって物事を考えていたのではダメだと考え脱藩します。浪人の身で、日本国民という意識を持って、大動乱期の幕末に大政奉還、薩長連合という大事をなしていきます。決してたやすい道ではなかったものの、竜馬とその同時代を生きた若者たちの志をもった姿があります。竜馬は彼自身が構想した、大政奉還が上手く運んだ時の新政府の閣僚名簿に自分の名前は書きませんでした。西郷隆盛に「尊兄の名が見あたらんが、どぎゃンしもしたかの」とたずねられた時「おれは窮屈な役人がきらいでな・・・世界の海援隊でもやりましょうかな」と応えます・・・ 

 

「この長い物語も、おわろうとしている。人は死ぬ。竜馬も死ななければならない。その死の原因がなんであったかは、この小説の主題とはなんのかかわりもない。筆者はこの小説を構想するにあたって、事をなす人間の条件というものを考えたかった。それを坂本竜馬という、田舎うまれの、地位も学問もなく、ただ一片の志のみをもっていた若者に求めた。」と語っています。そして「時代は旋回している。若者はその歴史の扉をその手で押し、そして未来へ押しあけた。」とこの長い小説は終わります。

 

京セラやKDDIを生み出し、JALの再建を引き受けた稲盛和夫氏が、己の判断の際に常に自分に問いかける「動機善なりや、私心なかりしか」という言葉が、坂本竜馬の生き様と重なります。 今、社会が最も必要としているのは、お金で売買されない人、魂の奥底から真実な人、罪を罪と恐れずに言える人、正しいことのために立つ人…。どうか美しい「志」を持って未来に向かって歩もうではありませんか。

良い年末年始を過ごしてください。  

新年は1月7日(水)10:00am 3階視聴覚教室集合 (検定料25000円、ペン、印鑑)

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学年通信2014年11月18日

2014年11月18日 | 学年通信

◆高校生活もカウントダウンが始まりました。

一人一人の心の内にあるいろんな思いを大切に、高校生活の最後を充実したものにしようではありませんか。さあ、一人一人が自分の道を選択決定する時がやってきました。誰のためでもない、自分の人生を一生懸命考えて、決断してください。そして、自分を一番大切に出来る生き方を選んでください。高校生活の最後の瞬間までがんばろうではありませんか!!

「思いはきっと叶う。何事もあきらめたら、その瞬間終わりです。」

思わなければ何も始まらない。そして、その強い思いに沿って自分自身ががんばることで、運命が導かれていきます。

「自分の願いが、他者の幸せと結びつく強い思いの力。」

「夢が実現できた時の自分の姿をイメージできる力。そしてその思いを継続する力。」

「無駄な努力ではなしに、夢に向かうために必要な的を自分の目でしっかり見据えて、今に集中して取り組む力。」

今、自分が自由にできる時間を何に使ったらいいのか… このイメージ力とメンタル力を大切にしていく生き方が、がんばるということです。思いが深い人はきっとがんばれます。「物事をしない言い訳、できない言い訳はいっぱい出来ます・・・」でも、言い訳だらけの人生なんて不様です。

「とにかくやってみなはれ。やる前から諦める奴は一番つまらん人間や。」

(西堀栄三郎:第一次南極観測隊副隊長、越冬隊長)  

美しい人生とは、志を持って、深い思いを持って、他者の幸せと自分の幸せを願い、自分の思いを信じて生き抜くことではないでしょうか。 ガンバレ!

 

◆学年や全校で集まる場面もそれぞれあと数回です。自分の判断で静寂のけじめをしっかりつけて終えませんか? 一人一人の協力をお願いします。

そして、冬休みから1月にかけて、大学合格通知をもらうまで、気持ちをonにして、受験生としての大切な1か月に集中してください。

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学年通信 2014年9月9日

2014年09月10日 | 学年通信

◆高校3年生2学期。

高校最後の夏休み…各人の夏休みを思いっきり過ごしましたか?

英語の勉強、読書論文課題、宿題、クラブ、キャンプ、読書、趣味・・・

心残りな人はいませんか? 気持ちを出し切りましたか?

この3年生2学期、あっという間に時間が過ぎていきます。

自分の思いをやり遂げるのは今、この瞬間、瞬間の積み重ねしかありません。

進路(大学進学)決定にあたって、自分の想いをしっかりと持った決断ができるように進んでください。

今になっても、どうしたらいいのかわからないとか、やりたいことが見つからないとか…そんな言葉はただの甘えです。他人の力ではどうにもならない事です。

人は腹が減れば食欲はわくし、その道を極めたければ必死で学び努力します。

要は自分が欲しなければ何も始まらないのです。

 

経営学者P.F.ドラッカーは、物事を選択する優先順位の考え方の原則の一つに

「無難で容易なものではなく、変革をもたらすものを選ぶ」としています。

27歳で亡くなった幕末の高杉晋作は、辞世の句に

「おもしろき こともなき世を おもしろく」と詠いました。

人間は弱い生き物ですから、常に意識して自分に負荷をかけることを心がけなければついつい無難で容易な方に流れてしまい、気づいた時にはいろいろな意味で手遅れになっています。自分自身に変革をもたらす。変革の向こう側に成長した自分を見出し、おもしろさを感じ取れる生き方があるのではないでしょうか。

「君はどう生きますか?」

 

 

 

 

◆関西学院大学推薦にかかわる流れ

9/22(月)~10/6(月)学部説明会(先輩に聞く)(詳細は後日掲示)

10/4(土) 第2回英語力判定試験

  10/14(火)~17(金)中間試験

 11/6(木) 第3回進路希望調査アンケート (最終登録の参考としてください)

 11/28(金)志望学部登録(最終)  (注意最終登録後の変更は認められません)

 12/1(月)~6(土)学年末試験 

 

 

 

 

◆扇子をイメージしてみてください。

どんな大きな扇子でも、小さな「要」があることで扇はその形を美しく保つことができます。要が無くなれば扇はバラバラになってしまいます。

私たちは今、色々な価値観を学び、知識を吸収しています。様々な才能、才覚、情熱が色々な方向にまぶしく伸びている真最中です。でも「誠実」という要が無かったら、その人生が本物になることは絶対にないのです。

 

高校3年生の今、自分の心の中のいろんな思いや考えに、生き方の「誠実」に向き合ってください。そして、自分の進む方向をしっかりと見つめてください。

 

「真の誠は、何よりもまず己のつとめに打ち込むところから始まる。自己のつとめに対して、もうこれ以上尽くしようがないというところを、なおもそこに不足を覚えて、さらに一段と自己を投げ出していく。これが真の誠への歩みというものでしょう。」(森信三)

 

「成功するまでやる。成功するまでその志を変えない。極めて簡単なことだけれど、往々にしてそれができない。」(松下幸之助) 

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