美と知

 美術・教育・成長するということを考える
( by HIGASHIURA Tetsuya )

芸術とは・・・学校づくりにおける芸術教育の位置

2006年08月23日 | 教育美術
中央教育審議会では、中学校の「美術」「音楽」「技術家庭」をひとつにして、そこから選択させるという考え方が以前出された。まだこの考え方は無くなったわけではない。
今、全国のほとんどの高等学校では、芸術科目は「音楽」「美術」「書道」から1科目選択履修である。このスタイルが中学校にも拡がるかもしれないということである。

「国民としての教養」「人間教育の基礎」が小学校、中学校の義務教育に本来求められるものであり、美術もそういう教科としての位置づけが求められている。
しかし、今、学力を数値化して成果を測ろうという風潮の中、美術教育の意味が注目されなくなっているようである。

美術の授業を行うことで、子どもたちにどんな能力を身につけさせ、それが人間の成長段階において、さらに、将来においてどんな意味を持ちうるのか・・・それは、美術の授業を通してしか身につけることができないものなのか・・・

現場の美術担当者は、この問いに明確な考え方を持ち、よき授業実践を実現していかなければならないだろう。

「情操教育」ということは教育現場でははずすことの出来ないキーワードではあるが、学校の日々の教育実践の中で、その意味づけや、ではどうすればその有効な教育効果を求められるのかということは案外認識されていない。
「情操教育」が必要ないとは誰も思わないのだが、「情操教育」の積極的意味づけが、現場でできていない。あるいは、それぞれの学校の中で教育目的として十分に実践出来ているとはいえない・・・ということが、今の学校教育の弱さでもある。

学校づくりを考えるときに本気でこの「情操教育」を考えないと、学びの知自体が非常に空虚なものとなってしまう。

豊かな感性に裏付けられたしっかりとした知の構築。
特に初等教育において、それをどのような形で実践していくか・・・

創造活動、創作活動をしていない人間が、「創造とは・・・」と論じることは難しい。
創造するということをあつかう芸術の担当者だからこそ言わなくてはならないことはある。
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