25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

歴史の後退

2018年03月18日 | 文学 思想
 中国は独裁国家。ロシアもほぼ同じ。アメリカはトランプ大統領の政策からいて歴史の時計を戻そうとする後退国家。日本は安倍一強による長期政権。北朝鮮は独裁国家。韓国は相変わらず前大統領が逮捕される儒教国家。
 国を引っ張っていくには独裁がやりやすいのだろう。ある時までは。台湾も独裁国家であったが経済の成長とともに二大政党制となった。
 ロシアは社会主義革命を起こしたが、資本主義の高度な発展とは縁遠く、農奴制のある国で労働者も未成熟だった。現在のロシアは先進国とはいえず、意識の段階は半アジア的である。中国も同様である。専制政治というもはアジア的段階の制度である。つまり遅れているということだ。超先進国は北欧三国である。つまり人権が守られ、自由と平等を尊ぶ国である。
 日本はアフリカ的段階の名残とアジア的段階を色濃くもっていた1945年の敗戦による連合国進駐軍によって大きく多くの国民の意識を変えられたが、変えないものもいる国家となった。G7は主要経済-先進国ひとつであるが、精神的には国民の中には旧体制を好むような人もいる国家である。ぼくは専制も戦争も知らない戦後の世代であり、自由が一番、公よりも私を重んじ、音楽に国境はないように、人間にも国境はない、と考えている。占いはエンターテーメント、仏教は形骸化、神道も一種のエンターテイメントと思う傾向がある。つまりアフリカ的、アジア的段階から意識は脱しつつある。薄まっているのだ。そういう風に意識している。石原慎太郎や福田和也、橋下徹、小林よしのり、稲田朋美などとは意識が異なる。
 各国、各家庭、各個人の生まれ、育ち、環境によってもこの段階の濃淡は違う。
 社会は上場企業を重んじる傾向から、クラウドファンディングやSNSなども含めて、新しいコミュニティによる起業が登場してきている。さらにAIやLoTが進化しようとしている。また資本主義は製造業中心の資本主義から、消費が牽引する消費資本主義へと早くから移行している。アメリカの政治は今しばらく後退するのであろうが、民間からとてつもないものが出てきそうな感じがする。トランプ大統領が製造業を復興させたいようだが、アップルなどは工場のない製造業者となり、部品などはたて列的に組織内で作るのではなく、水平的に世界の各地に製造を依頼している。この傾向はトランプ大統領さえもストップさせられないだろう。科学技術、情報能力の発展とともに、医学も呪術ではどうしようもない領域に踏み出しつつある。おそらく日本も三次産業が社会の牽引産業となり、四次産業が現れる時代を迎えることだろう。この頃には戦前、戦中生まれの人々は退場し、戦後十年くらいまで生まれた人は超高齢化していることだろう。民間人100万人、兵士100万人以上の死に代えて日本国憲法はますます輝く憲法と評価されることだろう。
 石原や福田和也のように威勢のいいことばかりを言うナショナリストは古い体質で戦後の意識の変化がないのだろう。戦争を知らないぼくは、想像力で言うしかないが、戦争というのは悲惨なものだ。死ぬか、心に傷をつけるものだ。多くの自衛隊は戦争には行きたくないだろう。ぼくなどはぞっとする。戦争映画のように格好いいものではない。徴兵制にない時代でよかったと思う。安倍政権は集団的自衛権を設定したが、これは社会の後退である。安倍首相の周囲には歴史後退に無自覚な人達ばかりが集まる。安部首相と食事をする三浦瑠麗や谷村新司や松本人志、東野幸治などはその例である。
 おそらく戦争を放棄した国が西洋的段階の次の段階に入っていくのだろうと思う。この時の社会は資本主義を脱していることだろう。