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家の庭で品種改良!

庭でみかんの品種改良やってます

カクテルフルーツ実生ようやく開花

2024年05月06日 15時53分29秒 | カンキツ

カンキツは通常、夏ごろからだんだん酸が減っていき1%以下になったころに収穫期を迎えます。

一方、"無酸"がつく一部のカンキツでは(無酸オレンジ、無酸ブンタン)、夏の時点からそこまで酸は高くなく、糖が十分上昇すれば収穫をすることが可能です。

日本で食べれるものでは例えばメロゴールドやオロブロンコなんかがその血を引いていますが、実が青い状態から食べれるオロブロンコの性質は酸が低くなるのを待たなくてよい無酸の性質を表していると言えるでしょう。

あまり有名ではありませんが、カクテルフルーツと呼ばれる品種も日本に出回っている無酸系の品種であり、メロゴールドやオロブロンコと同じくシャムスイートと呼ばれる品種を親に持ちます。なかなか面白い品種なので小さいころから注目しており、実生個体も育てています。

(接ぎ木したカクテルフルーツのその後 - 家の庭で品種改良! (goo.ne.jp))

 

接ぎ木をしてなるべく早く実生個体を成長させていたのですが、ついに今年、花をつけてくれました。

最後に接ぎ木したのが2021年なので接ぎ木から3年ですかね。

おもったより順調に開花してくれました。

 

カクテルフルーツはいわゆる"胚数の少ない多胚"であり、多胚といえども実生が交雑種である可能性は十分にあると思います。

もともとはカクテルフルーツの苗自体が欲しくて育ててたのですが、実生を育てている間に苗を買ってしまったので交雑胚であるととてもうれしいのですが、さぁどうなることか…

今後の成長が楽しみです。


冷凍花粉を使った交配

2024年05月04日 20時48分10秒 | カンキツ

ゴールデンウイーク始まりましたね

通常カンキツの開花は5月の中旬(かそれよりちょっと早め)に満開を迎えるのですが去年に引き続き今年も超開花が早いですね…もうすでに満開を迎えています。

というわけでゴールデンウイークを利用して早速交配を行いました!

去年までは基本的に当日取った花粉を交配に使っていましたが、それだとどうしても属の異なるフィンガーライムやマメキンカンとの交配が難しくなってしまうため去年花粉の冷凍を決行。今年はその花粉を使って交配を行いました(花粉の保存 - 家の庭で品種改良! (goo.ne.jp))。

保存しておいた花粉は2種類。片方はしっかり乾燥させてから冷凍したおかげで花粉が簡単に取れましたがもう片方は乾燥が不十分だったようで花粉が塊になってしまいうまく交配ができませんでした。しっかり乾燥させて解葯させることが大切、とよく書いてありますが確かに大切なんだなと勉強になりました

 

 

さて、今回は新しい取り組みとしてカンキツの交配作業の動画をアップロードすることにしました。

さすがにブログにあげると容量が満杯になってしまうのでYoutubeの方にアップロードしています。

以下のリンクから飛ぶことができるのでぜひご覧ください

カンキツ 除雄作業 (youtube.com)

 

 


あすみ×西南のひかり 培地へ

2023年12月28日 11時41分44秒 | カンキツ

あすみ×西南のひかりの交配から多胚種子が得られたという話を少し前にしました

(あすみ×西南のひかり 多胚種子のその後 - 家の庭で品種改良! (goo.ne.jp))

胚は枯れることなく緑を保っていたのですが、ティッシュの上だと水分が多すぎるせいか根が伸びずどうも成長が鈍っていました。この状態が続くと枯れるだけだと思い、今日それらを寒天培地上に移植しました

 

 

培地はいつもどおりヴィトロプランツさんのMS培地を利用。

材料の殺菌は足りないかなと思いつつ75%エタノールで行いました

 

移植前の状態はこんな感じ↓でしたが、今後はここからしっかり根が伸びてくれると嬉しいですね

 

 


マメキンカン 単胚種子採種

2023年12月26日 16時02分38秒 | カンキツ

先日、サンシャイン水族館に行ってきたのですが、そこでリーフィーシードラゴンというタツノオトシゴを見ました。

リーフィーシードラゴンはNHKのダーウィンが来たなどで何度か見たことはあったのですが直接見るのは初めて。

 

生物とは思えない美しさに感動するとともに、そういえば学部時代タツノオトシゴの研究室があったなぁ、、そこも今考えれば魅力的だったなぁ、、なんて考えていました笑

 

さて、今日は久々にマメキンカンの話題です。

マメキンカンは多胚性品種です。多胚性品種では基本的に交雑胚を得ることはできないのですがたまに単胚種子が混ざることがあります。マメキンカンは胚数が多いので単胚が混ざる率も低いのですが、時々暇なときに探しています。

今年はなぜかわからないのですが春に萌芽が起きずしたがって春の開花もなかったのですが、その分夏に開花。その開花分がようやく熟してきました。そこから単胚種子を探したところなんと3つも発見。

 

 

温度が胚数に大きく影響することはよく知られていますがもしかすると気温が高い夏に開花したのが原因かもしれません(例えばこの論文を参照⇒2010292018.pdf (affrc.go.jp))。

これらの個体が親とどれだけ異なるかは親の遺伝子がどれだけヘテロ性を持っているかに依存しています。シキキツの単胚種子は思いのほか分離しましたがマメキンカンはどうでしょう、、運よく単胚性にでもなってくれればいいのですが…笑

 


あすみ×西南のひかり 多胚種子のその後

2023年12月10日 18時09分30秒 | カンキツ

あまり普通の品種同士の交配はしないようにしているんですが、今年は興味本位であすみ×西南のひかりの交配をしています。結局、以前記事で紹介したようにこの交配からは3粒しか生じなかったのですが、そのうち1粒ではなぜか多胚になっているという現象が確認されました。

きっとかなりの頻度でそういうことは起きていてあまり珍しくはないと思うのですが、その胚は通常通り母親のクローンが大半を占めているのか少し気になっています。そんなわけでこの胚もちゃんと育てていて、一応こんな感じに成長してきました↓。

 

(左上に見える黄色い胚は関係ありません)

 

数週間前の様子がこちら↓

 

だいぶ大きくなってきましたね

 

多胚性の種子はティッシュの上で発芽させた方が確実に発芽率は良くなるのですが、水分が豊富なせいかあまり根が伸びないんですよね、、根の伸長のためにもそろそろ移植するべきか、それとまだ様子を見るべきか、、、悩みますね…