茶花(saka)日記

2011年3月、脳腫瘍で旅立った夫とともに。
お茶と花に癒されて、日々の出来事を綴ります。

2年前のこと(2)

2011-06-08 21:44:06 | 病気1(発病・大学病院)
夫の病気の詳細はまだ誰にも言えないと思ったが、
夫の妹弟には「脳に腫瘍があり検査中」と連絡した。
会社には夫から連絡していた。

転院先を探す。

まずは、インターネットで「脳腫瘍」を調べることから始まった。
入院先の先生は、特に紹介をしてくださることもなかったので、
病院のランキングの本を何冊か買い、
良さそうな病院をインターネットで毎晩詳しく調べた。
手術数・放射線の技術・場所等等いろいろ検討し決めた。
夫はもう少し近くの病院が良かったようだが納得してくれた。

連休が明け、造影剤を入れてMRI撮影。
結果は悪性だった。
私だけ予後のことを聞いた。
深い場所に腫瘍があるので、手術が難しく、
しても廃人になる可能性があると言う。
「廃人?」
一瞬何のことか解らなかった。

とにかく夫にはまだ検査が必要とだけ言った。
夫にそう言ったからには、他の人たちにもそれで通さなければと思った。

2009年5月9日、転院先に選んだ病院の初診。
数日後PET検査。
21日入院。
31日手術。

2年前(2009年)のこと(1)

2011-06-06 14:23:43 | 病気1(発病・大学病院)
2009年4月下旬、夫が頭の違和感を訴えた。

「なんか頭の中が“うー”って締め付けられるような変な感じなんだ。
でも治まればなんともない」
「すぐ病院に行った方がいいよ」と私。

夫も私もそれほどは緊急性を感じていなかったので、
数日後の土曜日に近くの脳外科のある病院へ行った。
2009年5月2日のことだった。

一人で行った夫から電話があり、
「なんか入院することになったから来てくれる?」
「脳血栓でもあった?」
「いや、来てから話す」

そして、すでに病室にいる夫から脳に腫瘍があるらしいと聞いた。

私一人診察室に呼ばれた。

緊迫した表情で診察室に入ってきた先生は、
MRIの画像を見ながら
「ここにいくつか腫瘍があります。
造影剤を入れて再度見ないと確定できませんが、
おそらく悪性の脳腫瘍でしょう。
ゴールデンウィークが明けないと再検査できないので、
それまで入院してください。
治療に関しては、こちらではできないので、
どこか転院先を考えてください。」

頭の中が真っ白になるとはこういうことか。
とにかく、転院先を探さなければ。
夫には悪性とは言わなかった。