ベンガルのうた・内山眞理子 

内山眞理子の「ベンガルのうた」にようこそ。ここはエクタラ(歌びとバウルの一弦楽器)のひびく庭。どうぞ遊びにきてください。

ガラスの祈り堂

2015-12-09 | Weblog

 

ガラスの祈り堂

 

先日、このタイトルでブログ記事を書きはじめたのですが、

手違いがあり、ほかの記事になってしまいました。

お詫びして、ここにあらためて書き直したいと思います。

 

インド西ベンガル州の、タゴールの大学には

ガラスの祈り堂があります。

繊細なガラス製の宝石箱のような瞑想堂です。

当ブログでは2,3年前に、祈り堂の写真をご紹介したことも

ありましたが、いま写真がみつからないので、

よかったらこの写真をご覧ください。

インドの旅行社のHP(英語)から。

http://www.chhutiresort.co.in/page.aspx?id=5

小さい写真ですが、祈り堂の内部を撮影した貴重な写真も。

瞑想が始まる前、まだだれもいない時に撮影したものでしょうか。

四方を囲むガラスの扉がすべて開けはなたれています。

瞑想堂は数えきれない樹木にかこまれていますので、

大勢の人が集まることができ、人びとは思い思いの樹下で

瞑想の時をすごすことになります。

 

ところで毎年12月下旬になると、ポウシュ・メラが開かれます。

ポウシュとはベンガル暦12月(西洋暦と十数日の差があります)、

メラとはフェア fair で、お祭りと市場をかねたビッグ・イベント。

ガラスの祈り堂ができたのが1891年12月で、

この関連で1894年からポウシュ・メラが開かれるようになりました。

 

また、この地でタゴールが森の学校をはじめたのが1901年12月。

森の学校とは、正式名がブラフマン修養道場学校。

インドに古代からつたわる生き方の指針、ブラフマチャリヤを

実践する全寮制の学舎として生徒5人先生5人でスタートしました。

ブラフマチャリヤとは、すべての思い、すべての言葉、

すべての行為において純潔であること、を言います。

 

というわけで毎年12月は特別なプログラムがありますが、

毎週水曜日の早朝にはこの祈り堂に人びとがあつまり、

ともに瞑想し、祈りをささげるのです。もう100年以上も

つづいている瞑想の集いで、いつもタゴールの歌がうたわれます。

タゴールはさまざまな歌を作詩作曲しました。そのうち、祈り歌と

分類されるものは500歌余りもあります。

 

ガラスの祈り堂は、短くマンディル(寺院)とか、ブラフマ・マンディルとも呼ばれ、

あらゆる宗教、民族、文化習慣を超えて、誰もがここに集うことができます。

このガラスの祈り堂は、インドの最も美しい場所の一つにちがいありません。

 

 

 

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