ベンガルのうた・内山眞理子 

内山眞理子の「ベンガルのうた」にようこそ。ここはエクタラ(歌びとバウルの一弦楽器)のひびく庭。どうぞ遊びにきてください。

祈りも歌も

2016-12-15 | Weblog

 

 

タゴールの歌

祈りも歌も

 

 

祈りも歌も修行も礼拝も

みな放っておこう。

きみはなぜ神殿の片すみにいるの

ぴたりと扉をとじて。

ひとり暗がりで

いったいだれを拝んでいるの

見てごらんよ 目をあけて

そこに神はいない。

 

そのかたは固い土をたがやす農夫が

はたらく場所に行ってしまったよ

十二月かけて石をくだき

道をつくるその場所に。

灼熱のなか 雨のなか みんなの中にいて

そのかたの双手は土にまみれているよ

さあきれいな服を脱ぎすてて

土の上においでよ、そのかたのように。

 ・・・・・・

 

 

ベンガル暦1317年アシャル月27日

 

 

内山眞理子抄訳

 

 

タゴール著ベンガル語原典『ギーターンジャリ』119番です。

インドの人びとの心をあらわした詩として知られています。

ベンガル語『ギーターンジャリ』におさめられた詩歌には日付や場所が記されたものが多く、詩歌が毎日のように作られたことがわかります。

 

 

 

コメント