ベンガルのうた・内山眞理子 

内山眞理子の「ベンガルのうた」にようこそ。ここはエクタラ(歌びとバウルの一弦楽器)のひびく庭。どうぞ遊びにきてください。

「りらく図書室」に紹介されたタゴール詩集『お母さま』

2011-07-26 | Weblog

 

 

     

     『お母さま』(未知谷刊)表紙

 

     月刊『りらく』7月号「りらく図書室」にて『お母さま』が紹介されました。ここに引用させていただきます。

 

       

 

      詩人、ラビンドラナート・タゴールは、アジア初のノーベル文学賞受賞者であり、

     タゴールが作詞作曲した「もろ人の心動かしたまう方よ勝利あれ」は、インド国歌となっている。

      本書は、タゴールのベンガル語詩集から選ばれた詩25編と、「物語集」および「ささやかな

     書き綴り」からの物語2編による構成となっている。

 

          坊やがききます

          「ぼくはどこからきたの

          おかあさまはぼくをどこで

          ひろってきたの」

          母はなかば泣き、なかば笑って

          坊やを胸にだきしめます。

          「わたしの心の奥ふかく、希望のように

          あなたはかくれていたの」

          (略) 

          あなたを見つめ、その神秘にうたれます

          みんなのものだったあなたがどうして

          わたしのおさなごになったのか

          坊やはわたしにやどり

          この母のおさなごとして

          あなたは最上のほほえみでこの世にあらわれました

                              「誕生のはなし」より

 

      タゴールの妻ムリナリニが5児を遺し29歳の若さでこの世を去った時、

     母を亡くした子供達のために作った詩のひとつである。

      詩人の母語、ベンガル語で、「いのち」とはプランで、この言葉は同時に

     心の深部という意味もあるという。

       第三章におさめられた物語「幸福の王妃と不幸の王妃」の中の

     「わたくしがのぞんでいたのは、不幸の王妃のかなしみだったのです」という

     幸福の王妃の言葉の中に、深淵な魂の息吹を感じた。

       タゴール作品の、奥深く、澄んだ泉のように、こんこんと存在する母なるもの、

     愛と調和に満ちたあたたかな柔らかな世界を味わえる一冊。

                                    「りらく図書室」より

     

 

 

     

     

 

          

 

コメント

タゴール生誕150年 とある星の夢

2011-07-01 | Weblog

 

 

     わたしは、とある星の夢を見ます

     それは光の島で、

     そこにわたしが生まれ、

     そのゆったりとした時のなかで、

     まるで秋の陽光にかがやく稲田のように

     わが生涯の仕事がゆたかに実るのを。

            タゴール『迷い鳥たち』より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント