ものみな貴きものに
タゴール歌
ものみな、貴きものに変えるあなたの火を、
私の生命に触れさせて下さい。
この人生を、その燃焼の贈物によって
敬虔なものにして下さい。
私のこの小さな身体をもち上げ、とらえていて下さい。
あなたの、あの神の社の灯にして下さい――
私の歌によって、日夜
灯の炎よ、燃えよ。
あなたがお触れになった
暗闇の空間いたるところに
夜もすがら、新しい星々よ、
輝き出でよ。
視線から、闇が消え去るだろう
視線の落ちるところ、
そこに光が見えるだろう。
私の苦悩は、
上の方へと 燃え上がるだろう。
上記歌詩邦訳は我妻和男著『人類の知的遺産 タゴール』より転載。
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ブログ筆者追記:
1) 原典 GITABITAN (タゴール歌詩集)、タイトルは無い。
GITABITAN における分類は、 PUJA (祈り) 、DUKKHA (苦悩)。
2) 先月、コルカタで悲惨な事件が発生した。
8月9日朝、遺体で発見された犠牲者は若い女性研修医であった。
この凶悪な事件のニュースはたちまち世界にひろがった。
幾つかの場所に(コルカタやベンガルの田舎町、北半球や南半球の街々にも)
ベンガル人らの小さな集いが生まれた。人びとは蝋燭の灯をともして
このタゴール歌をうたった。( 8月20日前後のベンガル語ニュースよりご紹介)