ベンガルのうた・内山眞理子 

内山眞理子の「ベンガルのうた」にようこそ。ここはエクタラ(歌びとバウルの一弦楽器)のひびく庭。どうぞ遊びにきてください。

ものみな貴きものに タゴール歌

2024-09-16 | Weblog

 

ものみな貴きものに

タゴール歌

 

 

ものみな、貴きものに変えるあなたの火を、

私の生命に触れさせて下さい。

この人生を、その燃焼の贈物によって

敬虔なものにして下さい。

私のこの小さな身体をもち上げ、とらえていて下さい。

あなたの、あの神の社の灯にして下さい――

私の歌によって、日夜

灯の炎よ、燃えよ。

あなたがお触れになった

暗闇の空間いたるところに

夜もすがら、新しい星々よ、

輝き出でよ。

視線から、闇が消え去るだろう

視線の落ちるところ、

そこに光が見えるだろう。

私の苦悩は、

上の方へと 燃え上がるだろう。

 

上記歌詩邦訳は我妻和男著『人類の知的遺産 タゴール』より転載。

 

 

***

ブログ筆者追記:

1) 原典 GITABITAN (タゴール歌詩集)、タイトルは無い。

GITABITAN における分類は、 PUJA (祈り) 、DUKKHA (苦悩)

 

2) 先月、コルカタで悲惨な事件が発生した。

8月9日朝、遺体で発見された犠牲者は若い女性研修医であった。

この凶悪な事件のニュースはたちまち世界にひろがった。

幾つかの場所に(コルカタやベンガルの田舎町、北半球や南半球の街々にも

ベンガル人らの小さな集いが生まれた。人びとは蝋燭の灯をともして

このタゴール歌をうたった。( 8月20日前後のベンガル語ニュースよりご紹介)

 

 

 

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グワーリオール城塞

2024-09-08 | Weblog

 

グワーリオール城塞

 

 

 

インド大平原の中心地はデリーやアーグラーですね。

そのアーグラーのさらに南がグワーリオールの町。上の写真(筆者撮影)

グワーリオール城塞です。どこまでも続くインド大平原に忽然と現れるのが

この巨大な岩山で、岩山全体が壮大な城塞です。

 

写真では見えにくいかもしれませんが

町は岩山のはるか下方に広がります。

 

このあたりは北のインド大平原から南のデカン高原へと至る

戦略上要衝の土地であり(歴史も宗教も複雑)おのずと城塞の全容が

とてつもない偉観となっています。

 

前回のタンセン墓所とあわせてご覧いただければ幸いです。

 

 

 

 

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タマリンドといえば音楽家タンセン

2024-09-05 | Weblog

 

 

タマリンドといえば音楽家

タンセン(ターン・セーン)

 

 

 

タンセンは16世紀後半の音楽家で、

ヒンドゥスターニー古典音楽の創始者といわれます。

ムガル帝国のアクバル帝*に熱く請われて

宮廷音楽士になったのが60歳の時で、

黄金にたとえられるその美声によりアクバル帝の寵愛をうけました。

*13歳の時にムガル帝国の皇帝になり、在位は約半世紀にわたる。

 

タンセンの墓所はグワーリオール Gwalior に実在し、

そこは名所のひとつになっています。

動画で紹介されているので、ご関心があれば

ぜひご覧になってください。

 

動画検索 Tansen Tomb|The Memorial of Tansen

動画検索 Tansen Tomb in Gwalior - Life of Tansen

 

墓所にはタマリンドの大樹があり、その木の葉を噛むと、

あるいは葉の青汁でうがいをすると、

タンセンのような美声を得られるとか。タンセンについては

数々の伝説がつたえられています。タンセンの墓所 ↓

 

 

さて、

タマリンドはマメ科の常緑高木で、食用にもなる花をはじめ

樹木まるごとアーユルヴェーダの恵みにあふれています。

 

 

 

 

 

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タマリンドはおいしい

2024-09-01 | Weblog

 

 

タマリンドはおいしい

:楽しいヨーガ

 

 

前回もあわせてご一読くださいませ。

 

輸入食品の専門店でタマリンド・ペーストが手に入ります。

わが愛用品は下の、赤いフタの黄色いラベルで、

原産国インド、200g 、400円~500円(うろ覚え)。

なめらかな黒蜜のような素材になっていて、

とても使いやすいです。

 

透明コップにタマリンド・ペーストを小さじ一杯ていど垂らし、

そこに炭酸を注げば、タマリンド・ジュースが出来上がります。

出来上がりが下の写真で、作り立ては一見まるでギネスビール。

 

ですが、さびしいことに、

3分も経たないうちに水面の細かい泡がほぼ消えてしまいました。

ちなみに奥の方の黒っぽい瓶はエルダーフラワー*のシロップです。

独特の甘い香りがあり、これも炭酸水で割ると、おいしいです。

(*エルダーフラワーは英国原産)

 

 

オススメ:

カリー(とくにスープ系)に

タマリンド・ペーストを入れると

いきなり本場テイストに。

 

 

 

 

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タマリンドは最高 楽しいヨーガ

2024-08-31 | Weblog

 

 

タマリンドは最高

:楽しいヨーガ

 

 

暦はもう8月最終日。この8月の猛暑を

みなさま、いかがお過ごしでしたか。

 

あまり知られていないと思いますが、

ヨーガでは練習中にほぼ水を飲みません。

筆者のばあい、シャーラ(練習スタジオ)でのプラクティスは

通常2時間半の長丁場なので、いちおう水を持参していますが。

おおっぴらには飲めないですね。なので、

こっそり?ボトルを開けて僅かに2,3滴たらします。

 

またプラクティス後に思いっきり飲めるというのでもなく、

半時間は水分補給をしないように、というルールなんです。

もともとヨーガは苦行系なのですね。

 

さて、今日のお題はタマリンド。

タマリンド(ベンガル語でテトゥール熱い日々の

最高の飲み物となってくれます。すっきりとした後味で

ナチュラルな爽やかさが身体じゅうに巡る感じ。

水に溶いても、あるいは炭酸水に溶いてもいい。

 

嘘みたいな簡単さでタマリンドの飲み物がつくれるので、

次回、ご紹介します。

 

 

追記:筆者はこの夏ずっとBBC Bangla のニュース動画を追いかけてました。

ノーベル平和賞受賞者ムハマッド・ユユスによる暫定政権ができて、

これからどうなるのか? 目が離せません。

 

 

 

 

 

 

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もっとも古くて、もっともっと新しいもの

2024-08-25 | Weblog

 

もっとも古くて、

もっともっと新しいもの

:楽しいヨーガ

 

 

最高に古くて最高に新しいもの、

それは何だと思われますか?

それがヨーガです。

 

前々回の話題をここにもう一度。

時代的にヨーガは、大きく三つに分けられます。

1 クラシカル・ヨーガ(古代インド。現代に伝わる

最重要教典が『ヨーガ・スートラ』*)

* 4,5世紀頃、パタンジャリによって編纂されたというが、ヨーガの歴史は

さらに古い。人間の心と意識について奥ふかい洞察が簡潔にのべられている。

 

2 トラディショナル・ヨーガ(中世インド。ハタ・ヨーガの体系をまとめた

教典『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー』*が最も知られる)

*16-17世紀にスヴァートマーラーマがまとめた教典で、

このハタ・ヨーガの体系は、13世紀頃、ゴーラクナートが大成したという。

 

3 近代になって再構築されたヨーガ(近代インドから現代世界へ)

 

以上すべては、1なくしてはありえず、その続きとして2があり、

さらなる続きとして3があります。

 

いまやヨーガの素晴らしさは世界じゅうに共有されていて、

アーサナ(身体ポーズ)のサンスクリット語彙(名称)は

身体による表現とあわせて世界共通語なんです。

ヨーガを通じての新しい友人も、

まるで古くからの友人のよう。

 

おそらくヨーガは、

地上に生きる(重力の中に生きる)われら人間にとって、

もっとも古くて、もっとも新しいものにちがいありません。

 

 

 

 

 

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人間に関する経験と知識の宝庫

2024-08-21 | Weblog

 

ヨーガは、人間に関する

経験と知識の宝庫

:楽しいヨーガ

 

 

数年前、代々木のアンダーザライトヨガスクールで

ひらかれたワークショップに参加しました。講師は

カイヴァリヤダーマで教えていらっしゃる相方さん。

興味深いそのお話しより、ほんの少し

紹介させていただきます。

 

ワークショップではアーサナ、調息、瞑想について実践的テーマの

一つ一つが深く掘りさげられていて、インド的な、というか、

カイヴァリヤダーマの理念も面白く思われたのですが、それは

(通常ヨーガのワークショップでは当然のテーマなので)さておき、

 

「ヨーガについて学ぶということは、人間であることの

根源的な問題へのインド的なアプローチ」という言葉に

心の底から共感をおぼえました。

 

 

 

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アシュタンガ・ヨーガは楽しい

2024-08-19 | Weblog

 

 

アシュタンガ・ヨーガは楽しい

 

 

アシュタンガ・ヨーガは、素直に、

現代人向きだと思います。

ちょっと考えてもみてください、

女性がヨーガをやるようになって

100年も経っていないことを。

男性にも女性にもわけへだてなく教えた

最初のヨーガ指導者が

誰あろう、現代 (近代)ヨーガの父として知られる、

クリシュナマチャリヤ(1888-1989 ) なのです。

 

クリシュナマチャリヤ Tirumalai Krishnamacharya

:映画『聖なる呼吸』パンフレット表紙より

 

さて、

アシュタンガ・ヨーガの「アシュタンガ」は、

ヨーガの八支則 The Eight Limbs に由来します。ヨーガの古典である

『ヨーガ・スートラ』(2. 29 ) には

「禁戒、歓戒、アーサナ、調息、制感、集中、瞑想、サマーディが

ヨーガの八支則である」とあり、その内容についての説明が続きます。

この八支則こそが、ヨーガという

大樹の全容を表しているのです。

 

ではなぜ八支則の実践が必要なのかについては、

「‥‥‥不純なものが取り除かれ、知識と識別の光が現れる」(2.28)

とあります。

「アシュタンガ・ヨーガ」という名はここに由来します。

ヨーガの八支則は、古代インドから今日まで

あらゆるヨーガの普遍的な土台なのですね。

 

アシュタンガ・ヨーガの系譜はクリシュナマチャリヤに始まって、その

弟子のひとりパタビ・ジョイスによってまとめられたと言えましょう。

下図はアシュタンガ・ヨーガのシラバス。

パタビ・ジョイスの弟子、デイヴィッド・ウィリアムズ作成。

第1(プライマリー)シリーズから第 4 シリーズまで、アーサナの流れが

一目でわかる巨大シラバスです。ちなみにシリーズは第5、第6、第7まであるとか。

ひとつひとつのアーサナを呼吸にあわせながら流れるように進めるのが

アシュタンガ・ヨーガ特有のシークエンスで、それをシリーズと呼びます。

 

ヨーガは時代的に大きく三つにわけられます。

1 クラシカル・ヨーガ(古代インドの『ヨーガ・スートラ』)

2 トラディショナル・ヨーガ(中世のハタ・ヨーガ)

3 近代になって再構築された現代的なヨーガ

 

1は、すべての基本哲学、2は、実践と知識の詳細、

3は、1と2を忠実に(矛盾なく)継承するもの。

 

こうして現代ヨーガの扉が開かれました、インドの南と西で。

南インドではマイソールのマハラジャ宮殿の離宮で教えた

クリシュナマチャリヤ(1888-1989)

西インドではカイヴァリヤダーマ Kaivalyadama Instituteを始めた

クヴァラヤナンダ  (1883-1966) がとても重要だと思います。

なお『ヨーガ・スートラ』(2.25)によれば Kaivalya

(カイヴァリヤ、独存)はヨーガ実践が目ざす状態を表します。

 

 

 

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カイヴァリヤダーマを知りたい 楽しいヨーガ

2024-08-17 | Weblog

 

 

カイヴァリヤダーマを知りたい

楽しいヨーガ

 

 

 

筆者は長くハタ・ヨーガに取りくんでいます。

クリシュナマチャリアの系譜で、パッタビ・ジョイスの

アシュタンガ・ヨーガとして世に知られます。愛好者は多いのですが、

これをカイヴァリヤダーマが公認しているわけではなさそう。

 

公認かどうかはさほど意味のあることとも思えませんが、

どうやらそういうことらしいです。

ヨーガは自身の生き方なので、

公認もなにもないというのが筆者の考えです。

 

さて、かれこれ10年前、

インドのモディ首相の提案により、国連総会にて

全会一致で国際ヨーガの日 International Day of Yoga が

宣言されました。こうして毎年6月21日に世界じゅうで

ヨーガの日が祝われるようになりました。

 

ところで「カイヴァリャ」は「純粋性」「不二一元」「独存」、

「ダーマ」は「家」「身体」「聖地」を表します。

 

「アシュタンガ」については次回、

前回ご案内した相方さんのワークショップについては

次々回に、すこしご紹介する予定です。

 

 

 

 

 

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カイヴァリヤダーマ研究所について 楽しいヨーガ

2024-08-15 | Weblog

 

 

カイヴァリヤダーマ研究所について

楽しいヨーガ

 

 

数年前になりますが、代々木のアンダーザライトヨガスクールで、

とても貴重なワークショップがありました。

「伝統的ヨーガの理論と技術へのオリエンテーション」という

テーマで、カイヴァリヤダーマ研究所で教えていらっしゃる

相方さんのお話しを聞く機会がありました。

 

ほんとうに素晴らしいレクチャーで、このワークショップの

ことは時が経っても色あせることなく、

いまなお新鮮によみがえります。

 

もちろんメモもとりましたので、手元にそのメモがあり、

いま、これは宝物ですね。数年が経ち、そのメモは

さらに多くのことを語りかけてくれます。

 

 

 

 

 

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