・ポリフェノール Polyphenol ぽりふぇのーる
多価フェノールともいい同一分子内に2個以上のフェノール性水酸基(ベンゼン環,ナフタリン環などの芳香族環に結合した水酸基)をもつ化合物の総称。必須アミノ酸の一つフェニルアラニン(あるいはチロシン)から、脱アミノ反応で、それぞれの物質を作る酵素の働きにより生合成する。
植物の樹皮、表皮、種子に多く含み葉緑素が光合成によって作り出される色素、苦味の成分に多くゴマ(ゴマリグナン)、りんご、玉葱の皮(ケルセチン)、緑茶・赤ワイン(カテキン)、大豆(イソフラボン・サポニン)、ブルーベリー(アントシアニン)、生姜、ウコン(クルクミン)などに含む。フラボノイド系(フラボン類、アントシアニン類、フラバノール類)、非フラボノイド系(タンニン、クロロゲン酸)にも分類する。ごぼう、じゅがいも、りんご等を切った時に放置しておくと褐変するが、これはポリフェノールが空気中の酸素に触れ酸化される為に起こる。
ポリフェノールを含む食品には同時にポリフェノール酸化酵素を含み、この酵素が作用してメラニン様物質がつくられることによる。この褐変反応は酸や薄い食塩で酵素の働きを止めるか、あるいはビタミンCなどの還元剤を用いることで防止できる。果物は、皮ごと食べられるドライフルーツがよい。
血中への吸収率が高く活性酸素除去、抗酸化作用がある。優れた抗酸化作用があり動脈硬化を予防する。五大栄養素の炭水化物、たん白質、脂質、ビタミン、ミネラルと食物繊維に次ぐ7番目の栄養素とし注目を集める。
ポリフェノールは、すべての植物に含まれ、色が濃いもの、苦味や渋みの強いものに多く熱に強く安定し、水溶性と脂溶性の部分とがありアルコールで吸収が高まる。ポリフェノールは、100g中で、ワイン100~300mg、コーヒー・緑茶100mg、バナナ290mg、マンゴー260mg、ブルーベリー250mg、チョコレート200mg、大豆の煮豆50mg、黄な粉200mg程度を含む。ポリフェノールの食物からの1日の摂取量はおよそ1g程度を日常的に取っているといわれる。
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