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1980年以前の中学に家庭科、未必修の男性諸氏に医療従事者を含め必要かも。

[◎玉葱] 食生活について語ろう

2019年10月27日 | 美容ダイエット
◎🧅玉葱Onion たまねぎ 
  健康食品の出始めの頃、玉葱の皮に含むケルセチンという成分が、健康によいとして多く語られていました。ケルセチン以外にもいろいろと体によい成分が含まれているようです。タマネギは歴史的経緯からさまざまの病気の改善に有効であることが知られ、近年、食物の栄養成分に注目が高まっています。欧米や多くの栄養学者、科学者によってさかんに研究されるようになり実際に優れた栄養成分、植物性化学物質(ファイトケミカル)を含むことが多く報告されるに至っているのです。

玉葱は、ヒガンバナ科(以前はネギ科ないしユリ科としていた)、原産はイランといわれています。
世界的に温帯地域に広く分布する多年生草木で主に地下の鱗茎(りんけい)を食用としています。葉が濃緑色でナガネギに似て、葉の付け根に幾重(いくえ)にも重なって球形、鱗茎ができます。2年目の夏には花茎(かけい)を伸ばし上部に薄紫色の小さな花を無数につけたねぎ坊主ができますが農家では畑ではネギ坊主を作った玉葱は固くなり食用としての価値が低下することから種を蒔いてその年に収穫、成熟期になると葉が倒れ収穫の時期を迎えます。
日本には、江戸時代には伝来していましたが、普及は明治になってからで最初北海道で栽培が始まりその後大正時代には全国的に栽培が広まりました。日本では比較的新しい野菜ですが、中近東やインド、ヨーロッパに おいては古くから食用とし利用価値の高い食品でした。古代エジプトではピラミッド建設に従事していた労働者の食料としていたという記録が残っています。紀元前1世紀のデイオスコリデス(40-90)の薬物誌「ギリシャ本草」、中国の本草書などに玉葱の効用が記(しる)しています。
2014年現在国内生産量第3位の生産量で最近では、輸入物もあり全国各地で生産しほぼ年中出荷しています。
肥大した鱗茎(りんけい:地下にある茎)を食用とし、保存が冷蔵保存で3~6ヶ月貯蔵できます。甘たまねぎ、辛たまねぎ、色は、白(貯蔵性が劣る)、黄、紫(赤)、形は、偏平、球型、ペコロス、熟期は、晩生、早生種と種類があります。葉の切り口は長ネギが〇形であるのに対し葉玉葱の葉はD形になっています。
加熱調理することによって水分が少なくなり、揮発性刺激成分の硫化アリルは、揮発、分解され「プロピルメルカプタン」という物質に変化し砂糖の50~70倍もあるという強い甘みに変化、またタマネギに含む甘み成分ブドウ糖、ショ糖などが濃厚になって甘みが感じられるようになります。
100g中でエネルギー37kcal、タンパク質1.0g、脂質0.1g、炭水化物8.8g、灰分0.4g、ナトリウム2mg、カリウム150mg、カルシウム21mg、マグネシウム9mg、リン33mg、鉄0.2mg、亜鉛0.2mg、銅0.05mg、マンガン0.15mg、
ビタミンA:(0)μg、ビタミンD:(0)μg、ビタミンE:0.1mg、ビタミンK:(0)μg、ビタミンB1:0.03mg、ビタミンB2:0.01mg、ナイアシン0.1mg、ビタミンB6:0.16mg、ビタミンB12:(0)μg、葉酸16μg、パントテン酸0.19mg、ビタミンC8mg 食物繊維1.6g含みます。
一般には黄種(辛玉葱)が多く出回っており、5月から6月をとします。北海道産(春播き:9月より翌年4月迄出荷)、静岡、兵庫、長崎(秋播き:翌年4月から9月に出荷)し、出始めのものは辛味が少なく軟らかいですが貯蔵性に乏しくなります。成長の途中で収穫する葉玉葱もあります。辛味、甘味成分を利用し新玉葱は、生食でよく薬味、おかか和え、サラダ、マリネに、ほかスープ、煮込み、シチュー、炒め物、揚げ物と和洋中華に用い利用の最も多い野菜のひとつに数えられます。
フルーツ玉葱(熊本:糖度10度】)は、生で食べられ、包丁で切っても涙が出ないがジュースにすると辛味が出て美味しいとはいえないようです。
 
有効成分とし涙が出る元になる「イオウ化合物(硫化アリル:水溶性)」は、悪玉コレステロールを分解、動脈硬化を予防し、精神を安定させ、安眠をもたらします。硫化アリル含有酵素アリナーゼAlliinaseが作用しアリシンとなってビタミンB1と作用した時アリチアミンに変化し腸内で働くことのできるビタミンB1誘導体が作られビタミンB1の吸収をよくし疲労回復に働きます。殺菌、食欲増進、発汗作用があります。「カリウム」は、ナトリウム(塩分)の排泄を促し血圧上昇を抑制する働きがあります。K(カリウム)生:100g中、ほうれん草690mg、大根400mg、玉葱150mgを含みます。
また赤ワインに負けないポリフェノール効果の活性酸素除去作用があることも認められ、ケルセチン(フラボノイド系色素)の黄色色素(黄色の皮の部分に多く含む)が降圧作用を示し、インシュリンの不足を補い血糖値を下げ、脂肪の吸収抑制等を注目していますます。

  老化の原因の老化物質(エイジ)の生成を防ぐ作用あるのです。玉葱には、多くの生理活性成分があり確認していますが、硫黄を含む有機化合物(硫化アリル)とフラボノイドの一種である ケルセチンに大別できます。
 
●硫化アリル りゅうかありる
  玉葱、にんにく、ねぎ、らっきょう、にらに多く含み五辛(ごしん)といい辛味、臭気成分で水に溶け、加熱に弱い。生の状態で利用するとより効果的に作用する。精神を安定させ安眠効果がある。臭の成分のアリン(alline)と含まれている酵素アリナーゼと切ったりすることによって作用する。刺激性のアリシン(イオウ化合物・硫化アリル)となり消化を助け、滋養強壮に利用される。硫化アリルは実際には気化し鼻の粘膜を刺激して涙がでるので目を直接刺激するのではないらしい。又強い殺菌、抗菌、精神安定作用がある。ビタミンB1の吸収をよくする。
       *アリシン ありしん
  にんにく、玉葱など葱の仲間に含まれている酵素アリナーゼ(alliinase)が揮発性の臭気と辛味の成分の生の状態のアリイン(イオウ化合物、硫化アリル類)から切ったり、すりつぶすことによって破壊されると同じ植物の組織の中に含まれていたアリイン(alliin)と作用して刺激性のアリシン(イオウ化合物・硫化アリル)となる。揮発性で一時間で半減してしまう。作用が強く取りすぎると皮膚炎を起こし、胃の粘膜をただれさせる原因を作ることもあり多量の過剰摂取はよくない。
過剰摂取により溶血作用があることから赤血球が溶けだし貧血を起こすことがある。交感神経を刺激しアドレナリンを分泌させ発汗を促し代謝を促進作用がありビタミンB1の吸収をよくする。ビタミンB1(チアミン)と結合しアリチアミンとなってその吸収を助け体内での持続性を保ち疲労回復に役立つ。アリチアミンは、体内のビタミンB6と結合すると糖質の代謝に関係するインスリンの分泌を助ける働きをして血糖値を下げる。
強い殺菌、抗菌作用を発揮、食中毒、整腸、かぜ予防に役立つ。精神安定にも関与し卵胞ホルモンの分泌を促し更年期障害にもよい。

●ケルセチンQuercetin  けるせちん
  フラボノイド化合物のフラボン類に属しポリフェノールの一種で多くの植物に含み、特に大豆、玉葱の褐色薄皮に最も多く含まれる脂溶性の黄色色素で、ほか緑茶、りんご、ほうれん草、ケール、ブロッコリー、パセリなど野菜に多くにある苦味のある成分として存在している。植物を紫外線から守る役目をもち、ヒトの体内でもすぐれた 抗酸化作用を発揮する。フラボノイドの大部分は水溶性の配糖体として存在し、水に不溶の遊離状態(アグリコン)で存在することは少ない。ルチン(蕎麦の苦味成分)のアグリコン(配糖体の非糖質部分)、蜂の巣に使われているプロポリス(樹液などで作られた蜂やに)にケルセチンを多く含む。
ルチン(ケルセチン3-ラムノグルコシド:ケルセチン配糖体)に水を加えると加水分解してケルセチンに変化し、苦味が強くなっている。ルチンよりもケルセチンのほうが分解産物であり健康増進によく役立つことが知られる。
 小腸でケルセチンのグルコース配糖体はβ‐グルコシダーゼによって加水分解されることが見出されている。小腸由来のβ‐グルコシダーゼに加水分解されるのはグルコース配糖体で、ルチンではほとんど加水分解されないといわれる。
ケルセチン配糖体は、水、アルコールに可溶、一般的にはケルセチンに糖が結合したものを言う。小腸でも吸収・ 代謝、吸収され血漿(けつしょう)中に長くとどまり生理作用を体内で効果的に発揮できる。フラボノイド類の摂取量 が多いと脂肪の吸収を抑制、虚血性心疾患のリスクが低下、摂取量の多いタマネギは重要なフラボノイド(ケルセチン)を効率的に取ることができる。

健康食品などに加工する際には、アグリコン(配糖体の非糖質部分)化、水溶化して消化吸収過程を効率良くする必要があります。
生理作用として活性酸素除去、抗炎、抗アレルギー、抗ガン、抗炎、脂肪の代謝促進、解毒、肝機能強化作用があり天然酸化防止剤としても利用しています。
花粉症の季節には鼻炎に、抗アレルギー作用があることから喘息の緩和、腸からの糖の吸収を抑えます。老化の原因の老化物質(エイジ)の生成を防ぎアンチエイジング(抗加齢:老化予防)に寄与します。
日本人のケルセチン摂取量は平均して25mg/1日程度とみられます。


 
ご愛読戴きましてありがとうございます。よりよい情報をお届けしてまいります。
 
(初版2019,10,27)
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