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1980年以前の中学に家庭科、未必修の男性諸氏に医療従事者を含め必要かも。

[漬物] 食生活について語ろう

2019年10月30日 | 保存食品
漬物Pickles,Pickles vegetables つけもの 
   以前は、これからの時期冬に向かって貯蔵食品として必ず晩秋の風物詩となって漬物をつくる姿が各家庭で見られたものです。狭い住宅事情もあって今では、市販のものを利用することが多くなってきたのではないでしょうか。市販品は、どうしても体裁を重視してしまいがち、家庭での加工品は、風味が違います。まだ農業、漁業を古くから営んでいる方々にとっては、昔から伝わるその地方独特の漬物が受け継がれ残っています。市場に出荷されない半端物を使い麹、酢、糠床、味噌の大豆製品を使い発酵させ保存食としたものが長寿の秘訣、健康によいとしいろいろ紹介されています。ご飯には、漬物が似合い、食欲を増進させます。その長寿の秘訣である漬物の化学について調べました。
 
 一般には日本での漬物は、主に野菜に塩を振り入れることにより浸透圧を保つのに野菜からの水を取り込み濃い食塩水をつくり野菜の細胞が破壊され水分が少なくなってほかのいろいろの成分が野菜に入り込み漬物ができあがります。
 
 おいしい塩漬をつくるには、材料の選定、食塩、重石(材料と同程度から3倍の重量)、手入れが加減が必要です。過度に乳酸菌を発酵させないように酸味を作らないようにすることから微生物(酵母、カビ、細菌)の至適温度25~30℃、発生を抑えられる気温5℃以下45℃以上となっています。
冬場の蓄え、気候からもこの晩秋が漬物に取りかかるのによい時期だったのです。歯ごたえがよく食欲を増進させ以前は、貯蔵性を高めることから15~25%もの食塩量が使われていましたが塩分の取り過ぎが懸念され低塩化が進み梅干で12%程度より一夜漬け、浅漬けは、2~3%程度となっています。
昔、山間部では塩が貴重だったことから食塩を使わないで無塩で圧力をかけて細胞を壊し乳酸発酵させた木曽のすんき、中国東北地域の酸菜(スワンツァイ)が知られ作られていました。食塩には、にがり(主成分塩化マグネシュウム)を含んだものは野菜中のペクチンを凝固させ長く置いてもしなびず、歯切れがよくなります。
精製塩よりにがりを含んだ並塩がよいのです。基本的に長期保存の貯蔵漬けには、下漬け、本漬けの2度漬けが行なわれます。
苦汁 にがり
  荒塩を保存しておいて潮解(ちょうかい)作用によってしみでてくる液体の苦味成分であり塩化マグネシュウムを主成分とする。
おおよその成分は、乾物24%、灰分14.9%、ナトリウム3.4%、カリウム1.23%、カルシウム2.1%、マグネシウム4.19%、ケイ酸0.01%、硫酸4.5%、塩素2.8%、自然界で海水におおく存在する。
無機塩類で苦味があり、水、アルコールに溶ける。塩化カルシュウム(CaCl2)は吸湿性が強く無水物で水に溶解する時に熱を発生させる。豆腐凝固剤(最近はCa塩)、野菜・果物の煮崩れ防止、、カリカリ梅漬け、乾燥剤、カルシュウム強化剤、冷凍用の冷媒(温度を下げる為に用いられている物質)にも使われる。
食品への使用基準が1%以下とされる。保湿効果がありアトピー、アレルギーに、新陳代謝をよくし便秘を解消しダイエット、整腸に用いられ注目される。過剰摂取は、体内のタンパク質を凝固させ血栓を作りやすく、肝機能、腎機能障害、下痢の原因となる。
 
よく知られるたくわん漬けは、本漬けと新漬けとがあり
本漬は、大根を乾燥させてから漬けこみます。乾燥の状態(弓形から結び型に曲がる)、食塩量より一ヶ月から一年ぐらい保存できるようにしています。大根の水分だけが失われ旨みの凝縮された甘味のあるものになるのです。空気に触れると味、色の悪くなることから隙間(すきま)のないように塩、糠を順に振り入れて最上部を乾燥葉で被(おお)い押しぶたをし水が染み出るぐらいの保存期間が長いほど材料の3倍程度までの重石をのせます。
新漬けは、9月頃より製造を開始、大根の乾燥に気温、湿度が高く天日乾燥に不向きで難しいので原料の水分量の多いものは一度下漬けし脱水し保存性を高めています。それから塩抜きし本漬けの糠床と一緒に漬けこむのです。
 重石は、食塩とともに野菜から水分を浸出させ水分の層が空気と材料との接触を少なくし、雑菌の繁殖を阻止し腐敗、変質より守る働きをします。
 大根、タクワンの成分比較を、ついでに切干大根も興味がありあります。
一般にNa(ナトリウム):K(カリウム)=2:1(一日の摂取量)以下がよいとしています。
Na3.94g(3940mg:食塩で10g)としてKが2g(2000mg)の摂取量となります。カリウムの目標量が3500mgです。調理による損失量約30%とみています。
 カリウムの摂取量を増加させてもナトリウム排泄量は、大きく変化しません。ナトリウムの摂取量を増加させるとカリウムとともにナトリウムの排泄量も増加します。
 
 切干大根は、1日の摂取量10gとしカリウムの減少が見られません。切干大根のハリハリ漬けは、塩分の摂取量を少なくし歯ごたえ、食物繊維(生大根以上)の栄養成分を取ることができます。おいしく栄養価の高い食材をいろいろ混ぜて漬け込むことにより、手軽にできて食欲増進見なおして見ませんか。
酢の加減で塩分調節も可能です。ご存知の方もいらっしゃると思いますが簡単に作り方の説明をしておきましょう。
五人分 材料:切干大根50g、千切り人参30g、千切り生姜10g、水戻しした千切りきくらげ20g(乾物2g)、シソの実10g、酢50cc、醤油25cc
1.切干大根をよく水洗いし水切りし食べやすい長さに切っておく。
2.千切りにんじん、千切り生姜、千切りきくらげ、シソの実、酢、醤油とともに切干大根とともにあえる。
3.冷蔵庫に一昼夜保存しておけば食べられます。
 
 乾物でフリーズドライ製法のものが多く見うけられるようになりました。凍結し水分を蒸発させるといいます。蒸発で水溶性成分(ミネラル、ビタミン)は、そのまま食品に残っているのでしょうか、それとも水分と共に流れ出すのでしょうか。成分分析を待ちたいところです。
 一般に家庭でも手軽にできる白菜、青菜(野沢菜)の塩漬けを比較してみましょう。
白菜塩漬けは、ナトリウムとカリウムの割合は、900mg:230mg≒3.9:1であり、ナトリウム(食塩)の摂取量を減らすことが高血圧予防の上から最も望ましいのです。100gで2.3gの食塩含有量で1日の摂取量50g/1.2g食塩量程度となります。キムチの食塩含有量が変わらず栄養成分が多くなっています。色々の健康によい食材を合わせて漬け込んだキムチ(発酵食品)が健康食品として注目を受け人気のある秘密だったのです。
 
 野沢菜塩漬け市販品は、食塩相当量が1.5%とであり食塩含有量が以前に比較し抑えられています。ビタミンA、C、カルシュウムの給源とし十分にその役目を果たせます。ナトリウムとカリウムの比が610mg:300mg≒2:1となっています。野沢菜の主産地は、長野県、以前は、食塩摂取量が多いことで減塩運動が展開された地域です。昭和56年より県民運動として積極的に取り組み1日の食塩摂取量が昭和55年(1980年)に15.9gであったものが58年には、11.0gまでに抑えることができたといわれています。美味しい、健康によい野沢菜ができていったのですね。
 
 農家では、市場に出荷されない半端物、残り物を使い古くから麹、酢、辛子、糠床、醤油、味噌の大豆製品を使い塩漬け、発酵させ浸透圧により野菜により旨みを与えそれが身体に有用な成分であったのです。食塩の摂取量が気になる中で減塩傾向が続いているのは好ましいことです。
 
野菜の種類、魚介類、海藻、糠床、麹、酒粕、甘酢、醤油、味噌の漬ける原料、調味料によって色、香りの変化を楽しむことができます。水分量の減少とともに風味、歯ごたえ、保存性を高め食欲増進させ、食物繊維(整腸作用、有害物質の吸着)を多く摂取できます。漬物は、時代の変化と共により健康を考えたものに変身していっています。
それぞれに摂取量、量的なこと、美味しさ、栄養を考えて、食を楽しむ時代です。ご飯をよく噛んで漬物をよく噛んで唾液の分泌をよくさせます。脳の活性化を促し、歯を丈夫にします。乳酸菌の整腸作用があります。昔から腹八分目というではないですか。適量を守って食事をすれば、健康の維持、増進にすべて役立っているのです。
 
 食塩摂取量の多少により平均寿命に大きな差が見られることを明らかにしています。食塩摂取量の多い東北地方では、たん白質、野菜の摂取量が少なく野外活動が少ないことが上げられています。運動、休養、栄養バランス、食生活情報の氾濫する中、正しい情報・知識を選択することが必要です。

[2019.10.30]
 
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