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1980年以前の中学に家庭科、未必修の男性諸氏に医療従事者を含め必要かも。

[便秘症] 食生活について語ろう

2020年02月07日 | 食事療法

・便秘症の食事療法Diet therapy for constipation べんぴしょうのしょくじりょうほう

 女性に多い便秘症は、体質的に脂肪がおおく、筋力が弱いことがいわれています。また朝食後の排便が最も好ましいのですが、気ぜわしい時間帯でもあり我慢してしまうことが多く、押さえてしまうことが習慣となって習慣性の便秘になってしまうのです。旅行による環境の変化によって便秘になることがありますが精神的緊張と大腸の働きとが密接な関係にあり一過性のもので心配無いといわれます。日本人は、欧米に比べ野菜の摂取量は多いといわれ、野菜よりむしろ油脂類、果物の取り方に注意したほうがよいのではとの説もあります。飽食のこの頃繊維質のない動物性たん白質の摂取量が増加し、腸内での代謝が思わしくなく消化、分解しきれず、腐敗し腸内に留(とど)まってしまうことも原因としています。
 便通は、1日一回を標準とし便秘とは、医学的に便の排出が出にくく異常に遅い状態で3日以上ない場合をいい、排便までの日数が異常に長いことをさしているようです。便秘と感じるのは、便が出にくい、出てもまだ残っている感じがする、回数が少なく固いことを訴えています。
 便秘が吹き出物、肩こり、頭痛、高血圧の原因にもなって腸の働きを悪くし毒素(ピロリ菌、コレステロールなど)を体内に溜め込むことになり血液の状態にも影響を及ぼしてきます。血栓(血の固まり)を作りやすくし動脈硬化症から心筋梗塞、脳梗塞へと老化を早め脳への血流が悪くなって認知症(痴呆)の原因にもなっていきます。胃腸に単なる便秘以外の疾患、病気がある場合は、担当の医師の指示に従いましょう。
 薬に頼ってだんだん薬の量が増えていくケースがありますが、その前に食事に気をつけ目を向けておきましょう。
便秘のタイプは、主に、機能的便秘(弛緩性、痙攣性)、器質的便秘の二つに分けられ、おのおのの原因、症状、食事療法について進めます。
◆機能的便秘
 腸管に特に狭くなっているとかの狭窄が無いのに排便までに日数を要する状態をいい弛緩(ちかん)性と痙攣(けいれん)性とがありいっしょになっていることもあります。食物繊維を取ることが便量を増やし有効です。
■弛緩(しかん、ちかん:ゆるむ)性便秘
 便秘の90%を占め、常習性、習慣性ともいわれ大腸、直腸の緊張、緩慢、運動の低下、ストレスによって起こります。排便を我慢すると次第に腸の感覚も鈍くなり、1週間から10日と何日もたまっても便意をもよおさなくなり、腸は、太く、長くなってきます。下剤を飲んで排便を促すと、最初は、宿便が長期に及んでいることから水分が吸収され固い便で太く、一度に大量に出ることになり、ときには、排便が急激となり下痢にまで至ります。薬剤の使用が長期に及んでくると腸内の運動が低下し慢性化して頑固な便秘に移行していきます。習慣性になっていることが多く日常生活、食事の改善をしていくことが大切で無症状のこともあり、ときには、不快感、腹部膨満感、いらいら、頭痛、微熱、食欲不振がありますが腹痛はさほど感じられません。排便の習慣を生活のリズムの中に数回取り入れていくことが重要なことです。
 食事は、腸に刺激を与える事から食物繊維、脂肪食、香辛料、冷たい水、牛乳が排便を促し進められ、特に起床時の冷たい水、食塩水、牛乳は有効です。乳酸菌が腸内の腐敗菌を抑制、整腸作用があることが認められ胃潰瘍の原因とされるピロリ菌を減少させます。腸内細菌には、有用菌(納豆菌・酵母菌・麹菌・乳酸菌(ビフィズス菌、アシドフィルス菌)等)20%もありますが善玉にも悪玉にも属さない中間菌(日和見菌)70%、有害物質を生成する菌(ピロリ菌Helicobacter pylori・ブドウ球菌 Staphylococcus ・ウェルシュ菌Clostridium perfringensなど)10%もあり人の健康に与える影響は大きいのです。
栄養量の不足の無い三食のバランスの取れた、規則正しい食事によって自律神経の活動にリズムを作ることがよいのです。栄養量、食事量を減らすと排便の量も少なくなりかえって便秘がひどくなります。 
食物繊維を1日20~30gを目標とし精白米(0.5g/100g中)を胚芽米(1.3g/100g中)、麦ご飯、オートミールに変える事、ひじき、大豆、野菜、芋類、海草を積極的に取ることによって糞便量が増え、腸の蠕動運動が活発化します。排便の30%を占めるとも言う腸内細菌の餌となります。果物の有機酸は、大腸を刺激し排便を促し、ペクチンの食物繊維は、水を取りこみ便を軟らかくしてくれます。加工食品の氾濫する中シリアル食品で食物繊維の多く含むものが市販されています。薬剤よりは、即効性がないものの副作用が少なく時には、取り入れてみるのもいいでしょう。 
ビタミンU が潰瘍修復、粘膜再生保護、解毒作用があり胃腸の調子を整えます。キャベツ、ブロッコリー、セロリー、青海苔などに含みますが 水溶性で熱に弱く、加熱しすぎないことであり繊キャベツ、ジュースで取るのがよく整腸作用に有効です。さらに発酵(乳酸菌・糠漬け)で吸収率が上がります。  
乳酸菌は、腸内の腐敗菌を抑制、殺菌、整腸作用、カルシウム、鉄、ビタミンB群を作りだすことが認められています。胃潰瘍の原因とされるピロリ菌を減少させ、植物性乳酸菌(漬物)としラブレ菌が酸や塩分に強く胃液や腸液 に耐え腸まで届き生き抜く力が強い特徴を持つといわれます。 
カリウム(K)には筋肉の収縮・弛緩を助ける働きがあり、腸内の筋肉の働きを促しぜんどう運動を促し便秘解消に働きかける効果があります。腸の筋力低下が原因の弛緩性便秘のときにはKを多く含む食品の摂取が有効の時もあります。動植物のすべての食品に含みますが、野菜不足が考えられることからカリウムの流失の少ない生野菜、根菜類、フルーツの摂取が望ましいでしょう。 
脂肪は、腸内を滑らかにし、脂肪に含まれている脂肪酸が腸を刺激し、排便をスムーズにする働きがあり1日10~15gの摂取がよいといわれます。 
香辛料の利用、冷たい水(1500cc/1日)を飲むことは、腸を刺激し蠕動運動を活発にするとともに便が水分を含みやわらかくして排便しやすくします。水分が腸まで届くように寒天、ところてん、こんにゃく、海藻類のように胃で消化・吸収しにくい食品の摂取もよいでしょう。 
食事量は、多すぎても、少なすぎても便秘の原因をつくります。胃腸への負担が過重になると胃腸障害を起こし、少なすぎると腸の動きが緩慢になります。量、質ともに満たされた食事が望ましいのです。 
食事療法としての基本は、腸の蠕動運動を活発にし、糞便量を増す食事になりますが、極端な食事は、胃腸障害を招いたり、栄養量の低下をきたすこともあります。食物繊維の摂取量を20~30gとした栄養のバランスの取れた食事となります。 
主食:胚芽米、ライ麦パンなどできるだけ糠の部分を含み歩留まり(食材として残るものの割合)の高い食品を利用するようにしましょう。

芋類:エネルギー、食物繊維の給源として重要な位置を占めていましたが穀類とともに減少傾向にあり、皮ごと食べられるものは、できるだけ上手に料理に組み入れていくといいですね。さつま芋の甘煮で皮の臙脂(えんじ&紫がかった赤)とやまぶき色できれいです。

豆類:大豆は、畑の肉といわれるとともに蛋白源としても昔から重要な位置を占めています。その他の豆類とともに皮ごと用いることによって食物繊維が摂取されます。納豆、黄な粉、赤飯、煮豆などの利用がいいでしょう。

魚、蓄鳥肉類:身体を作るもととなりますが、栄養として吸収される率が高く、大腸の蠕動運動の働きへの作用が弱く糞便を作りにくく便秘症に対しては、基準量を満たしていればよいでしょう。

野菜類:1日350gが目標量となっています。主食から食物繊維を摂取する事が少なくなって野菜の目標量が増加傾向になっているようです。カリウム(K)の摂取にもよく牛蒡、ぜんまい、乾物野菜、茸類を努めて取るようにしましょう。

果物類:水溶性の食物繊維が水分を取りこみ便をやわらかくします。リンゴ酸、クエン酸、酒石酸の有機酸が大腸を刺激し蠕動運動を活発にさせます。カリウム(K)の摂取にもよいでしょう。

海藻類:海草にも含む水溶性の食物繊維が水分を取りこみ便をやわらかくします。

■痙攣(けいれん:ひきつる)性便秘
 消化管を支配する副交感神経系の緊張状態が続き、精神的な影響を受けることもあり過敏となり、過敏性腸症候群のひとつで腸が痙攣を起こし収縮しそのため腸が細く、狭くなり便が通りにくくなり、通過するのに時間を要しその間に水分が吸収され、便意があってもなかなかでないで便がコロコロ状態となってやっと排泄されますが、まだ腸内には排泄し切れなく便意があり残っている感じがあります。時には、不快感、腹部膨満感、腹痛があり便秘と下痢を交互に繰り返す事もあります。下剤は、腸の緊張を増す事もあり出来るだけ避けた方がよいといわれます。
 食事は、水溶性繊維質のものを多くして刺激物を避けます。弛緩性ほど多くは、ありませんが食物繊維は、便量を増やし腸の収縮、運動を活発にし蠕動(ぜんどう:食べ物を消化し胃から腸へ送る為の動き)運動を促すことことから進められています。水溶性食物繊維は、保水性があり水を含んで便をやわらかくしますが不溶性食物繊維は、残渣(ざんさ)となって便量を増やしてしまうことから水溶性の食物繊維を多く含み、不溶性食物繊維を避け残渣の少ない食品を選びましょう。腸の緊張状態を抑制することがよく刺激物(唐辛子、熱過ぎる、冷た過ぎる食品、アルコール、炭酸飲料、)、不溶性食物繊維は、刺激が強すぎる事からできるだけ避けるようにします。

水溶性食物繊維:水に溶けて粘着性を持っている。ペクチン〈果物に多い〉、アルギン酸・カラギーナン〈藻類〉、グルコマンナン〈コンニャク〉、グアガム〈グア豆〉があります。

◆器質的便秘
 消化管が何らかの異状によって狭くなったり、閉塞(へいそく)し便の通過が妨げられる事によって起こります。主に妊娠、直腸ガンによってひき起こされ、便は下部に行くほど水分の含む量が少なくなり固くなり通り道が狭くなってくると通りにくく便が細くなり、血が混じったりし便秘になりやすいのです。妊娠によって子宮が大腸を圧迫し便秘になることもあります。原因をつきとめ、便を柔らかくするようにし、便量を増やさないような食事の方法がとられたりしますが、非経口栄養補給の方法が取られることもあります。

 


 便秘症は、肥満の原因にもなりガスが発生し有害物質として体内に蓄積し肝臓に負担がかかってきます。腸内環境を整えることが大切です。

1)起床時の朝に冷たい飲み物、

2)バランスの取れた食事、

3)腸に刺激を与える適度な運動(歩行・腹部の時計回りの圧迫刺激・腹筋)、

4)ストレスを溜めない、

5)腸内環境を整える食品(発酵食品:ヨーグルト・納豆・キムチなど)の摂取が薦められます。

朝の起床時には、起立性刺激が腸の蠕動運動を促進するといわれています。朝の排便はこれからの一日を快適に過ごすためのバロメータともいえます。
水溶性食物繊維のペクチン〈果物に多い〉、アルギン酸・カラギーナン〈藻類〉、グルコマンナン〈コンニャク〉、グアガム〈グア豆〉は、便を柔らかくします。不溶性食物繊維(大豆、野菜)のセルロース、ヘミセルロース、キチン・キトサン〈海老・かにの甲羅〉、リグニン〈ココア・野菜〉は、便の量をふやします。
 繊維質のない動物性たん白質の増加、精白された主食、芋類の減少によって食物繊維の摂取量が減少しているのが現状です。発酵食品に多く含む乳酸菌(ビフィズス菌)とその餌となる野菜の摂取量を増やす事を奨励します。五穀米、十穀米とかいわれ雑穀を幾種も合わせたものが市販されていますが、量的に主食として取るには、味覚の点で難点があるように思われます。原因不明の体調不良のほとんどは知らずに溜まった便秘が原因とみられることもあります。昭和30年代の食生活を一旦振り返ってみるのもいいかもしれません。

 

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