新・瘋癲球人日記

野球をこよなく愛する瘋癲球人の日記

悪いなりに抑えるのがエースである

2005年08月27日 | 早稲田野球
悪いなりに抑えるのがエースである。
野球の世界で常套句通りのエース・宮本の投球であった。

相手は春の大学選手権王者、青山学院。
早稲田の出来を測るには絶好の相手である。
それにしても青山学院のオーダー。甲子園常連校の「スター君」の名前がずらりと並ぶ。
「野球は学校の名前でするわけでもないしなあ」

(早稲田スタメン)
DH 梁井(4年 早稲田実 24)
8  前田将(3年 早稲田実 7)
4  上本(1年 広陵 4)
3  武内(4年 智弁和歌山 10)
7  田中幸(3年 宇和島東 25)
9  松本(1年 千葉経済大付 31)
5  鴛海(4年 東福岡 5)
2  山岡(4年 日大高 6)
6  竹内(3年 早大学院 8)

(1回表)青山学院の攻撃
今日の宮本はストレートが走ってない。どういう立ち上がりになるか注目した。
1番・大崎(3年 常総学院)は三振にしとめるも2番・佐藤(4年 仙台育英)に左中間を破られるスリーベース。
3番・小窪(2年 PL学園)にセンターへの犠牲フライで先制される。4番・横川(3年 常総学院)はフォアボール。5番・楠城(3年 小倉)レフト前ヒット。6番・山川(3年 札幌第一)を三振。
宮本は変化球でカウントを稼ぐも本来の力のないストレートを痛打されている。どう立て直していくか。
(1回裏)早稲田の攻撃
青山学院の先発もエース、高市(3年 帝京)。エース対決です。
1番・梁井が一、二塁間を破るヒット。2番・前田が送ってワンアウト二塁。3番・上本はセンターへ大きなフライ。これが犠牲フライとなってツーアウト三塁。4番・武内セカンドゴロでチェンジ。
(2回表)青山学院の攻撃
先頭の7番・田仲(3年 横浜)にライト線へスリーベースを打たれるも、8番・円谷(3年 横浜)をセカンドゴロ、9番・藤野(4年 習志野)三振、1番・大崎をピッチャーゴロ。
宮本踏ん張る。
(2回裏)早稲田の攻撃
5番・田中幸ピッチャーゴロのあと、6番・松本がレフト前ヒット。7番・鴛海ショートゴロで松本二封。9番・竹内見逃し三振。
(3回表)青山学院の攻撃
2番・佐藤にフォアボール。3番・小窪のときワンバウンドのボールをキャッチャー山岡が横にそらす、佐藤が二塁を狙うも山岡が落ち着いて刺す。結局、小窪にもフォアボール。4番・横川に一、二塁間を破られ一、二塁。
ここは5番・楠城を6-4-3のダブルプレーでチェンジ。
宮本粘る。
(3回裏)早稲田の攻撃
1番・梁井見逃し三振、2番・前田ショートフライでツーアウト。
3番・上本、4番・武内連続ヒット。5番・田中幸の当たりがサードのエラーを誘い満塁。
ここで6番・松本がレフト前ヒット。ニ者生還で逆転。
7番・鴛海ファーストゴロでチェンジ。

青山学院の高市君はキレのあるストレート、スライダーを低めに丁寧に集めるのが信条のピッチャー。
ファームもなかなかバランスがいい。


青山学院 高市投手
(4回表)青山学院の攻撃
さすが注目のカード。プレイボールのときにはやや寂しかった観客席も立ち見が出るくらいの盛況に。
先頭の6番・山川の平凡な打球をショート竹内がファンブル。
「守備を買われてスタメンの選手がこれじゃあ困る」
7番・田仲にライト前ヒット。8番・円谷に送られてワンアウト二、三塁。
同点、逆転のこのピンチ。宮本が踏ん張り、9番・藤野、1番・大崎を連続三振。
宮本はようやくストレートが走ってきたのでチェンジアップ、スライダーなども有効。
(4回裏)早稲田の攻撃
8番・山岡センター前ヒット。9番・竹内のバントはピッチャー正面。山岡二封。
守備といい、バントのミスといい今日の竹内はさえない。
1番・梁井がインターフェアで一、二塁。2番・前田のレフト前ヒットで満塁。3番・上本は1-3からのストレートを狙い打ち、レフトオーバーのツーベース。4番・武内はファーストゴロに倒れるも5番・田中幸レフト線へのツーベースでこの回、4点。
王者、青学を突き放す。
(5回表)青山学院の攻撃
5点のリードで気が緩んだわけではあるまいが、宮本はワンアウトから4連打と押し出しのフォアボールで2失点。
なおも続くピンチ。8番・円谷のセカンド右へのゴロ、上本がスピーディに処理して4-6-3のゲッツー。
この当たりでふつうにゲッツーをとってしまう上本はやはりスゴい。
(5回裏)早稲田の攻撃
7番・鴛海ファーストゴロ、8番・山岡レフトフライ、9番・竹内の代打、生島(1年 大阪桐蔭)ファーストゴロの三者凡退。
(6回表)青山学院の攻撃
9番・藤野にレフト前ヒットでスチールで二塁まで進まれるも、大崎レフトフライ、佐藤センターフライ、小窪見逃し三振でピンチを広げない。
宮本、少し力が抜けて余裕を持って投げられるようになってきた。
(6回裏)早稲田の攻撃
1番・梁井フォアボール、2番・前田レフト前のテキサスヒット。3番・上本バント失敗のあと三振。4番・武内センターフライ、5番・田中幸ファーストファウルフライでチェンジ。
(7回表)青山学院の攻撃
4番から始まる青山学院の攻撃は三者凡退。
この回は青学の攻めもやや淡白だったか。
(7回裏)早稲田の攻撃
6番・松本セカンドゴロ、7番・鴛海三振、8番・山岡サードゴロの三凡退。
(8回表)青山学院の攻撃
7番・田仲ファーストゴロ、8番・円谷ショートゴロ、9番・藤野の代打、丸木(1年 平安)センターフライの三者凡退。
(8回裏)早稲田の攻撃
9番・生島ライトフライ、1番・梁井の代打、大西(3年 観音寺一)三振、2番・前田ファーストゴロで三者凡退。
(9回表)青山学院の攻撃
1番・大崎サードゴロ、2番・佐藤三振、3番・小窪見逃し三振でゲームセット。

結局、両校エースは中盤打たれながらも完投。
両校、というか「一歩も引かないぞ」という早稲田・応武、青山学院・河原井、両監督の意地のようなものを感じた。

宮本は中盤までストレートが走らず、青山学院に10安打を浴びるも、7回以降は三者凡退に抑えるなど粘り強さが目立った。キャッチャー山岡も我慢強くリードした。


完投勝利の早稲田・宮本投手

(出場メンバー以外のベンチ入りメンバー)
越智(4年 新田 11)、小林(4年 比叡山 2)、井上(3年 尽誠学園 17)、大谷(3年 報徳学園 1)、中村(3年 尽誠学園 15)、山本(3年 安来 13)、笹沢(3年 帝京 12)、佐伯(3年 早稲田実 35)、萬谷(3年 栄光学園 32)、伊地智(3年 高陽東 23)、國府(2年 倉吉北 21)、大島(2年 木更津総合 20)、甘井(1年 済美 28)


A 1 0 0 0 2 0 0 0 0  3
W 0 0 2 4 0 0 0 0 ×  6
(P)宮本(C)山岡
(二)上本、田中幸
(犠)前田、上本
(失)竹内