小学館文庫 田沼雄一著
野球映画は正直好きではない。
理由は俳優のプレーがお粗末でストーリーなんかどうでもよくなってしまうことが多いからだ。
この本には、『フィールド・オブ・ドリームス』などメジャーな作品から日本未公開の作品まで約100本の野球映画が紹介されている。野球がストーリーの中心であるばかりでなく、1シーン、セリフの中に野球が登場するものも含まれているのでこれだけの数になる。
映画史に残る名作、「十二人の怒れる男」には、
「どこのファン?」
「ボルチモアですが」
「お気の毒、なんであんな弱いチームを応援するんだ」
というセリフがあるらしい。この映画、3回くらいは見ていると思うが、恥ずかしながら覚えてない。
偉大なるゲーリッグを描いた『打撃王』では、右ききのゲーリー・クーパーを左ききにみせるためにヤンキースのユニフォームを左右逆に作って撮影し、フィルムを逆に焼き付けたというエピソードもこの本で知った。
また、映画の紹介をしながらも野球史にも詳しく触れてあったりする。
野球映画が好きではない僕も、
「野球映画もたまには観てみるかな」
という気持ちにさせられる一冊である。