新・瘋癲球人日記

野球をこよなく愛する瘋癲球人の日記

コーチ

2007年02月22日 | 野球本レビュー(2006.12.26)

(マイケル・ルイス・著 ランダムハウス講談社)

「一人前になるとは、逆境に置かれたとき、逃げ出したくなる本能と戦うことだ。おまえたちは戦った。もしおまえたちが戦に行くと言えば、おれは喜んでいっしょに行く」著者マイケル・ルイスの“恩師”フィッツの言葉だ。フィッツは著者が高校時代に出会った、野球の鬼コーチ。スポーツだけでなく、人生も教えているコーチは、ちょっと前まではかなりいたように思う。
今は何かと言うと親がすぐ出て来るので厳しい指導もやりにくいという話はよく聞く。
先日もあるシニアのコーチをつとめる知り合いが、
「自分のコをレギュラーにしてくれって高いお歳暮送ってくる親もいるんだよなあ。全部、送り返してるけどさあ」
と愚痴っていた。
何か本質的なところが間違っているような気がする。

怪物たちの世代―その時、甲子園が揺れた

2007年02月14日 | 野球本レビュー(2006.12.26)

(竹書房)

70年代後半から現在までの甲子園の流れをさらっとおさらいするには絶好の本だと思う。
「明徳義塾というのは今ひとつ野球の色が分かりにくいチームである」
にはうんうんとうなづき、
「荒木大輔世代」、荒木大輔投手の盟友、小沢章一さん(残念ながら昨年お亡くなりになりました)の、箱根駅伝やラグビーで母校を応援するものも、野球の「早慶戦」は見ない、という心中を思い、うーんとうなった。
僕は「水野雄仁世代」。
大輔を打ち、KKに打たれた─の言葉が象徴するように、甲子園では「伝説を残せなかった」世代である。

エンジョイ・ベースボール

2006年12月26日 | 野球本レビュー(2006.12.26)
エンジョイ・ベースボール

(上田 誠著 日本放送出版協会)

著者の上田誠氏は慶応義塾高等学校野球部監督。
その野球部で実践されているエンジョイ・ベースボールとは決して楽な野球ではない。また、勝ちを放棄する野球でもない。むしろ、徹底的に勝ちにこだわる野球である。従来の軍隊式な「野球道」から不条理なものを排し、理論的、効率的に勝利を追求する。厳しい練習だって、周りからの罵声だって楽しんじゃう野球なのである。
自分で考え、自分の責任において練習し、試合をするエンジョイ・ベースボール厳しいものだと思う。
監督やコーチの指示通りプレーした結果は責任転嫁出来る部分もあるかも知れないが、自主的にやったことは自分が全責任を負わなければならないからだ。

上田氏にも大きな影響を与えた前田祐吉監督の慶応義塾野球部で野球を学んだ高校の同級生が
「慶応の野球は楽しいぜ。でも、厳しいんだけどな」
という言葉が少し分かったような気がする。

関白さんのホームラン

2006年10月11日 | 野球本レビュー(2006.12.26)


「関白さんのホームラン―元早稲田大学野球部監督・石井藤吉郎物語 」(富永俊治・著 中経出版)

早稲田の古くからのファンの方から石井藤吉郎監督のことは何度となく聞いてきた。「関白さん」のことを悪く言われる方は皆無。この本を読んで改めて納得する。
豪放磊落でありながら、ユーモアにあふれてチャーミングなところも持ち合わせていらっしゃったようだ。
うーん、僕も部活時代にこういう監督さんに出会いたかったなあ。

ホームラン術

2006年09月06日 | 野球本レビュー(2006.12.26)


(鷲田 康・著 ホームラン術)

この本にはホームランを打つための「術(すべ)」が書いてあるわけではない。ホームランを科学的に検証しているわけでもない。日米のホームラン打者のプロフィールなど基本的なデータを並べて、それぞれの打者のホームランの特徴などにちょこっと触れているだけである。書名は「ホームラン打者列伝」でいいのではないか? 「ホームラン術」などというタイトルだと期待してしまうではないか。