季節の風物おぼえ書き

~季節の風習や行事を紹介しています~

七夕と「笹竹飾り」と「短冊」

2007年06月30日 | 夏・初夏 七夕

 元来、笹飾りは少しでも星に近づくよう、屋根や物干し台などの上に高くしつらえたとか。笹竹には短冊、願い事や収穫をすくい寄せるすくい網、風で身を清め、厄を祓う七夕人形等もつるします。

 短冊は、五色の短冊、五色の糸など「青・赤・黄・白・黒」の五色が欠かせませんが、これは「木・火・土・金・水」の五つの元素が天地を循環しており、その動きの解明によって万物の利を知る、という中国の陰陽五行説に由来します。この五元素を色に表したのが、五色です。

 また、人の守るべき五つの徳を五常といい、「仁・礼・信・義・智」がそれぞれの色に対応しています。短冊に願い事をしたためるときには、黒(紫)の短冊に学業の向上を、赤の短冊に父母や祖先への感謝の念を託してみては如何でしょうか。

 五穀豊穣を願って、季節の野菜を備えたり、素麺を頂く風習も有ります。

(参考:「室礼おりおり」NHKおしゃれ工房2006.7)

 ♪おほしさま きらきら きんぎん すなご♪の歌詞はおなじみですが、♪すなご♪の意味が分からなくて調べて見ました。漢字では「砂子」と書き、細かな金箔や銀箔を吹き付けた短冊の事です。 又、「きらきら輝くお星様」が、細やかな金銀の粒(砂子) の様だという意味も有るようです。

 書道の上達には、里芋の葉の朝露で墨を擦り文字を書くという習わしが有ります。又、稲の葉で水をすくい、墨を擦って書くという習わしも有るそうです。私達は、新宿でミニ田んぼを作っているので、稲なら用意できます。早速、書道に通っている孫にやらせて上げようと思います。


七夕~「五色の短冊」と「陰陽五行説」の意味

2007年06月30日 | 夏・初夏 七夕

 五色の短冊の「青・赤・黄・白・黒」は又、中国漢方の陰陽五行説に由来する「木・火・土・金・水」と対応し、更に、人の守るべき五つの徳、「仁・礼・信・義・智」とも対応していいます。 (参考:NHKおしゃれ工房、2006.7、室礼)

 配列を順に並べて見ました。

  ■ 青 ・ 木 ・ 仁 ~ (徳を積む・人間力を高めよう) 

  ■ 赤 ・ 火 ・ 礼 ~ 父母や祖先への感謝の念

  ■ 黄 ・ 土 ・ 信 ~ (信頼、知人・友人を大切にしよう)

  □ 白 ・ 金 ・ 義 ~ (義務や決まりを守ろう)

  ■ 黒 ・ 水 ・ 智 ~ 学業の向上

 中国漢方の陰陽五行説に由来する「木・火・土・金・水」には、相生という考え方があります。を焼けば、を生じ、は灰・を生じ、属を生じ、属よりを生じ、を育てるという具合に循環します。


「七夕」の由来

2007年06月30日 | 夏・初夏 七夕

 中国では7月7日に、牽牛星(けんぎゅうせい)と織女星(しょくじょせい)の恋物語である「星祭り」という行事がありました。また、織女星をまつり、機織り(はたおり)や手芸の上達を祈った「乞巧奠」(きこうでん)という行事もありました。

 日本では古来、「棚機つ女」(たなばたつめ)というみそぎの行事がありました。それらの行事や伝説が合わさったのが現在の「七夕」と考えられます。

 また、七夕飾りに使われる「笹竹」は、日本独自のまつり方です。竹は、1日に1メートル近くも伸びることがあるといわれるほど成長が早く、人々はその秘められた素晴らしいエネルギーに願いを託し、天に届くようにと気持ちを込めたのでしょう。竹の節目は季節の変わり目を感じさせます。旧暦では夏と秋の交差する節目の祭である「七夕」にふさわしいといえます。 (参考:「ぎょうじのゆらい」講談社)

 日本の、「棚機つ女」(たなばたつめ)の行事とは、旧暦7月7日の夜、盆に先立って祖霊を迎えるため、乙女が人里離れた水辺の機小屋で一夜を過ごし、穢れ(けがれ)を水に流して祓います。水の上に棚作りをして機を織ることから、この祓えを「棚機」(たなばた)と呼びましたが、いつしか中国からの伝承と融合して、現在の「七夕」になったようです。 (参考:「室礼おりおり」NHKおしゃれ工房2006.7)