季節の風物おぼえ書き

~季節の風習や行事を紹介しています~

お盆~迎え火

2007年07月13日 | 夏・お盆

 お盆は、盂蘭盆会(うらぼんえ)という仏教行事で、餓鬼道(餓鬼道)におちた目蓮の母親を救うために供養したという伝説から始められたとされています。目蓮は、お釈迦様の弟子の1人です。目蓮には、亡くなった母親が死後の世界で苦しんでいる様子が見えたので、心を痛めていました。お釈迦様は、「皆と一緒に、他の人たちの供養もしなさい」と教えました。その教えが、祖先の霊を大事にする日本の風習と合わさりました。お盆は、祖先の霊を迎え、慰める行事です。霊を迎えるために、迎え火をたく風習は今も行われています。(参考:ぎょうじのゆらい・講談社)

 精霊トンボ お墓参りの時、直ぐ近くの空を薄いオレンジ色のトンボの群れが、ふわりふわりと風に乗って舞っていました。後で調べてみると、このトンボは、丁度お盆の頃に多く見られるウスバキトンボ(薄羽黄トンボ)のようです。地方によっては「ご先祖様が精霊トンボに身を変えて帰ってくる」とか「精霊トンボは仏様のお使いである」と伝えるところもあります。「精霊トンボを捕まえてはいけないよ」と、親から教えられた人も少なくないはずです。遠い仏の世界からご先祖さまを乗せて飛んでくるという発想は、このトンボにふさわしいもののように思えてなりません。(参考:光明 真言宗豊山派)

 ウスバキトンボは熱帯地方のトンボで、東南アジアなどから大群で太平洋を越えてやって来ます。でも、無事陸地にたどり着けるのは、ごく一部のようです。4月か5月頃から見られるようになりますが、大変成長の早い種で、7月には子が羽化し、8月中旬にはもう孫が羽化し、この頃になると大変な数になって飛び回ります。ウスバキトンボは羽根が幅広く大きいので、グライダーのような優秀な滑空性能を持っているので、長距離飛行には好都合です。でも、寒さに弱く、国内では秋から冬にかけて成虫・卵・幼虫の全てが死滅し、また翌春に南から渡ってくるという生活を繰り返しています。
 
(参考:トンボのすべて トンボ出版)

   
※上記記事は、姉妹ブログ「ホビー・楽しいクイリング」より引用しました。


ほおずき市(7月9日~10日)

2007年07月11日 | 夏・初夏 ほおずき市

1_11  毎年、7月9日、10日は浅草・浅草寺の「ほおずき市」が開かれます。赤くて大きい実の「丹波ほおずき」、緑色の小ぶりな実の「千成ほおずき」。かつては盛んに栽培されていた千成ほおずきも、今では観賞用として見栄えの良い丹波ほおずきが主流になっています。千成は育てるのにとても手間がかかるのと、育てやすい丹波に人気が集まるようになり、千成の栽培農家は減少し、都内では、江戸川の島村さん一人になってしまいました。その千成ほおずきが並ぶのも、後継者がなく今年限りになりました。(写真:2007.7.9 読売新聞) (参考:読売新聞2005.7.10)~姉妹ブログ・「ホビー楽しいクイリング」より

 江戸中期から200年以上も続く伝統行事で、境内には、よしず張りの露店が約250軒も並び、毎年50万人もの参拝客でにぎわいます。丹波ホオズキと千成ホオズキの鉢他、実だけを連ねた華麗な枝も販売されています。

 (参考:産経新聞2006.7.11)~姉妹ブログ・「ホビー楽しいクイリング」より 


入谷の朝顔市(7月6日~8日)

2007年07月11日 | 夏・初夏 朝顔市

1_12  (写真:2007.7.6 読売新聞)

 東京の下町に夏の訪れを告げる朝顔市は、東京・台東区の入谷の鬼子母神・真源寺周辺で行われます。

 境内や周辺の通りに並んだ約60軒の露店には、赤・青・紫など色鮮やかな花を咲かせた朝顔の鉢が、約10万鉢が並びます。期間中は、20万人以上の人出が見込まれます。

 (参考:2007.7.6 読売新聞)

 入谷の朝顔市は、現在も色とりどりの朝顔が見られますが、その昔、江戸時代は今をも凌ぐ「園芸ブーム」で、様々な花樹草花が栽培されていました。朝顔も様々な形の変化朝顔が作出されましたが、現代では途絶えた品種も多いそうです。

 (参考:2006.7.9 姉妹ブログ「ホビー楽しいクイリング」より


七夕と、案外知らない七夕の物語…

2007年07月04日 | 夏・初夏 七夕

 牛飼いの「牽牛」と、機織りの「織女」は、とても仲が良く働き者でした。やがて二人は神様のお許しを得て、結婚しました。ところが、結婚した途端、二人は遊ぶことに夢中になり、ちっとも働かなくなってしまいました。

 それを見ていた神様は、カンカンに怒り、二人を引き離してしまいました。

 嘆き悲しむ二人を見ていて可愛そうに思った神様は、一年に一度だけ、七月七日の夜、「天の川」を渡って、二人が逢うことを許してくれました。

 この物語は、中国から伝わった星祭りの伝説と、日本古来から伝わる昔話が組み合わさり、現代に伝えられています。雨が降ると会えないとか、カササギが羽根を広げて渡してくれるとか、地方によって色々な形で伝えられています。

 (参考:ぎょうじのゆらい 講談社)


七夕と、技芸の上達を願う「乞巧奠」とは…

2007年07月04日 | 夏・初夏 七夕

 中国には古来、織女星をまつり、機織り(はたおり)や手芸の上達を祈った「乞巧奠」(きこうでん)という行事がありました。

 女性のたしなみと考えられていた技芸の上達を願う「乞巧奠」のしつらいは、七夕にちなんだ7本の針には針仕事の上達を、琴柱には芸事全般を託します。筆先が五色に染められた「願望筆」と「短冊」には、文字や学芸の向上を願います。

 「乞巧奠」の供え物のしつらいは、笹飾りは少しでも星に近づくように願って高くしつらい、願い事をしたためた「短冊」、願い事や収穫をすくい寄せる「すくい網」、風で身を清め、厄を祓う七夕人形をつるします。七夕に因んで、7種の旬野菜、魚介類、お酒などを供えます。水盤には水を満々と湛え「星映しの器」とし、星を水面に映し、夜空に思いを馳せます。

 (参考: NHK・おしゃれ工房 2006.7 「室零おりおり」 山本三千子)

 「乞巧奠」のしつらいには、9本の明かりを灯し、4台の机には供え物をし、タライの水に星を映します。

 又、7月6日には短冊を書く準備をします。墨は、里芋の朝露で摺ります。

 七夕の食べ物は、古来中国では「索餅」(さくべい)という菓子の一種を食べていました。現代では、細くて長い糸に見立てて裁縫の上達を願って「素麺」を食べます。

 (参考:NHKラジオ・おしゃべりクイズ「疑問の館」 2007.7.2)

 

 

 

 


七夕と、飾りや供え物の意味

2007年07月02日 | 夏・初夏 七夕

 七夕は夏の収穫期にも当たり、麦を中心として、栗(くり)、稗(ひえ)、芋、豆などの畑の作物の実りを感謝して祝う信仰もありました。現代では、この日に「五色の素麺」を食べる習わしも伝わっています。

 笹竹を、屋根や物干し台などの上に高くしつらえるのは、少しでも星に近づくようにとの願いが込められています。

 折り紙で作る「網」は、願い事や収穫をすくい寄せる意味が有ります。

 切り紙で作る「七夕人形」は、風で身を清め、厄を祓う願いを込めています。

(参考:2006.7 NHK・おしゃれ工房 「室零おりおり」 山本三千子)