「陰陽五行説」では「陰極まって陽に転じる」時とされ、太陽の力が少しずつ回復するおめでたい日とされています。
長い不幸が去って、一条の希望が見えて来ることを「一陽来復」(いちようらいふく)といい、「冬至」の事を指します。
新宿区内の「穴八幡神社」では、「冬至」から「節分」までの期間「一陽来復」のお札を授けています。特に「金銭融通」に御利益があるとされ、遠く四国あたりからも観光バスが来るなど賑わうそうです。実際に私も長蛇の列に並んだ体験が有ります。
お札を祀るのは、「冬至」・「大晦日」・「節分」の深夜12時丁度に祀る習わしが有ります。又、祀る方角は「恵方」とされ、毎年変わります。
冬至にいただく「かぼちゃ」(南瓜)の黄色は厄よけの色とされ、栄養価が高く体力をつけて風邪などを予防し、中風予防にもなるといわれています。
冬至の「ユズ」には、「融通が利くように」という願いが込められています。又、精油成分には、精神安定や疲労回復などの効果が期待できます。
「柚子湯」は、高い香りで邪気を払い、禊ぎをする意味合いと、体を温めて風邪を予防する効果も有ります。
冬至の習慣は、儀礼だけではなく、寒い冬を乗り切り、新年を元気に迎えようとする、昔の人の知恵が盛り込まれています。
主な出典:「室礼おりおり」