季節の風物おぼえ書き

~季節の風習や行事を紹介しています~

酉の市

2007年11月11日 | 冬・初冬 酉の市

100_0047  「酉の市」は、11月の酉の日に、鷲(おおとり)神社などで行われる祭礼を「おとりさま」と呼び、この日は境内に市が立つので、「酉の市」と呼ばれてきました。

 鷲神社はもともと武運長久の神として信仰を集めていました。江戸時代になって市で農機具を並べたところ、「福や金銀をかき集める」縁起物として特に「熊手」が人気品となりました。

 さらに、七福神、お多福面、宝船、黄金餅(粟餅)、ゆでたヤツガシラ(サトイモの一種で、「八人の頭になれる」といういわれ)なども売られるようになり、商売繁盛や開運の神として、広く信仰されるようになっていきました。

 ちなみに、酉の日が、2回来る年と3回来る年があり、「三の酉まである年は火事が多い」といわれます。これは、ひと月に3回も市が立つことで、日常生活がゆるまないよう、気を引き締める意味合いがあったと思われます。

 (写真:2004年 新宿・花園神社)

 (参考: 「日本人のしきたり」 編者:飯倉晴武 青春出版社刊)

 22日と23日のNHKラジオ深夜便に、鷲在山長國寺の井桁住職が出演し、酉の市の由来を話されていました。そのお話しと長國寺のHPを参考にして、その歴史を簡略に表して見ました。

 1265年(文永2年・鎌倉時代)、日蓮大聖人が、現在の千葉県・茂原市に滞在の折、国家平穏を祈祷したところ、鷲妙見大菩薩が現れ出でたと伝えられています。それが、11月の酉の日でした。

 1771年(明和8年・江戸中期)、千葉の地より、浅草・寺町の鷲在山長國寺に移し祀られました。その後、現在の地、浅草・千束に移転し現在に至っています。

 鷲妙見大菩薩が「11月の酉の日」に現れた言い伝えから、この日だけ「御開帳」が許され、多くの参詣者の厚い信仰を集めて、門前に市が立つようになりました。これが「浅草・酉の市」の発端となり、江戸庶民より「おとりさま」と呼び親しまれまれ、酉の市は一段と賑わいを増しました。

 1868年(明治元年)、「神仏分離令」で、「鷲在山長國寺」と「鷲神社」とに分割されました。鷲妙見大菩薩は長國寺に安置され、11月の酉の日には多くの参詣者を集め、ご開帳の法要が、厳粛盛大に執り行われています。俳句にも「浅草は 神も仏も 酉の市」と詠まれ、長國寺・鷲神社共々賑わっています。

 現在では、浅草の他、新宿の花園神社、熊野神社など各地でも「酉の市」が催されるようになりました。

 鷲神社公式ホームページでは、「酉の市」などの由緒が詳しく公開されています。

 鷲在山長國寺のホームページでも、由来を公開しています。


七五三の祝い

2007年11月09日 | 冬・初冬 七五三

100_005 七五三は江戸時代の武家社会の習わしが原形になっていると考えられています。武家社会では、三歳になると男女とも、おかっぱ髪から結髪をする「髪置きの祝い」をしました。五歳になると、男の子に初めて袴を着せる「袴着の祝い」が行われました。七歳になった女の子には、着物に付けていた紐から初めて帯を結ぶ「帯解」「帯直しの祝い」を行いました。

 また、かつては「七歳までは神のうち」といわれるほど、七歳までの死亡率が高かったことから、七歳まで無事に生きてきた子供の成長を氏神に見せて感謝する意味もありました。

 子供が長生きするようにとの願いを込めた細長い「千歳飴」は、元は江戸の浅草寺境内で売られていたものが全国的に普及したものです。

   七五三が11月15日になったのは、江戸時代に徳川綱吉の子供である徳松君の祝いを天和元年11月15日に行ったことから、以後、この日になったといわれています。

 参考:「日本人のしきたり」 編者:飯倉晴武 青春出版社刊

 「千歳飴」は、子供の健康長寿を祝う縁起ものとして、お宮に参った後で親戚や近所に配る習わしありますが、その始まりは元禄宝永年間(1688-1710)の頃、江戸浅草の飴売り七兵衛の売り出した千年飴にあるとも、また一説には、元和一年(1615)に大阪の平野甚衛門が江戸に出て売り出したとも伝えられています。

 参考:新宿・中村屋

 

  


10月31日ハロウィン、11月1日万聖節

2007年11月01日 | 秋・ハロウィン

 ハロウィンは、キリスト教の万聖節の前夜祭のことで、死者が帰って来る日とされています。
 元々はヨーロッパ発祥の秋の収穫を祝い、悪霊を追い払う民族行事でした。
 これがアメリカに伝わり大衆化しました。

 アメリカでは各家庭がカボチャをお化けの顔のようにくりぬき、内部にロウソクをともしたジャック・オ・ランタンを作って飾ります。
 また、死者の霊に混じってくる悪霊を驚かしたり退散させようと、思い思いの仮装をします。特に子供たちはお化けの仮装をして、「何かくれないと、いたずらするぞ!」と言いながら家々を回る風習があります。

  「トリック オア リート」…?。小5の孫娘が何か言ってるなと思っていたら、これが「何かくれないと、いたずらするぞ!」という意味でした。ちなみに英語のスペルを調べたら「Trick or Treat」でした。

 「地域で楽しむハロウィン」って…?。ハロウィンは欧米の伝統行事ですが、日本でも地域などでハロウィンを楽しむところが出てきました。例えば、子供の訪問を受け入れる家はサインとして、門や玄関先にカボチャのランタンなどを飾り付け、大人も仮装をして出迎える地域があります。
 商業施設等を中心に関連商品の販売や仮装パレードなどのイベントも催されています。東京・原宿では、27日に今年で31回を迎える「原宿表参道ハローハロウイーンパンプキンパレード」が行われます。 

 (参考:読売新聞 2007.10.29、2013.10.14)