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「終息宣言」はありえるのか? - 新型インフルエンザ

2009-06-08 | Weblog
 土曜日(6月6日)の新聞記事になりますが「新型インフルエンザの発症日別の感染動向」のグラフが載っていました。その時点での状況を正確に知るために、累積人数ではなく、まさにこのようなデータを知りたかったところでした。

 5月5日から6月4日までの1ヶ月のデータが示されていましたが、5月17日がもっとも多く74名で、また前後3日間の人数を足すと289名。また、5月12日までが5名~8名程度だったのと比べると、それから数日で急速に拡大していったとともに、対策の効果か、18日以降は急速に減少していったということが良くわかるデータです。

 また、最新のデータとなる5月29日~6月4日の一週間は合計でも32名(1日平均4~5名程度)で、落ち着いてきたことがわかります。

 記事の中では、これを踏まえて「終息宣言」を出すかについて、
・国土交通大臣は、観光に打撃が出ていることから、早期に出すべきだと主張
・構成労働大臣は、WHOが警戒水準の引き上げを検討していることや、宣言後に爆発的な流行が起きた場合政府の危機管理能力が問われることなどから出すことに反対

といった議論があるとも述べられています。

 しかしながら、新型インフルエンザは、これからも冬の流行期を迎える南半球への旅行者などから感染が発生する可能性もあるし、そもそも国内でも感染しながら発症していない人からなど、今後新たな感染がまったくゼロになることはないのではと思うので、まるでインフルエンザが根絶やしになったかのように受け取れてしまう「終息宣言」をすることがなじむようなものかと感じています。

 私は、「0か1か」を示すような「終息宣言」ではなく、日本における感染の状況(絶対数や増加の状況)をもとに、いくつかのレベルにわけて、
・現在のような、他の国と比較しても他の病気と比較してもそれほど「大変」という状況でないときには「レベル1」
・5月17日のような感染が急速に拡大し絶対数も多いときで、より慎重な対策が必要なときには「レベル3」とか「レベル4」とか、上の警戒段階を示す

といった方法をとってはどうかと考えます。

 この件に限らず、世の中、どうも「良い・悪い」を明確に「0か1か」で示すことを好む人が多いような気がしますが、そんな単純なものではないのでは。

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