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α宇宙域「地球」からの素粒子ストリングス変調波ノイズを受信!彼らの歴史、科学、娯楽、秘密など全てが含まれていた。

AIに訊いてみた-2 「イベルメクチンは効くか?」① 消えたアビガンの謎の巻

2023-05-11 22:18:14 | コロナ
●Bingで調べる前に。AIへの質問(プロンプト)には工夫がいるから

「イベルメクチンは効くか?」このテーマを深追いする前に、筆者の立場を明確にしておく。
筆者は、ワクチン効果懐疑派で、かつイベルメクチン有効派である。だからこのテーマを調べるのに中立ではない。「なんだそれじゃ結論ありきじゃないか!」と言われても仕方がない。

しかし盲目的に反ワクチンの陰謀論を信じているからではなく、根拠もなくイベルメクチンは有効だと主張しているのでもない。理由があるからだ。それを簡単に説明しよう。

「コロナにはいまのところワクチンしか有効に対処する薬はない」という風潮がある。これはそう間違った指摘ではないだろう。さらに「イベルメクチンが一部の人は効くと言っているが、本当かな?WHOもFDA(米食品医薬品局)、CDC(米疾病予防管理センタ)も否定的だ」と感じている人も多いだろうと思う。

この3年間に、コロナに怯える世界の人々の心に植え付けられたまさにこの2つの印象こそ、世界的なワクチン村、ワクチン・マフィア、メガ・ファーマー帝国の思うつぼなのだ。なんだ、やっぱり陰謀論か、と即断するなかれ。筆者が根拠や理由なくデタラメを書いているかどうかは記事を全部読んでから判断してほしい。


「莫大なワクチン開発費をかけて、しかも大儲けができるのに、安価で長年の実績と高い忍容性のある既存薬で治すことができる」
ワクチンや新薬で儲けたいメガ・ファーマー帝国にとっては許しがたいことだ。
理由を説明しよう。


●不可解なアビガンつぶしの謎。トランプや安倍の承認意向でさえ潰したのは誰か?

<不可解1 国を私物化した安倍でさえ自国薬アビガンを承認ができなかった>

日本で最初の緊急事態宣言(2020.春)が発出された頃、中国ではコロナの感染爆発で大混乱していた。レムデシビルや抗HIV薬カレトラなど多くの既存薬を試し、最終的にコロナに改善効果が認められたファビピラビル(アビガン)が中国で国内承認されていた。

(日経バイオテク2020.3.18)



焦る安倍はアビガンが近いうちに日本でも5月中には緊急承認されるだろうと前のめりになってTVで発信していた。既に1100の医療機関で投与され3000件の投与例があり、世界約80カ国にも無償提供の予定、投与例約350人の2週間後の症状改善傾向で、「軽症者 9割、重症者 6割」の著効結果だった。トランプ米大統領との会談でも自慢げに話していたのだ。

(国内外に自慢したアビガン。NHK・NW9・2020.4.7。報道ST2020.4.16。モーニングショー2020.5.4)


だがご存じのように、なぜかアビガンの緊急承認は見送られた。その代わり2020年5月7日の日本医師会の有識者会議で特例承認の緊急提言で「高いエビデンスでCOVID-19に対する有効性が確認された初めての薬剤」としてレムデシビルが特例承認された。しかし6月1日、レムデシビルの後期治験で有効性の効果は確認できなかったと発表され、ギリアド社の株価は下落した。さぞ株価乱高下で大儲けした人がいたのではないか。

さらに加えると、このレムデシビルはいわくつきのしろものだ。開発には米陸軍感染症医学研究所(USAMRIID)が関わっていて抗エボラ薬としては失敗したと言われている。またギリアド社は、悪名高い大物の銭ゲバ、ラムズフェルド国防長官が会長を務めていた世界第2位のメガ・ファーマーで、ラムズフェルドは大株主の一人であった。

インフルエンザの経口治療薬としてはタミフルが有名だが、このタミフルもギリアド社が開発した。アビガンも抗インフルエンザ薬として開発承認されたが、厚労省の管理下に置かれたまま市場では使われなかった。タミフル市場を守るためと勘繰られても仕方がないのではないか。なぜアビガンは使われなかったのか?危険な先天異常を引き起こす催奇性の副作用があるから使用は慎重にすべき、というのが理由だ。
表向きの貧弱なアビガン排除根拠は信じられない。何か大きな力が働いたと考えると納得がいく。


<不可解2 アビガンの催奇性が問題? だが近年日本で承認された新コロナ経口治療薬、メルク社のモルヌピラビル、塩野義のゾコーバにも催奇性がある。なぜ承認されたのか?>

アビガンはRNA合成阻害を機序とする抗ウィルス薬である。日本でコロナ治療薬として承認されているレムデシビル、モルヌピラビル、ゾコーバもRNA合成阻害を機序とする薬剤。そしてRNA合成阻害薬には催奇性という副作用があることが知られている。

米大統領トランプも2020年の春頃、パンデミック初期は「コロナはただの風邪の一種」と軽視して対策を怠った一人だ。だが日米だけでなく世界中で死者が溢れかえる惨状がハッキリしてくると、国民からの厳しいバッシングの嵐を被ることになった。お友達同士のトランプと安倍は電話で鳩首協議を重ねた。コロナ特効薬はないか?
「レムデシビルが効くようだ」とトランプ。
「日本にはアビガンがあり、中国に先を越されて治療薬承認されたが、日本でも5月中には承認させる予定です。世界中に無償供与できる体制を準備している」と安倍。
「オレにももちろん送ってくれるのだろう?シンゾウ」
「当然です。ドナルド」
「ゴルフクラブより良い贈り物になりそうだ。NSA(国家安全保障会議)にもアビガンを受け入れるよう手をまわしておく。ファウチやFDA、CDCなどが抵抗しそうだが、俺に逆らう度胸のあるやつはいない」

こんなやり取りがあったと想像させる記事がある。その記事からは催奇性の副作用があることが問題となり米国の薬事当局が反対したようだ、とある。
POLITICO(米・政治専門メディア)の2020.3.31の英語記事で、タイトルは、
White House pressures FDA on unproven Japanese drug(ホワイトハウスは、証明されていない日本薬についてFDAに圧力をかける)とある。下図はその英語記事の抜粋を日本語翻訳させたもの。

(安倍もトランプも推奨したアビガン。どれだけの力のあるものがこれを葬ったのか?POLITICO 2000.3.31



このトランプと安倍のアビガン承認を巡る結託を批判する別の記事もある。NYタイムスのベン・ドゥーリー記者が書いた記事、「不都合な真実 安倍首相が推しまくるアビガン」2020.5.9。

その記事の中で記者は「アビガンには先天異常という危険な副作用があり、安倍はその重要事項をごまかして推奨」と書かれてある。
ベン記者に訊きたい。
メルク社のモルヌピラビル、塩野義のゾコーバにも催奇性があるのに、コロナ治療薬として承認されているが、どう思うか?
ベンは何と答えるだろうか

(マスゴミもアビガン排除に活躍。記事「不都合な真実」2020.5.9)



<不可解3 なぜ厚労省はアビガンを認めないのか? AIに訊いてみた。アビガンをコロナ治療薬として承認している国は?>

日本の厚労省はこの催奇性を問題視してインフルエンザ経口治療薬市場からアビガンを葬った。タミフル独占市場ができてしまった。なぜ厚労省は米国のメガ・ファーマーおたくなのか?

AIに訊いてみよう。
「ファビピラビルをコロナ治療薬として承認している国は、中国、ロシア以外にありますか?」

AI回答「中国、ロシアのほかにも、インド、インドネシア、トルコなどで承認されています




さらにAIにアビガン承認国は何か国か?と訊いてみたら、「少なくとも10か国以上」と回答があった。
筆者が調べた2020年9月時点では、様々な商品名で、約60か国で使用・登録されていたことが分かっている。

中国・浙江海正薬業(Hisun)社の「法匹拉韋(ファビラベ)」、ロシア・Chemrarグループの「Авифавир(アビファビル)」、インド・Glenmark社の「Fabiflu(ファビフル)」、インド・Cipla社の「Ciplenza(シプレンザ)」、エジピト・Rameda社の「Anviziram(アンビジラム)」、トルコ・Atabay社の「Favicovir(ファビコビル)」等など。

(またもや厚労省が承認先送り。世界各国にはアビガンのジェネリック薬が溢れているのに。モーニングショー2020.12.10他から)



もし2020年10月16日、富士フィルムがアビガンの有効性を示す治験結果とともに承認申請が提出された時点で、厚労省が緊急承認していれば、自宅放置でコロナ死した人々や、カロナールなど解熱薬で中途半端な症状回復して平均6.2か月後に再感染して後遺症を引きずっている人々を減らすことができた可能性が大である。

この厚労省のアビガン承認引き延ばし策は人命を軽視した無責任な不作為行為で重大である。

だが厚労省はたぶん次のように言い訳するだろう。
「2022年10月14日、富士フィルムのほうから「重症化を抑える効果が確認できなかったので承認を取り下げる」と申し出があったからだ。我々には責任はない」

今更承認して効果があることが分かれば、厚労省のメンツ丸つぶれになる。ワクチンを打つ人もいなくなる。企業側から取り消したことにすれば丸く収まる。
それに「重症化抑制効果がなかったから」とする取り消し理由はおかしいだろう。重要なのはタミフルのように早期投与軽快効果である。富士フィルムに承認申請を諦めるよう「働きかけ」があったと考えれば胸落ちする。


<アビガンが効いたという多くの著効例。今はブロックされて閲覧できない>

2020年春、世界中で治療薬を模索していたころ、日本各地の病院で臨床研究としてコロナ入院患者にアビガンが投与され、その治療の結果、著効(著しい効果があった)例が「日本感染症学会」の公開サイトに多数掲載されていた。監督官庁である厚労省がそのことを知らないハズがない。この著効例を厚労省が安倍に進言したので、安倍の世界へのアビガン自慢が行われたのだ。




① 「ファビピラビルが著効した1例」東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 統合診療部 2020.4.15
② 「早期のファビピラビル、重症化せず軽快」旭労災病院(愛知)2020.3.31
③ 「ファビピラビル使用例を含む例」杏林大学医学部付属病院(東京) 2例中の後半例 2020.3.31 
④ 「ファビピラビルを早期投与し軽快した80代後半の例」舟橋中央病院(千葉) 2020.3.31
⑤ 「当院における・・ファビピラビル投与の肺炎例11例・・」舟橋中央病院5例 2020.4.13
⑥ 「発症8日目にファビピラビル投与で翌日から急速改善した例」日本赤十字社伊勢赤十字病院(三重) 2020.4.15
⑦ 「透析患者にファビピラビルを使用した例」名古屋大学医学部付属病院 2020.4.15
⑧ 「ファビピラビル(アビガン)投与により速やかな症状改善とPCR陰転化を認めた例」東京品川病院 2020.4.6

これはアビガン著効例のほんの一部である。他にもたくさんあったが、今はこのサイトはなぜかブロックされていて見ることはできない。
安倍が世界に向けてアビガン自慢をしている時は閲覧できたのに、アビガンが承認見送りになった途端に閲覧できなくなったことは何を意味するのか。
(注記:当学会サイトからは見ることはできないが、各研究論文は個々の研究者の著作物のためネット上に残っていれば検索可能である。
例えば⑥番目の論文は、「日本赤十字社伊勢赤十字病院」、「発症8日目」、「ファビピラビル」でヒットした)

なぜアビガンが効くことを隠すのか?
世界で使用されているのに日本はなぜ承認しないのか?
アビガンを葬って得したのは誰か?



次回は、「AIに訊いてみた-2 「イベルメクチンは効くか?」② 私はこれでワクチンをやめましたの巻」の予定。

名画館3 「ノー・エスケープ 自由への国境」

2023-05-09 19:00:12 | 映画
●低予算の佳作:2015年公開 メキシコ・フランス

最初にご注意を。下図は全部「ノー・エスケープ」とタイトルのついた映画。探せばまだあるかもしれない。「逃げ場なし」というシチュエーション・タイトルの映画は観客をタイトルだけで呼び込める定番なのかもしれない。



ここで紹介するのは、「ノー・エスケープ 自由への国境」と日本語の副題がついた映画。
主演はメキシコの俳優、ガエル・ガルシア・バルナルというイケメンだ。メキシコでは有名なようだ。この映画の主役兼制作総指揮を担当。
敵役は、海外TVドラマのウォーキング・デッドに出てくる残忍なバット撲殺魔で救世主グループのリーダー、ニーガン役で鮮烈デビューをしたジェフリー・ディーン・モーガン。

・ストーリーと感想:

場所はアメリカとメキシコの国境地帯に広がる岩山とサボテンだけしかない砂漠地帯。そこを十数人のメキシコ人がアメリカの国境警備隊に見つからないように徒歩で越境しようとしていた。
そこにオンボロジープから降り立った男が、遠方の丘からライフルで一人また一人と射殺していく。彼は趣味で人狩りを楽しむマンハンターだった。

素手の密入国者たちは反撃の手段がないので逃げ惑うばかり。猟犬トラッカーとともにジワジワと密入国者たちを追いつめる。遂に残るは2人だけになってしまった。果たして2人は危地を脱することができるのか?

単純でわかりやすいストーリーだが、なかなか面白い場面展開で飽きさせない。砂漠しか出てこないので、セット予算不要のためかなり低予算映画だろう。

薄ら笑いを浮かべながら淡々と人殺しを続ける役はジェフリー・ディーン・モーガンのはまり役だ。
また獰猛なシェパードの殺人犬「トラッカー」がいい演技をしている。たぶんソフトバンクCMのお父さん役で活躍した白犬カイくん(2018.6.28故人。天寿16才)よりギャラは安いだろう。

(映画「ノー・エスケープ 自由への国境」から)




名画館2 「三国志 Secret of Three Kingdoms」

2023-05-06 20:25:04 | 映画
●最高品質の中国TVドラマ:2018年公開 中国。1話〜54話。中国タイトル「三国機密」



筆者は映画オタクと長年自負してきたが、韓国ドラマも中国ドラマも殆ど見ない食わず嫌いだった。大したことはないだろうと偏見があっったからだ。ブルース・リー、ジェット・リー、ジャッキー・チェンの出演する映画は観るといった程度だ。

どれちょっと見てみようかと期待せず観てみた。なんと!一気に54話まで観てしまった。しっかりとした脚本、計算されたセリフ、豪華なセット、美男美女を揃えたキャスト、スリリングな展開。もし米中の仲が良かったならば、エミー賞、ゴールデン・グローブ賞の作品賞は確実に受賞していたのではないかと思うほど素晴らしい出来だ。

54話まで観終わった後、レンタル店に飛んで行き、中国TVドラマの他の作品を片っ端から借りてきて観た。「項羽と劉邦」、「三国志」、「曹操」、「孫子兵法」。
期待外れだった。品質が全く違うのだ。


・ストーリーと背景

後漢末期、12代皇帝の霊帝には何皇后(かこうごう)との間に生まれた劉辯(りゅうべん:13代皇帝、董卓により廃位され弘農王となる)、側室の王栄との間に生まれた劉協(14代皇帝の献帝。劉辯の異母弟。後に曹操の三男、曹丕に帝位を禅譲)がいた。劉辯より利発な劉協は、何皇后の嫉妬を恐れて生まれてすぐに父・霊帝の元から離されて育てられた。

ここからが良く練られたドラマの設定。跡継ぎのいない献帝が病に倒れ崩御。漢王朝の庇護者として君臨していた曹操に知れると、すぐさま曹操が自ら皇帝と僭称し取って代ることは目に見えていた。
ところが側室の王栄は双子を産んでいて、献帝・劉協(兄)とそっくりな劉平(弟)がいた。その弟の劉平(主人公:マー・ティエンユー)は、幼いころから司馬家に預けられて、司馬懿(仲達:後に三国を統一して西晋の礎を築いた:エルビス・ハン)の可愛い弟として育てられていた。漢王朝存続を望む献帝の皇后、伏寿(レジーナ・ワン。凄い美人)らが画策し、劉平を密かに許都の朝廷内に引き入れ、献帝の身代わりとして漢王朝再興をするよう告げられる。

許都は曹操が支配しており、曹操の腹心である県令(≒県知事)の満寵(トゥ・ナン)、や尚書令(国事の諸命令書を発する権限を司る長官)で智謀の軍師である荀彧(じゅんいく:ジーン・オウ)らが目を光らせていた。

果たして在野で育ち皇帝の生活を知らない身代わりの劉平は、満寵や荀彧らの厳しい監視の目を欺くことができるのか?ドラマが進むにつれ、さらに油断のならない機略縦横の祭酒(≒参謀)の郭嘉(サニー・ワン)、そしてラスボス的ライバルの曹操(ツェー・クワンホウ)らとの最終対立へと展開していく。

そして結末のドンデン返しには、マルチバース的大団円が待っている。

献帝が董卓らの奸雄らに政治利用され各地を漂泊して後、ようやく曹操庇護下の許都へ移り住んだAC196年頃から、曹操の三男・曹丕(後の魏の文帝:タン・ジェンツー)が皇帝を禅譲され、後漢が滅亡したAC220年頃までの間の約24年間の出来事を史書に沿う形で、魏内の視点から描いている。
したがって、三国志演義で描かれている劉備、関羽、張飛、趙雲などは出てこない。戦況の会話として名前が挙がる程度だ。


・見どころ:とにかく美男美女だらけ。劉平、司馬懿、郭嘉のロマンスは純愛路線。


身代わり皇帝・劉平と兄嫁となる皇后・伏寿との互いに一歩踏み切れない愛。劉平を害し利用しようとするものは許さないと策謀を図る司馬懿と弘農王の位牌を祀り劉平を支えて漢王朝再興に暗躍する唐映(故弘農王の妻、つまり前皇后:ドン・ジエ)との確執から始まった愛。謎の女・任紅昌(じんこうしょう:ドン・シュアン)にベタ惚れの鬼謀の軍師・郭嘉との愛。

この3組の男女のロマンスは女性ファンが喜ぶような純愛で貫かれている。切なく号泣したいロマンス好きの女性には必見である。



・ビジョビジョ場面の解説:鄴(ぎょう:袁紹の支配下)にある袁紹の息子・袁煕(えんき)の屋敷庭にて。第26話

漢王朝再興に輔弼してくれる忠臣にふさわしいのは誰か?河南の曹操か河北の袁紹か?それを見極めるのには実際に河北の鄴に行ってみると言い出した劉平。一人では行かせない、私も同行すると言い張る伏寿。皇帝がお忍びで曹操にも言わずに単独行などありえない話。また曹丕も伏寿への片思いもあり鄴に身分を隠してきていた。曹丕と後に彼の妻となる甄宓(しんふく:ワン・シャオミン)との出会い、貂蝉による呂姫(呂布の娘)救出譚などの挿入話のためだろうが、袁紹に宿敵曹操の息子・曹丕と正体がばれたらただでは済まない。史実にもない奇想天外な仮想の設定だが、ドラマは膨らみ、視聴者には年代を意識させることになる。

呂姫は手枷をはめられて、袁紹の息子・袁煕の夫人である甄宓の侍女となっている。呂布が敵対する曹操に対抗するために袁紹からの支援の見返りとして、彼の娘を人質に差し出そうとした話は有名である。また貂蝉は架空の人物で、呂布と貂蝉との間には子供はいなかったとされている。
この場面では、呂姫が「どれだけ待っていたか!遅い!」と貂蝉に格闘技で怒りをぶつける場面が出てくる。
まるで母娘を印象付ける場面になる。

呂布が曹操に捕縛され縊り殺された(絞殺された)のが199年。曹操と袁紹との雌雄を決する官渡の戦い(200年)が第30話に出てくるので、この場面は、呂姫がまだ人質として有効であった呂布存命中の197年から198年前後ということになる。艱難辛苦の流浪の果てに献帝が許都に移り住んだ196年では余裕などなかったはずだ。

ここでの見どころの1つは、後の文帝、曹丕の妻となる甄宓(しんふく)の破天荒な行動だ。意に添わぬ袁紹の息子・袁煕との不満鬱積の結婚への抵抗からか、曹丕をからかい半分に火遊びに誘うというハチャメチなヤンキー夫人ぶり。その性格のためか、曹丕と甄宓のロマンスは残念ながら家庭崩壊への道をたどる。
もうひとつは、貂蝉の舞が披露される。吉川英治・三国志では王允が養女として呂布・董卓に紹介し、その甘美な舞と美貌で二人を虜にしたとされる。


名画館1 「ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実」

2023-05-05 21:50:43 | 映画
●感動作:2019年公開 米



ベトナムの戦場、決死の覚悟で多くの米・陸軍兵士を救助した実在の米・空軍兵ウィリアム・ピッツェンバーガー。戦士した彼には名誉勲章こそふさわしいと生き残った戦友らが長年奔走するが、なぜか却下される。

辞任表明したピ-タース空軍省長官(ライナス・ローチ)が汚れ仕事を嫌う上昇志向のエリート局員ハフマン(セバスチャン・スタン)に名誉勲章授与に値するどうかを調査せよと命じる。32年前に生還した帰還兵たちの間を回り、嫌々ながら泥臭い証言収集を始めたハフマン。だが調査を続けるうちに次第にピッツェンバーガーの献身的な行為に心を動かされ始める。そして32年間も名誉勲章が授与されなかった理由である隠されていた作戦の暗部が姿を現す。
エリートコースから脱落することを覚悟でハフマンは逆転劇を打つ。

・豪華キャスト:往年の名優がズラリ

息子の名誉勲章授与を長年願いガンを患い余命幾ばくもないピッツェンバーガーの父親役にクリストファアー・プラマー。彼に助けられたが戦争による心身の傷跡を引きずる生還兵たちに、ウィリアム・ハート、エド・ハリス、サミュエル・L・ジャクソン、ピーター・ホンダなどの豪華陣が名演技を披露。ピーター・フォンダはこれが遺作となった。

・名誉勲章は特別:勇気をたたえる最高の勲章

エンディングの説明によると、これまで兵役に服務し当時までに名誉勲章を受章したのは、たったの3498名。そのうち空軍兵はさらに少なく18名。しかも下士官となるとわずか3名。そのうちの1名がビル・ピッツェンバーガー。

映画の中でピ-タース空軍省長官、曰く
「将軍でさえ自分の地位と引き換えにしてでも欲しがる勲章」

・タイトル「ラスト・フル・メジャー(The Last Full Measure)」の意味

Wikiなどによるとリンカーン大統領がゲティスバーグで行ったアメリカの歴史上有名な演説の一節からとられたという。
—that from these honored dead we take increased devotion to that cause for which they gave the last full measure of devotion—
—これらの名誉ある死者から、彼らが最後の完全な献身の手段を与えたその原因へのさらなる献身を取ること—(このあとに、あの有名な一節、「人民の人民による人民のための」)

「究極の献身の姿」ということか。




AIに訊いてみた-1 「トリチウムは安全か?」 日本語と英語の質問ではAIは真逆の回答

2023-05-01 09:13:01 | 原子力
●Bingの操作は簡単

MSのEdgeを起動して、「Webを検索」の欄に「Bing」と入力すると、プルダウン・メニューが表示されて、一番上の行に、
「こんにちは、Bingです。AI搭載のWeb用Copilot(副操縦士)です。開始する」がある。
「開始する」をクリックすると、BingのTOPページが現れる。
最下段の「何でも訊いてください」の欄に質問を入力して、「Enter」を押下するだけ。



●質問「トリチウムの人体に及ぼす悪影響について教えて」と入力してみよう。




読んでみると、
1.「外部被ばくによる影響はほとんどない」:正しい
2.「内部被ばくすると健康に影響がでる可能性あり」:正しい
3.「体内で蓄積・濃縮されることはない」:間違い
4.「内部被ばくは程度によって白血病やガンなどのリスクが高まると考えられる」:正しい

何が問題か?
英語で質問した場合のAI回答と比較すると、危険性についての回答が日本語での質問回答の方が「柔らかい」、「穏やか」なのである。
その理由は、回答の各行を生成する基になった日本語の根拠情報が「甘い」からである。
根拠情報の1を除くと、tepco(東電)、denkishinbun(電気新聞:電力会社の業界新聞)、env(環境省)など汚染水放出賛成派の情報を基にしているからである。


●では英語で質問「Tell me about the adverse effects of tritium on the human body.」と入力してみよう



回答文の上にカーソルを持っていき、日本語に翻訳させると、



外部被ばくは安全など、当たり前で無駄なことには触れていない。
1.「経口、吸入で体内に取り込まれる可能性あり」
2.「無機(HTO)と有機(OBT)の形態で人体に入るとDNA損傷、酸化ストレス、細胞死などの生物学的影響あり」
3.「経口取り込みの実効線量係数(被ばく指標)は・・・」
4.「陸上では放射線リスクは無視できるので、体内侵入を防ぐためにトリチウム濃度を低く抑えることが大事」


●再度英語で同じ質問「Tell me about the adverse effects・・.」をすると、別の回答。しかし内容は厳しい

同じ英語文で同じ質問をすると、同じ回答ではなく少し内容が違う回答が返ってきた。これは別の根拠情報を追加したためで、危険性への表現が強くなっている。


1.「皮膚からの摂取、吸入、または吸収によって体内に入る可能性あり」
2.「被ばくすると、ガンのリスク増加、遺伝的損傷、発達異常、生殖能力低下がある」
3.「トリチウムの潜在的な害を軽減するために、不必要な暴露を防ぐ、啓蒙・教育が必要」


●日本の専門家は米エクセロン社のトリチウム・リーク汚染事故を知らないのか?または知っていて無視しているのか?

AIに「トリチウムによる被ばく事例および死亡事例について教えて」と訊いたところ、ある記事が検索にかかった。

茨木大の理学部長にトリチウムの被ばく事例についてインタビューした記事である。
某教授曰く
トリチウムでつくDNAの傷1つ治せなかったら、人類は地球上にいない
「ヒトの細胞は常に傷つき、壊れ、修復されている」
「世界の原発や核処理施設からは物凄い量のトリチウムが放出されているが、それでも多くの人がガンで亡くなったと科学的に証明された事実はない。つまりヒトは遺伝子を修復して生きていること

それを受けて記者は曰く、
「DNAの修復という教授の説明を多くの人々が理解して科学的な知識をつければ、風評被害は起きないのではないか
「理解してもらう相手は(日本)国民にとどまらない。「復興五輪」の名の下に世界が注視している

これを書いた記者は、2023年4月16日、G7気候・エネルギー・環境相会合で、ドイツのレムケ環境・原子力安全相が「処理水の放出を歓迎するということはできない」と異議を唱えたことをどう感じているのだろうか?レムケは大臣のくせに科学的知識がないと判断しているのだろうか?ドイツだけでなく、近隣の中国、韓国も日本の汚染水海洋放出を警戒しているのを知っているのだろうか?

(福島のトリチウム放出程度で被害は起きない。風評被害に気を付けて、が結論。福島民友新聞2020.2.15)


筆者は過去記事「日本国民はバカなのか?partⅡ狂った岸田の原発政策で、トリチウム汚染拡大、過密貯蔵の危険増大、長期運転による格納容器の劣化が起きる」の中で、米オルセロン社のトリチウム汚染事故を書いた。

この教授や記者は、トリチウム垂れ流し汚染で被害者を多く出したことで争われた米エクセロン社のトリチウム・リーク訴訟を知らないのではないかと思った。あるいは何が何でも海洋放出することが至上命題の政府と原子力ムラの「風評被害」プロパガンダ拡散に逆らえないので、知っていても無視しているのか?それともエセ専門家だから?記者として調査能力が無いから?

(NHK「低線量被ばく 揺らぐ国際基準 追跡!真相ファイル」2011.12.28放送)


筆者はAIに訊いてみた。
質問「米エクセロン社のトリチウム汚染事故について教えて」



AIで調べてみれば、トリチウムによる重大汚染事故が起きていることはすぐにわかる。

(米エクセロン社トリチウム汚染事故を報じた「食品と暮らしの安全」の記事)