スペースノイズ

α宇宙域「地球」からの素粒子ストリングス変調波ノイズを受信!彼らの歴史、科学、娯楽、秘密など全てが含まれていた。

AIとマイナンバーであなたは管理監視される。あなたのパソコンは今も覗かれている。政府による恐怖の監視社会「1984年システム]

2023-06-21 21:19:27 | 社会
●今朝のモーニングッショーに政府の犬が政権擁護を喧伝、「マイナンバーカードは素晴らしい」と

2023年9月15日 モーニングショーでトラブル続出の強制「マイナンバーカード」についての討論コーナー。
ゲストの堤未果・国際ジャーナリストがゲスト出演、「メリットばかりPRする、不安続出なのに導入を急かす、これはショック・ドクトリン(大惨事のドサクサにつけこんで実施される急激で強引な改革)の特徴」と紹介、さらに独、英、米、韓国などではマイナンバーカードに似た制度を既に導入していたが、危険性や防犯・漏洩のリスクが増大して廃止、停止、リスク分散化に至っていると説明した。

これに対して木曜コメンテーターの弁護士は、「日本政府は欧米の失敗事例などを研究分析して学んでいる」、「各省庁は個別の番号を使っているのでリスク分散がされている」、「日本では先行した欧米の事例から良いとこ取りの方向に進んでいる」と政府擁護を展開した。

だが羽鳥や玉川はこの政府の犬の政府擁護の意見に懐疑的な意見、「良いとこ取りしてるようには感じられない」、「マイナンバーカード取得は任意だったはずなのに来年秋から強制になる」と反論した。

羽鳥や玉川の指摘懸念はもっともだ。多くの国民がポイント付与というニンジンにつられてマイナカード(この言い方一番合っている)を取得した(約80%近く)が、早く返納したほうがいい。政府が良からぬことに使おうとしているのは明白だ。陰険な岸田がこれだけのトラブルが出ても強制取得を撤回しないのがその証拠である。詳しくは後述する。

この政府の犬は政府擁護で何かインセンティブが転がりこむことになっているのだろう。過去を振り返っても、山口ノリマキ、スシロー、現行犯逮捕されず長く容疑者扱いもされずにいた渋谷母娘轢逃げ事件の上級国民の爺を擁護した司法関係者OBのコメンテーターなどを思い出す。

(同じ穴のムジナ。モーニングショー2023.6.15)



●日本版 恐怖の監視社会「1984年」。あなたは監視され政府に管理される。そして漏洩で裏社会に悪用される

公邸で忘年会を開くなど、特権意識の強い陰険で縁故主義者の「総理大尽」がなぜAIを普及促進しようとするか?
そしてマイナカードは廃止しろと国民が言っても聞かず、強制的に取得させようとする。何が狙いか?

この国のロクデナシの国会議員の醜態を見ればその魂胆が分るだろう。厚労省の不正統計操作、桜を見る会の名簿廃棄、「嘘なら止めると嘘をついた総理大尽」を守って国税庁長官にまで上り詰め、無事高額退職金を受け取って円満退職したサガワ君、日本のアカデミア最高峰の日本学術会議が「パンケーキ大好き総理大尽」の言うことを聞かないので民間組織に落としてしまうぞと脅す奢った与党、統一教会まみれ政務調査会長・恥生田が息を吹き返して偉そうにTVに出始めた。統一教会問題は解決せずウヤムヤになったからだ。

このような連中が跋扈する政党がマイナカードとAIで国民のために良いことするワケがないだろう。

国民を監視し、個人情報を一元化し、分類し、差別化するためだ。上級国民と奴隷国民に分けて管理するためである

・デジタル庁:マイナンバーと各省が有する個人番号をリンクするDB(データベース)を構築。
・PPC(個人情報保護委員会:内閣府の外局):マイナンバー制度の普及推進、当該制度による重大漏洩等事案の収集窓口。
NSC(国家安全保障局:各省庁の持つ情報を収集できる権限を有する)
国民管理AI(マイナンバーに紐づけされた情報アクセスに特化したAI)の構築と活用。これは6年前スノーデン(元CIA職員)の暴露で発覚した「米NSAが日本に供与したとされるXKEYSCOREシステム」(個人のメールや通話などの大量監視ができるシステム)と統合化されたシステムと思われる。

あなたは総理大尽の息子さんの悪口やドラ息子などとメールやSNSで書いていませんか?

(「XKEYSCORE」を米NSAから提供されたことを報じた記事。 朝日新聞DIGITAL 2017.4.24 既に削除)



●岸田が解散を止めたもう1つの裏事情。 マスゴミTVが報道しないマイナンバー800万人漏洩疑惑

「社労夢」という業務システム(㈱エムケイシステム製)がある。全国3千箇所の社労士事務所で使用され、約57万件の事業所の約826万人分の個人情報が登録されたシステムである。各事業所の従業員の氏名、生年月日、性別、住所、給与額、雇用保険の被保険者番号、手続きに使用したマイナンバーも含まれていて、給与計算や勤怠管理に利用されていた。

これが6月5日の早朝、サイバー攻撃を受けサーバーダウンが発生した。㈱エムケイシステム側は懸命のシステム復旧に努めたが、6月19日時点でも完全復旧に至っていない。委託されていた社労士事務所の業務処理ができなくなったりしたために騒ぎが大きくなった。各大手新聞社も騒ぎを察知し、㈱エムケイシステムに問い合わせて6/9〜6/15にかけてネット記事を配信した。朝日6/9朝日6/13日経6/14東京新聞6/15

だが、マスゴミTVはマイナ保険証のトラブルばかり大騒ぎして報道するが、このマイナンバーを含んだ800万人の漏洩疑惑事案には一切触れない!?

誤入力だ、システム的には問題はない、デジタル化は進めるべきだとマスゴミTV報道は政府の擁護・応援の方向に偏り、あらゆる個人情報が紐づけされてしまった時の重大なセキュリティ・リスクから目をそらさせようとしている

岸田は6/15に突如解散はしないと発表。その発表前にPPCから重大なマイナンバー漏洩事案が発生した可能性があると報告が入っっていたことは確実である。なぜなら、各労務事務所から関係先の事業所や個人、それとPPCに対し情報漏洩の恐れがあることを通知する義務が法律上決まっているからだ。

そして闇社会へマイナンバーを含んだ個人情報が流れていったことも可能性大である。


●あなたのパソコンの侵入口は既にデータベース化されて管理されている

そんなバカな!証拠でもあるのか!
ありますよ。
4年前、2019年1月29日の日刊ゲンダイDIGITAL記事がこれ。



ポートスキャンという手法を使って、私たちの個人情報であるプライバシーIT情報(IPアドレス、パスワード、脆弱箇所)を安倍政権が勝手にのぞき見すると、4年前から始めた調査である。今も続いていて2024年3月末まで実施される予定である

しかもその調査理由が「パスワード設定に不備のある機器に係る利用者を特定し、設定変更の注意喚起」するためだそうだ。
この違法行為を行っている調査元は総務省所管の「情報通信研究機構」だ。

政府から「パスワードを変えた方がいいですよ」などの注意喚起などをしてもらわなくても結構。誰も注意喚起してくれと頼んでいない。のぞき見はヤメロ!出歯亀野郎!
憲法第21条2項「検閲の禁止、通信の秘密」違反、不正アクセス禁止法違反である


この恐るべき政府による「検閲」の第一報を流したのはNHKだった。
2019年1月25日、NHK NEWS WEB「総務省IoT機器に無差別侵入し調査へ 前例ない調査に懸念も」で流れたが、NHKの方はもう記事は削除されている。

しかもこの政府による不正ハッキングは、
「電気通信事業法及び国立研究開発法人情報通信研究機構法の一部を改正する法律(平成30年法律第24号)」という法律の基に堂々と行われているのだ。

(不正ハッキングで、無断で個人のプライバシーIT情報を収集し続ける政府。上記法律の解説資料から)



●捜査権を乱用して、捜査令状もなく警察や検察が顧客情報を収集していた!

冒頭のモーニングショーで、玉川が「免許証もいずれ紐づけになる。警察は別番号で管理するの?」という疑問に、堤ゲストが受けて「そうです。マイナンバーで一本化すると警察もアクセスできるようになる。アクセスできる行政機関が増えると個人情報も増える(つまり他の省庁が管理していた個人情報を警察でもみることができる)。それで失敗したのがアメリカです」と情報一元化の危険性を訴えた。

ところが政府の犬である、コメンテーターの弁護士は、
警察は法律でアクセスできないことになっている。今のところは。各省庁の個人情報は分散管理されていると思う」また「政府への信頼に国民が追い付いていない」とも。国民が理解不足なのか。この男は想像以上の政府の犬だ。こういう弁護士は信用してはいけない。

(この弁護士は過去に令状なしに警察が個人情報を取集していたことを知らないようだ。モーニングショー2023.6.15)


個人を特定するマイナンバーと、各省庁がその個人に付番した固有番号のリンクなど簡単なDB操作でできる。そのリンクDBを使えば、1個人についての各省庁が持つ全ての情報がマイナンバーにより芋づる式で出力できる。

そんなことより、「法律上、警察はマイナンバーにアクセスできない」とよく言ったものだ。
下記の警察の暴走事案も安倍政権下で始まったことだが、
2019年1月21日の記事。Tカード(CCC:ツタヤ)情報を捜査令状もなしに警察が収集していた!

しんぶん赤旗でも同報記事を後追い報道した。

(あなたがAV好きなら警察のDBに波多野ファンと記録されているかもしれない。 日刊ゲンダイDIGITAL 2019.1.21)


検察も同じ違法な情報入手をしていた。「自民の守護神」黒川法務事務次官の頃である。「法の番犬」ではなく「自民の番犬」の頃。
2019年1月4日、検察当局が、令状なしで顧客情報を入手できる企業など約290団体から大量入手。内部で共有していたことが発覚。共同通信がそのリストを入手したという、中日新聞の記事。(既に削除)

冒頭の政府の忠犬・弁護士がいう「法があるから大丈夫」というのは、日本ではもう幻想でしかない。
捜査理由を示して、それを裁判所で合理的理由があると認められると令状を発行し、その令状に基づいて捜索、押収が行われる。令状なしの捜索、押収は許されない。
憲法も刑事訴訟法も令状主義が原則だ

国のトップが法治主義を守らなければ、公的強権力も暴走する。憲法があっても無視されれば、ロシアのように独裁者が生まれることになる。

<憲法35条>(住居侵入・捜索・押収に対する保障)

一:何人も、その住居、書類、及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第33条の場合(逮捕要件)を除いては、正当な理由に基づいて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。

二:捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行う。


(あらゆる個人情報が既に各行政機関にDB化され蓄積されている。 中日新聞 2019.1.4 既に削除)



●小説「恐怖の1984年システム」

全日本国民の個人情報が全てマイナンバーに一元化されたある日。
総理がNCS室に入ってきた。
「本日の状況は?」メガネの奥から陰険な目を光らせて総理がNSC局長に訊いた。
「政府批判のメール発信者約32600名、SNS上での政府批判記事発信者約6820名を収集しています」NSC局長。
「少し減ってきたな。監視の脅しが周知されてきたようだな。収集したやつらのマイナンバーは特定できたか?」
「メールの方はIPアドレスDBのメールアドレスと照合していますので、もうすぐ結果がでます。SNS発信者の方は、各プロバイダーのサーバーアカウントDBと照合しています。変動が多いので時間がかかります」
全国民の全てを管理している全能感からか、総理はニヤリと含み笑いを浮かべた。

「ところでこの男の情報が知りたい。調べてくれ」
「どういった点で調べますか?」
「私の息子のことをSNS上で批判したり、ドラ息子とけなしたりしているようだ」

NSC局長が国民管理AIに向かってその男の氏名を告げると、
「マイナンバーは********です」モニター上に表示された。NSC局長が「総理、どうぞ」とインプット・マイクを渡した。
「このマイナンバーの人物の住所、勤務先、家族構成、病歴をリストしてくれ。それと過去の警察等関連の違反行為の有無、レンタルビデオの趣向、買い物履歴で性的な品物を購入していないか、経済的な事情が分かればこれもリストしてほしい」

特化型の国民管理AIは、MMR・DB(マイナンバー・省庁番号リンクDB)、各省庁DB、XKEYSCORE・DBから抽出された構造データセットから質問に該当するデータを選びモニター画面に出力した。

メガネの端を右手でつまみながら総理はモニター画面の結果をじっくりと読んだ。そしてニヤニヤと笑いながら言った。
「この男の性的変態的なディープフェイク動画を生成して、イエロージャーナリズムに拡散できるかね?」
顔の表情は変わらなかったがNSC局長は自信ありげに答えた。
「もちろんできます。簡単なことです」


あなたはそれでもポイントほしさに全個人情報を国のマイナンバーに一元化したいですか?


●デジタル庁は個人情報漏洩の場合、責任を取らない。マイナンバーカードも問題だらけ

マイナカードを申請してしまったあなた。デジタル庁の勝手な文言が連なる「マイナポータル利用規約」を読み理解して申請しましたか?

(免責事項 26条)利用者に損害が発生した場合、デジタル庁の故意又は重過失によるもので無ければ、デジタル庁は責任を負わない。

上記の「社労夢」のようなマイナンバーを含む個人情報漏洩が発生し、口座情報が改ざんされて、年金振込や医療費支払いがサイバー攻撃者の口座に振り込まれることになった場合、「デジタル庁の故意又は重過失」とは言えないから、あなたは年金が受け取れなくなっても、医療機関への二重支払いになっても、泣き寝入りしなければならない。

ほかにも、大事な個人情報の扱いについてデジタル庁などに同意(一任)したことになっている。

これはNHKとの契約と同質の問題を含んでいる。
契約条件(当利用規約)が不当で不利益を一方的に被る利用者側(国民)に不利である。
だから筆者はこのような利用規約ではマイナカードは申請しない。

申請してしまったあなたもカードを返納すればよい。十分な規約説明がなかった、いいことばかりのPRで錯誤してしまった、勝手に一方的に規約改訂するのは契約合意違反で無効である等々、返納事由はいくらでもでてくるはずだ。




「第2部  ロシア動乱(スムータ)再び。 CIAによるプーチン失脚作戦」  プーチンの狙い プリゴジンの狙い ポスト・プーチン

2023-06-12 22:13:30 | 軍事
小説「「第1部  ロシア動乱(スムータ)再び。 CIAによるプーチン失脚作戦」  越境攻撃の狙い」からの続き。

何度も言うが、起きるのは、「革命」ではなく「動乱」である。

●動乱の兆し

米本土ラングレーからオンラインで会議に参加しているSAC(特別行動センター)のセンター長、巨漢のマシュー・ヘンリーが動乱(スムータ)の兆しについて説明を始めた。


ロシア軍内に広がる厭戦・反乱・不満

「なぜリヴォリャーツィヤ(革命)ではなくスムータ(動乱)なのか?その理由については後で説明します。
ロシア軍が統率・規律を失いつつあるという情報が次々と入ってきています。

・戦闘拒否:ルハンシク州、動員兵約600人が戦闘拒否。ロシアに送還。
・不満爆発、補給兵站の破綻:私財で食糧調達、弾薬までも自給自足を要求される。敵から奪い取れ!
・給料未払いで反乱:2022年11月。チェヴァシ共和国の動員兵100人ほどが反乱。
・給料未払いで反乱をしたと理由をビデオ公開:プーチンが約束した月給約40万円払われなていないと。
・列車移動中に酔った下士官が上官を殴り殺す:ロシア・マグニトゴルスク軍事裁判所の発表。
・動員令に反発して入隊事務所や行政機関への放火:2022年9月イルクーツク州で18件。徴兵委員が撃たれる。
・志願兵訓練所で発砲、11人死亡:2022年10月ベルゴロド露軍演習所で発生。発砲したCIS志願兵は射殺。
・ワグネル内で裏切者の傭兵をハンマーで頭部を殴打し撲殺:2022年11月。撲殺されたのは55才の禁固24年の服役囚のエフゲニー・ヌージン氏。9月にウクライナに投降後、反露を表明。ワグネルは私刑ではなく公正な行為と強弁。
・ロシア軍内の反乱は日常茶飯事
・公然とプーチンと軍上層部を非難:。ベルゴロドに移送されたまま、約500人の兵が命令も補給もなく非人間的な状況に置かれたと動画を公開。

(The.Daily.Digest、モーニングショー2022.9.29、毎日新聞2022.11.14ほか)


(The.Daily.Digest、)



プーチン離れ加速 辞任を求める世論、距離をとるCIS(独立国家共同体)、求心力低下、あせり

・占領したウクライナ4州の併合投票、カザフスタンも住民投票を認めないと表明:2022.9.26
・モスクワ、サンクトペテルブルクの一部区議からプーチン解任の要望書を公表:2022.9.13
・カザフスタン、EUへのエネルギー供給の意向。中国へ接近:2022.10
・モルドバ、CIS首脳会議を欠席。親欧米路線へ:2022.10
・キルギス、プーチン誕生日に合わせた旧ソ連諸国首脳の非公式会議を欠席。露への不信感:2022.10
・「ロシア兵の母」が「ウクライナから撤退を」と議会への書簡を公表:2022.11.29
・CIS首脳会議でプーチンから8か国首脳に金の指輪を贈呈。しかし指輪をハメたのはルカシェンコだけ。2022.12.26
・ロシア、異例の年越し。ウクライナ侵攻批判の大物歌手欠席、花火打ち上げ中止、アイスホッケー中止:2022.12.31
・プーチンに国際司法裁判所から逮捕状が出された。ウクライナの子どもをロシアへ強制移送。2023.3.17
・ロシア新任大使へのプーチンの挨拶、拍手無し:2023.4.10 クレムリン。
・ロシア高官の辞職を禁止:2023.5.18 知事、軍人、FSB、等々。
・イコン「聖三位一体」画を大聖堂へ移動し、戦争勝利を神頼み:2023.6.6。

(ロシア新任大使へのプーチンの挨拶、拍手無し:NHKニュースLive2023.4.10)


ロシア国内の遠心力増す。誰もが責任逃れを画策

「これらの報告された事象はほんの一部です。どれも軍の遠心力事象、すなわち軍の崩壊の兆しです。」SACセンター長、マシューが説明を続けた。
「2022年9月18日、ウズベキスタンを訪問したプーチンに、記者団から「ハルキウ州での露軍大敗・撤退」について訊かれて、「作戦の進め方は軍参謀本部が決めている」と答え、自身の責任ではなく軍に責任があると発言した」
「汚い男だな」ピクスビー大使がつぶやいた。
「勝てばプーチンの手柄、負ければショイグ国防相やゲラシモフ参謀総長の責任。ショイグもゲラシモフも面白くないしやる気がなくなる。こういう責任逃れが公然と知られると軍上層部も部下の責任にすることになる。その部下もさらに下の責任にする。そうなると前線の兵士の弾薬不足や補給品不足、給料不払いも上が真剣に責任を果たそうとしないと気づき反乱や脱走に走ることになる」

「プーチンのために死にたくないと動員されるのを嫌ってロシア国外へ脱出する。プーチンと一緒に戦争責任を負いたくないと密かに辞任・辞職を図るロシアの高級官僚や軍関係者、FSBなどの治安関係者も国外に出たがっている。しかしその空気を察知したプーチンが2023.5中頃、この戦争が終わるまで公務員の辞職を禁止した。

CIS(独立国家共同体)もベラルーシ以外の国は、占領したウクライナのロシア併合を認めていない。力による現状変更を認めれば、次は自分たちがウクライナと同じ目にあうからと自覚しているからです。

残るは命令どうりに動く兵士や高い給料を信じている兵士、現状追認主義の国民が大半となるでしょう」


プーチンの狙い

「プーチンはこの先どう出るのか?CIAの分析は?」ピクスビー大使が訊いた。
「彼はもう手詰まりです。彼の最大の関心事は来年3月の大統領選に勝つことだけです。そのため選挙に逆風となる再動員令の発動もできないでしょう」マシューが答えた。
「プーチンに勝てる見込みはあるのか?」
「中国やトルコ、ローマ法王などからの「現状停戦・和平」を画策しましたが、ロシアの領土獲得で停戦などもっての外とウクライナ側が完全拒否したため潰えました。
そして今、ウクライナの反転攻勢が始まったため、ウクライナが占領地を奪還すれば、何のための戦争だったのか?
多くの犠牲を出した大義とは?とプーチンの威信は失墜し責任追及が始まるでしょう。彼はまたもやあの手この手で軍に責任転嫁を謀るでしょうが、威信を失墜したプーチンの言い訳を軍部が「はい、そうですね」と唯々諾々と従うとは思えません。ロシア大統領選は波乱含みの展開になる公算が大です」

「予測は?」
・不正選挙を画策して大統領選を勝ち抜く
・バトルシェフ、プリゴジンらと共謀(エリツィンとプーチンとの約束のように)、傀儡政権を樹立
 ・中国へ亡命

が考えられますが、プーチンが勝っても傀儡ができても今までのロシアではもうないので、すんなりとは行かないでしょう」


プリゴジンの狙い

「プリゴジンはプーチンと繋がっているのか?」
「軍トップのショイグやゲラシモフを口汚く罵り、戦闘の失敗を彼らの責任と名指しして批判するのは、プーチンが意図する方向と一緒です。また2023.6.4にワグネルがロシア正規軍の中佐を拘束・尋問した映像をSNSに流しました。ワグネルは傭兵。これはロシア軍の軍法や軍刑法を超越したプリゴジンの越権行為。普通ならプリゴジンは無事ではいられないはずだが、彼は何事もなかったようにロシア国内で討論会や記者会見を勝手に開いている。どう見てもプーチンの後ろ盾がないと出来ない言動です。

傭兵部隊が軍法会議を無視して正規軍中佐を尋問し映像を晒した。東スポWEB2023.6.6


プリゴジンの政治的影響力や存在感が高まっています。プーチンの料理人から民間傭兵会社ワグネルの創設者となり、更なる野望を渇望していることは確実です」
「次なるプーチンか」
「しかし簡単ではないでしょうね」
「我々の分析では、ポスト・プ-チンのロシア政局は軍事力を持つ勢力の攻防となると見ています

プリゴジンはロシア軍トップを完全に敵に回しています。またチェチェン共和国のカディロフ首長は、プリゴジンを「問題を叫んでばかりいるブロガー」(2023.6.1)と嫌っています。カディロフも残忍な特殊部隊「アフマート」を有しているのでプリゴジンが次のロシアのトップに立つことは許さないでしょう。

それとは別に我々が支援する自由ロシア軍団とロシア義勇軍団もプーチン政権やその傀儡政権の存続を容認するはずがありません」


ポスト・プーチンに備え軍事力を蓄えるロシア内勢力

「なにかキナ臭い権力闘争が起きそうだな」
「1990年代前後に起きたソ連崩壊では、ソ連邦という巨大なミカンの皮が破れ、ミカンを構成していた中身の各房、すなわちロシア、ベラルーシ、ウクライナ、バルト三国、CISなどが分離独立していきました。失敗した軍部エリートなどの反乱を除けば、軍事衝突の無い比較的穏やかな政権交代でした。その代わりロシア国内では、混乱の最中、政権を手に入れたプーチン、プーチン独裁を支える代わり甘い汁が吸える特権階級になった治安・国防職員のシロヴィキ、国営企業はタダ同然でだまし取った新興財閥のオリガルヒによって分割されました。

現在彼らはウクライナの反転攻勢でプーチンの失墜・ロシア国内の混乱が視野に入ってきました。今ある特権や富は自力で守ろうと傭兵・私兵を抱え込もうとしています。

ロシア国内の民間軍事会社の需要が増大し、報告・確認されているだけで37社ほどが乱立しているようです。
例えばショイグ国防相のパトリオット、電力ガス会社ガスプロムのポトーク、占領下にあるクリミヤ首長のコンボイなどがあります。

ご承知と思いますが、ロシアは多民族大国です。大まかな分類では、ロシアは8割の民族としてのロシア人「ルースキー」と、24の共和国に住むルースキー以外の「ロシア連邦の国民」としてのロシア人「ラシャーニン」で構成されています。今回のウクライナ侵攻で各州各地域に動員令が出されました。それを利用して武装化し民族独立の動きが起こっているとの報告もあります」

(動乱が予想されるポスト・プーチンの世界。サンデーステーション2023.5.14)



「ロシアの富も権力も全て思い通りにできると思い込んだ絶頂期のプーチンはこう言いました「私が(ロシアの)指導者でなければ国が崩壊する」と豪語しました。ある意味その通りになりつつあります。新しいロシア皇帝になり損ねた男は大ロシア消滅のボタンを押したのかもしれません」マシューは言った。

(ナショナルジオグラフィックCH「FACING PUTINライバルが暴く 真実と秘密」)



続く。


小説「第1部  ロシア動乱(スムータ)再び。 CIAによるプーチン失脚作戦」  越境攻撃の狙い

2023-06-05 13:47:54 | 軍事
筆者はhttps://blog.goo.ne.jp/ecaps16/e/03f0088c365950145d8ce0617fd9667a「ウクライナ危機PARTⅫ ロシア軍、崩壊か反乱の可能性。プーチンの短期決戦見積もりが大誤算。兵站が破綻し始めた。」で、ロシア分裂の可能性について言及した。
どうやら現実味を帯びてきたので、別視点から深堀してみよう。

そして起きるのは、「革命」ではなく「動乱」である。

◆小説「ロシア動乱(スムータ)再び。 CIAによるプーチン失脚作戦」

2023年5月22日、ウクライナ国境近くロシア南西部のベルゴロド州に装甲車両部隊が侵入、これをせん滅しようとロシア軍は砲兵、空軍に支援された約4200名、軍用車両約60台の部隊を投入した。これによりロシア国内で初めての地上戦が発生した。なお戦況は錯綜しており詳細は不明。ロシア側は「住宅35棟と行政庁舎が損傷した」、「ウクライナの武装勢力によるこうした行動には迅速かつ厳しく対処する」、「ウクライナ人数十人を殺害」、「侵入部隊をウクライナ国境まで押し戻した」と発表。ウクライナ側は関与を否定した。侵入部隊は、「打倒プーチン!」、「ウクライナに勝利を!」、「ロシアに自由を!」などを標榜する「自由ロシア軍」、「ロシア義勇軍」とみられている。

BBCニュースJAPAN 2023.5.23)


また6月1日にも越境攻撃があったとロシア国防省が発表した。同省によると、ベルゴロド州シュベキノ周辺で「親ウクライナ派武装勢力」によるとみられる砲撃とドローン攻撃が3回あり、いずれも撃退したという。この戦闘で侵入戦闘員を30人以上が死亡、4台の敵装甲車を破壊したとした。
ウクライナ側は関与を否定。

翌6月2日には、ベルゴロド州西側の隣接する3州、クルスク州、ブリャンスク州、スモレンスク州でも長距離ドローンや砲撃による小規模な攻撃があったが、死傷者や重大な事故の報告はなかったことは幸いだったと各州の知事や知事代行がウクライナを非難した。ウクライナ側は関与を否定。


●CIAとの会議

ウクライナ・キーフ。キーフ動物園から西北西約2km、シコルスキー通りに面したところに米大使館がある。

(Google Earth)


ロシアによるウクライナ侵攻の10日前、米国は一時的に大使館機能をリビウに移した。所在地は秘匿された。職員はポーランドなど国外から通勤することになった。だが空襲はあるものの侵攻はやがて頓挫。北からキーウに接近したロシア軍は押し返された。東部・南部から迫ったロシア軍もウクライナ軍の頑強な抵抗で遅々として進まなくなった。

ロシアは失敗した。我々はキーウに帰る
2022年5月頃から欧州各国は続々とキーウで大使館業務を開始した。
ロシア侵攻から約1年半近くになり、米・在ウクライナ大使館はおおいに増強された。まず空襲に備え地下施設が増築された。そして陸海空のC3I(指揮・統制・通信and情報)の強力な部隊・機関も米本土から派遣・移動してきた。大使館員たちは「まるでミニ国防総省が引っ越ししてきた」と噂していた。


大使館のエレベーター地下2階まで降りて、分厚い透明防弾ガラスで囲まれた歩哨ポストの前で、長身のキース・ピクスビー米・在ウクライナ大使はセキュリティーカードをカードリーダーに通した。
「やあフレッド。当直か?」大使は防弾ガラスの向こうのMP二等兵に声をかけた。
「おはようございます、大使。もうすぐ交代です」
「おつかれ、ゆっくり休んでくれ」認証OKが表示されて、開いた検問ゲートのドアを通り抜けながら、キースは二等兵に向かって片手を挙げながら言った。
「そうします」

キースが会議室のドアを開けた。20名ほどが入れる会議室だった。大小のモニターが壁とテーブルに4つ。テーブルの中央には音声会議用装置も置かれていた。部屋には6人の男がテーブルに座っていた。キースが会議室に入ると全員がドアのキースに顔を向けた。
「おはようございます。大使」キーウ支局長のフィリップ・パークスが声をかけてきた。他の者もボソボソと挨拶をした。
「遅れて申し訳ない」キース大使はスタッフ会議で遅れたと言い訳をした。
「これから始めるところです」如才ないパークス支局長が答えた。キース大使が席についた。


<メンバー紹介>

パークス支局長がメンバーを紹介した。CIAには作戦、情報、科学技術、行政の4本部があるが、5人は作戦本部のエージェントと工作員だった。1人だけロシア人が混じっていて、元SVR(ロシア対外情報庁)の職員だったという。
特別行動センター長のマシュー・ヘンリーは米本土ラングレーからオンラインでの参加だった。

(画像生成AIで作成)


作戦本部
・欧州部長:ジェイ・シーキンズ
・キーウ支局長:フィリップ・パークス

 ・SACセンター長:マシュー・ヘンリー(オンライン参加)
  ・SOG(特殊作戦グループ)
   地上班指揮官:ウォルト・ジェナー
   地上班チーム・ナンバー2(装備と特別プログラム部門):クリス・トラバース

  ・PAG(政策行動グループ)
   指揮官:ルーカス・レンフロ
   ロシア人協力者:フョードル・ザハロフ


注:SAC(特別行動センター)。氏名(Mグリーニー、Tクランシー「米露開戦」他から借用)

<ベルゴロド越境攻撃の戦況:少なくとも5エリアを占領>

(Wiki 「2023年ベルゴロド州への攻撃」)


メンバー紹介に続いて、モニターの前に立ち戦況図を示しながら越境攻撃の戦況を説明した。
「ご承知のとおり今回のウクライナ北部国境に隣接するロシアのベルゴロド州、クルスク州、ブリャンスク州、スモレンスク州での攻撃は、元ロシア兵が中心となっている「自由ロシア軍団」(リーダー:イリヤ・ポノマレフ)と極右のロシア人が集結して立ち上げた「ロシア義勇軍団」によるものです」

「兵員数としては中隊規模クラスの自由ロシア軍団とロシア義勇軍団との連合部隊は、2023年5月22日1200から翌23日2200の間に、ロシア・ベルゴロド州のシチェティノフカ、ゴルコフスキー、コジンカ、ゴーラ・ポドル、グロトヴァを占領し、引き続き交戦中です」(Wiki)


<反プーチン組織結集のためのリクルート継続中>

「かれらを一本化・組織化して武器装備を支給・訓練したのがSOG地上班の指揮官、彼、ウォルト・ジェナーです。ウォルト、説明してくれ」パークス支局長はテーブル対面のジェナー地上班チーム・リーダーにバトン・タッチした。

元レンジャーで長身痩躯のジェナー指揮官がリクルート現況を説明した。「自由ロシア軍は去年の3月、ロシア義勇軍は去年の8月に立ち上がった組織です。我々がリクルートしているロシア人反政府組織はこれだけではありません。他にも、去年8月末にプーチン寄りのロシア極右思想家アレクサンドル・ドゥーギンの娘を自動車ごと爆殺した「国民共和党軍」とも連携をしています。またロシア国内で閲覧されているテレグラムにもリクルート動画を継続して流していて、国外に脱出したロシア人やロシア国内からの反応も続いている状況です。

自由ロシア軍団、ロシア義勇軍団、ロシア国内の反体制地下組織への武器・装備等の提供、ウクライナ軍への反ロシア軍団移動等の情報連絡・補給支援要請および調整、越境ロシア州での情報収集、リクルート補充兵の身元調査などを担当しているのがASPB(Armor.and.Special.Programs.Branch)です。こちらにいるチーム・ナンバー2のクリス・トラバースが担当しています」ジェナーが隣に座るクリスを紹介した。そして目で続きの説明するよう合図した。


<越境攻撃の狙い>

中肉中背だががっちりした体格のクリス・トラバースがモニターの前に行き説明を始めた。
「今回の越境攻撃の狙いはいくつかあります」モニター画面にパワーポント資料が映し出された。

① ロシア国内ももう安全ではない。ロシア国内の不安醸成。
② ロシア軍の戦力分散。ベルゴロド州、クルスク州、ブリャンスク州、スモレンスク州にも国境警備兵力を割かせる。
③ ベルゴロド州を現ロシアから解放。自由ロシア共和国(仮)を樹立。反体制・反プーチン勢力の集結地として宣伝。


(Wiki 「2023年ベルゴロド州への攻撃」)


<グレイヴォロンの戦い> Novaya Gazeta Europe2023.5.25(越境攻撃に参加した人物へのインタビュー)

「今回の越境作戦は来る反転攻勢の一環でもありますが、「ロシア国内を攻撃しない」というウクライナ側ドクトリンを堅持するため、ウクライナ軍の戦闘支援のない厳しい侵入攻撃になりました。

ウクライナ側の砲兵支援があれば、グレヴォロン国境付近の防御態勢を簡単に破壊できたのですが、彼らは120mm迫撃砲で対処しながら前進、国境検問所までの道路は対戦車豪で通過できず、迂回して畑を横切ることになりました。悪いことに侵入前夜の悪天候のため、ぬかるみに行動を阻まれる悪条件が重なりました。

国境警備はコンクリート壁、30mm砲と重機関銃装備の4ないし5台のBTR-90(装輪式水陸両用装甲兵員輸送車)と国境警隊が守備していましたが、戦車2両を先頭に前進すると、ロシア側は全員逃げ出しました。検問所制圧後、周囲の民間人に家から出ないよう警告して、コジンカ、グロトヴォ、ゴーラ・ポドル制圧に分散して発進し占領。作戦開始から数時間後、砲兵、Su-25(攻撃機)、戦闘ヘリに支援されたロシア部隊が反撃を開始したので、越境攻撃軍団は一旦国境付近まで後退しました。

彼らには対空車両、対戦車車両がないので仕方がないことです。その代わり彼らには携帯式のスティンガーやジャベリンをたっぷり支給しています。グレイヴォロン近くで敵ヘリMi-8(武装輸送へり)を撃墜したようです。なかなか上手く使用して対抗していますよ」
「なぜ対空自走砲車両など支給してやらないのだ?旧式の在庫もないのか?」キース大使が疑問を発した。
「支給しないのではなく、支給してもすぐには使えないのです。これはF16提供問題と同じ問題です。高度に機械化された兵器は全て英語仕様でできていますから」ジェナー指揮官が答えた。大使もすぐ自身の愚問に気づいた。「そうか。習熟問題か」


<越境作戦でのCIA地上班の狙い>

「反ロシア軍団への武器供与の見返りとして要求しているのは、ロシア側情報の収集です。CIAとしてはグレイヴォロンにある

・行政庁舎(内務省の現地本部、FSB治安局)の情報
・ベルゴロド22核保管施設の情報


ですが、今回は残念ながら上手くいきませんでした。
FSB庁舎の占領はしたのですが、ロシア軍は砲撃で破壊してきたのです。民間人の死傷者も出たのですが、彼らは意にも介さない攻撃だったようです。ロシア軍は庁舎も民間施設も区別なく地域一帯を砲撃してきたようです。

それと核施設の占拠・搬出は彼らだけでは当然無理と分かっていたので、せめて情報だけでもと考えていましたが、どうやらロシア側が搬出を始めたようです。

鹵獲兵器はBTR-80 、BTR-82(装甲兵員輸送車)、R-330Zh(電子戦ジャミング通信ステーション車)。
情報対象としては国境検問所制圧時に鹵獲した文書類や地下室に隠れていた国境警備隊員の捕虜が戦果として報告されています」
「宝物の情報が掘り出されることを願うよ」僅かな戦果報告にがっかりするCIAメンバーに、いい言葉が見つからなかった。


<越境作戦でのPAGの狙い>

「ルーカス、君からの報告は?」モニター画面のSACセンター長、マシュー・ヘンリーが話題を変えるために、PAG指揮官、ルーカス・レンフロに発言を促した。切れ者と噂のレンフロが慌てることもなく徐に口を開いた。
「まず鹵獲した文書類の分析結果と国境警備隊員の捕虜の尋問をしたいと思います。国境警備任務はFSBの担任ですから、こちらのフョードル・ザハロフ氏に同席してもらい、通訳と情報評価を兼ねてもらいながら、グレヴォロンスキー地区、ベルゴロド州、FSB関連の情報を収集分析したいと思います。

これから取集できる情報を加味しながら、自由ロシア軍団、ロシア義勇軍団が占領した地区の住民への慰撫作戦を展開して味方を拡大していく案を練っています。
親軍団、親ウクライナ、反プーチンのプロパガンダ拡散も同時並行で行います。ウクライナでのロシア軍による残虐な戦争犯罪行為も各メディアを通じて広報していきます」卒なく答えるルーカス。

「ロシア大統領選は来年2024年3月だ。プーチンを失脚させるポイントは2つ。

・ウクライナ反転攻勢でのロシア軍敗退
・ロシア国内の社会不安増大、プーチンの威信失墜


が不可欠だ。のんびりする時間はないぞ。もっと社会不安を煽る具体策を考えろ!」海兵出身のマシューは、ルーカスのようなハーバード大を鼻にかけて他を見下すような雰囲気の男が嫌いなのだ。
ルーカスは大勢の前で恥をかかされて怒りを覚えたが、内心を抑えて答えた。
「そうですね。ロシア南部の州が越境した侵入者に脅かされていることを煽るために、生成AIで作ったプーチンの声で戒厳令や総動員令を放送するのはどうでしょう?」
「すぐにできるか?」
「できます。科学技術本部の技術システム研究・開発部と国外ラジオ放送部と事前に話していて、ハッキング・メニューに入れてあります」
マシューはルーカスの抜け目なさに舌を巻いたが、ルーカスの頭の良さは認めざるを得なかった。

(NHK ニュースウォッチ9 2023.6.6)



<SBU(ウクライナ保安庁)とは必要な時のみ連携>

「SBUとはどう連携している?」ピクスビー大使が訊いた。
「ソ連・ロシア時代から旧KGBの体質を受け継ぐ機関ですから、ロシアとの二重スパイが隠れている懸念があります。かれら(SBU)も我々(CIA)も秘密工作を行うので、情報漏れを防ぐにはお互い知らない方がいいという非公式な基本合意ができています。
重要なヒューミント(人的)情報の共有や相手方の支援が必要な場合のみ、その都度お互いの関連部局間で調整するという取り決めになっています」マシューSACセンター長が答えた。
「ただC3PY(ウクライナ対外情報庁:2004年にUSBから対外諜報機能が分離)のSSSCIP(ウクライナ国家特別通信局)とはNSAがシギント・エリント共有を担当しています」

注:NSA(国家安全保障局)、シギント(通信傍受)、エリント(レーダー波・ミサイル誘導電波などの電子情報傍受)

(ナショナルジオグラフィックCH「アメリカ国家安全保障局」)



<反転攻勢作戦とプーチン失脚作戦、そしてクレムリン突進作戦>

「ピクスビー大使。以上が反転攻勢へのCIA担当の「形成作戦」の現状です」マシューが説明した。
「ありがとう。マシュー。概況は理解できたよ」キースが感謝した。
「では私の方から、反転攻勢作戦とプーチン失脚作戦の概略をご説明します」
「ワクワクするね」
「ただプーチンは失脚しても亡命する可能性があります」
「それはまずいな。あのクソ野郎に天寿を全うさせてはいけない」
「同感です。そのため失脚時にすぐさま「クレムリン突進作戦」を発動して物理的に「消去」することも視野にいれています」

続く。