エ・ビ・ス Eco Business Study

環境ビジネスの研究をしています。
エコロジー・ビジネス・スタディ

いろんな摩擦を減らしたい

2008年02月17日 10時24分27秒 | エ・ビ・スの環境雑感
日本は、省エネ技術が進んでいて、
もうこれ以上無理です!!というところまで来ている、
という話を聞きますが、
そんなことはないでしょう。
絶対もっと出来る、それが技術革新というものだ。
と、根拠もなく思っているんですが・・・

日経エコロジーを読んでいたら、こんな記事がありました。
摩擦を減らすことによる省エネ。
前に、摩擦発電という記事を書きましたが、これはお遊び。

新しい技術を開発しなくても、とても簡単な方法があります。

ガスとか液体をスムーズに流すのに
パイプの太さを太くしてあげます。
そりゃ、細いより太い方がいいに決まっているでしょ。
って、そんな単純な問題ではないでしょうが、一理ある。

機械の中のパイプを通るガスとか液体が、
パイプの摩擦で上手く流れないので、
ポンプを使ったりファンを回したりしているのですが、
この動力たるや、産業界の消費電力の1/4にあたるという計算があります。
また、世の中の摩擦と電気や空気の抵抗を抑えれば、
地球上の1/3が節約できる、といってる学者さんもいます。
こりゃ、解決のし甲斐があるというもんだ。

こんな「細いパイプ問題」を解決したり、
いろんな摩擦を減らす仕事をする、
「摩擦対策ビジネス」というのが、
アメリカで注目されているそうです。

たとえば、ラムジー・エンジニアーズという会社は、
オークランド博物館の空調システムを手がけたそうで、
空調システムを変えただけで、エネルギー効率が2倍に向上。
もちろん省エネになっているわけで、
方法は、太いパイプに変えただけ、というと言いすぎですが、
摩擦が半分になったので、効率も上がったということだそうです。

摩擦を減らす、もう一つの方法、それは潤滑油。
潤滑油業界って、全米で400億ドルの市場規模だそうです。
そのトップメーカーがデュポン。
デュポンは、その昔、1950年代にクライトックスという
驚異的な潤滑油を作っていました。
この潤滑油は耐熱性に優れ、性能が落ちないというもの。
しかし原料のフッ化カルシウムが取れなくて、コストがベラ高。
一旦は、製造を中止していました。
それに目をつけたのがNASA。
例のスペースシャトルの爆発事故で、不燃性の潤滑剤が必要になりました。
人の命にかかわる問題なので、金に糸目はつけてられません。
そんなクライトックスに目をつけたのは、NASAだけではありません。

各自動車メーカーも、この性能に着目。
燃費性能のいいエンジンを作ろうとすると、
エンジンが高温になるようで、
でも内部の摩擦がなかなか下がりません。
しかも昨今の車は小型軽量が必要条件で、冷却用の空気を流すスペースもとれません。
その上静かで、耐久性も必要。
多少高くても、クライトックスでなければ
新車が作れなくなったようです。

1950年生まれのクライトックス。
新しく技術を開発しなくても、そこにありました。
当時のアメリカ車なんて、燃費のネの字も考えずに、
ジャブジャブガソリンを垂れ流すようなエンジンばっかりだったのに。
生まれたのが早すぎたのか、時代が追いついたのか、
いずれにしてもスムーズな潤滑が必要になってきたんですね。


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