エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

自ら逃したピリカヌプリ(1631m)

2018年04月26日 | 山紀行 (日高山系)
8年越し4度目の挑戦、目の前ピリカ自ら逃す・・・
トヨニ岳南峰(1493m)~トヨニ岳北峰(1529m)
~1512m峰(1512m)▲ピリカヌプリ(1631m)
■ 山 行 日    2018年4月22日(日)~24日(火)   山中2泊3日
■ ル ー ト    野塚トンネル十勝側北口~トヨニ岳南峰南尾根ルート往復
■ メ ン バ ー     夫婦登山 №8
■ 登 山 形 態     ツボ足 アイゼン登行
■ 地 形 図    1/25000地形図  「トヨニ岳」 「ピリカヌプリ」
■ 三角点・点名   ピリカヌプリ  二等三角点  点名「奴振 ヌプリ」
           他、標高点のみ

■ コースタイム   1日目 登り 7時間50分  
           2日目 登り 5時間00分  下り 4時間50分  
           3日目 下り 5時間25分
(ルートミス1時間ロスタイムあり)
<1日目>
07:55  登山口(野塚トンネル北口)出発
09:05  C 760二股 休憩
11:15  C1120稜線 
13:15  1251Pトラバース
15:35  トヨニ岳南峰
15:45  テン場

<2日目>
04:25  C1出発
05:10  トヨニ岳北峰
06:00  1486P
06:40  1512峰
08:30  ピリカヌプリ手前コル
~09:30  登行中止(体調不良)
11:35  1512峰
13:30  トヨニ岳北峰
14:20  テン場 C2

<3日目>
05:30  下山開始
06:40  1251P手前コル
07:00  1251P

       ルートミス(下る尾根を間違える)

08:30  1251東側コル
09:30  C1120分岐
10:30  沢出合
10:55  登山口P


★ 調整出来ず・・・
昨年のピリカ三度目の挑戦は、HYMLの仲間3人が加わった心強い再訪で
念願の登頂も手中に収めらるとテンションが高く期待した山行だった。
しかし、天候には恵まれず主稜線まで登って強風と濃霧には勝てず敗退した。
そして、今年も同じメンバーで再びと、決意を温め楽しみにしていた計画だった。

3月からメールなどで参加の確認や日程の調整を図っていたところだった。
そして、全員参加の希望は頂いたものの日程の調整が合わず、チームが組めず残念だった。
結局パーティーを二分する形でそれぞれが再訪する事になり仲間たちは私たちより
1週後のGW前半に計画となった。


★ 気持ち新たに・・・
4度目の挑戦は、再び夫婦登山としての挑戦となった。
当初、天候だけを心配していたが、課題は他にもあって久しぶりに夫婦の山談義は真剣だった。

一つ目の課題・・・それは、「無駄な装備は除こう」だ。
心配するばかりついつい余計な装備を加えてしまい結果重さに負けて歩けない状況となる。
これまでそれが原因で何度かチームに迷惑を掛ける教訓をいつも忘れていたのだ。
特に「アルコール」の持ち過ぎが浮上した。

二人で山中2泊であれば、最低ビール500缶×4本とウイスキー500㏄そして
日本酒も持ったかも知れない。これだけでも重さは3㎏になる。
今回は、ウイスキー500㏄と登頂祝いのご褒美にビール500缶1本と決めた。
これで約1㎏である。本来はこれすら贅沢と言われるかも知れないが「酒なし」山行は
どうしても考えにくくこれで収める事にした。

二つ目の課題・・・「おもてなし食材は止めよう」だ。
山での食事は楽しく美味しい。そのためにおもてなし食材や鍋、食器類も多くなり
結果として重さに跳ね返っていた。これを解消するために少し高価な食材となるが
アルファー米などのレトルト食材のみのメニューとして大幅な軽量化に努めた。

装備の「重さ論」から1泊か2泊かでも議論になったが、1泊の計画には強硬な行動が
ともない力量を超えた余裕のない山行となりかねず、重さより「余裕」を重視した。

気持ち新たに・・・とは言っても、やっぱりアルコール無しのテント泊は考えられず
ピークハンターだけの山行は自分たち向きではないと勝手な言い訳は除けなかった。

あとは頑張るしかない・・・。










★ 一日目・・・
家を4:40に出る。
21日に開通したばかりの日高自動車道「日高門別IC~日高厚賀IC」を通り順調に車を走らせた。
登山口となる天馬街道「野塚トンネル」を抜けその出口にあるはずの駐車帯が工事現場に変わっていた。

そう、ここは去る3月8日に発生した大規模な雪崩と土砂流出により通行止めとなり開通の目途が立た
ない程大きなものだったらしい。(写真参考)
復旧工事のお陰で3月20日には開通し通行止めは解除になったが引き続き復旧作業が行われている。
そのため駐車帯は作業場となり一般車は反対側の駐車帯に停める事になった。



(写真;帯広開発建設部提供より)


(写真;帯広開発建設部提供より)

日曜日は工事も休みだったが、守衛係員が常駐していて「ここには停められない」旨の説明を受け
反対側なら停めていいと言われてホッとした。
ちょっと見ただけでも悲惨な状況は手に取るように分かり果たして私たちが通らなければならない
沢はどうなっていて渡渉は出来るのか?と許可を得て現場を見に行った。

SBも僅かに残っていたが、その上には雪崩と一緒に流れた落ちた土砂やガレキが散乱し険悪な
状況だった。係員からは「もし通るなら・・・」とその場所を指示され従う事にする。
渡渉は、ガレキをかわし乍らなんとかプラブーツのまま渡れそうだったので、早々準備をする事にした。



反対側の駐車帯から見た工事現場・・・


渡渉前の沢の状態・・・


微妙な渡渉も靴を濡らさず渡る事が出来た・・・


登る沢の上から現場を見下ろす・・・

★ いよいよリベンジへ・・・
沢の渡渉に20分ほど要したが、出合から雪の埋まった沢ルートに乗っかる事が出来
いよいよ二人のリベンジだ!とルートを見上げながら歩き始めた。



ツボ足で沢を登る・・・ここは標高約600m。


残雪は昨年と同じ位だろうか? 踏み抜く事もなくステップの利いた歩きが出来た。


C760付近の沢二股で休憩。これから斜度も増し標高差350m以上も登らなくてはならない。


ようやく主稜線が見えて来た。左のコブが地形図上の1151P。


昨年を思い出す稜線のC1120に到着する。

★ 今日の目標はトヨニ岳南峰・・・
07:55  駐車帯出発
08:15  出合沢の乗る
09:05  C760二股、休憩
09:50  C900付近、休憩
10:35  C1030付近 南東尾根へ アイゼンを装着
11:15  C1120付近 主稜線上

ここまで3時間20分も掛かってしまった。(昨年は2時間40分)
しかし、この差は私たちにとっては許容範囲で気にするところではない。
今日は、時間が掛かってもトヨニ岳南峰に登りその向こう側にテントを設営出来ればクリアーである。

主稜線に出るとつい昨年の挑戦を思い出す。
HYMLの仲間たちが加わって心強い山行でここまで登って来た途端、もの凄い強風に吹かれて
身体の小さいチーヤンは吹き飛ばされそうだった。ほとんど前の見えないガスも加わり
それでも一歩ずつ前に進んだ。
しかし、200mほど歩いたところでリーダーが立ち止まる。


今日は、曇り空も風はほとんどなく残雪も見る限り稜線上に残っていた。
アイゼンの歯が程よく刺さり新しそうなトレースが心強かった。
遠望するとトヨニ岳南峰の上部にはガスがかかり姿を隠していたが、予報は晴れだったので
心配することなく歩く事にした。

昨年よりはるかに軽いザック。
歩く足取りも少しは軽い。

12:30~40  1251手前コル 休憩

1251Pと東斜面そしてその向こう側の稜線岩峰にも全く雪はなくルートに迷った。
東斜面は低い笹原で一部の残雪を利用すれば通過は可能と読む。また稜線岩峰にも登らず
ずっとトラバース気味に通るルートを選んで歩き始めた。
しかし、これが失敗だったかも知れない。

アイゼンを付けたままで笹原を過ぎた低い灌木帯や岩場のトラバースなどに少し苦労し時間を
要してしまったようだ。更に南峰のニセピークへの登りでは一部残雪が切れてハイ松帯を登る
場面でもひと汗掻いた。

結局、トヨニ岳南峰には15:35に着く。
それもガスの中で周りはほとんど見えない再訪となった。



たまには被写体。前方のトヨニ岳南峰は見えないが主稜線を歩き始めた私・・・


そして、チーヤン。


1251と稜線岩峰をトラバースして笹を漕ぐ。そして再び稜線に戻った。


再訪、トヨニ岳南峰(1493m)・・・風が強かったのでひとりずつ撮る



南峰の直下で先行者と思われる二人Pに出会う。
いきなり「エバさん?」と声を掛けられびっくり。
ひと月前「知来岳」に登った時にも声を掛けてくれた某山岳会の赤〇さんだった。
お話を伺うと少し前にピリカからご帰還したばかりでほぼ一日中ガスの中で11時間山行だったと言う。
ピークにはタッチしただけで何も見えなかったらしい。そして、今日はここに泊って明日下山するらしい。

ルート上のアドバイスやずっとトレースが残っている事や明日は晴れるよと元気を頂いた。
テン場もすぐ近くに良いところがあるとご教授、そこにテントを設営した。



丁度ひと張りベストなテン場。ガスの中設営に1時間ほど掛かった。

★ 登頂を祈念して安着・・・
強風とガスの中でテントの設営に1時間ほど要したが、正直体力は限界だった私だ。
風よけのブロック壁を作る時は私よりチーヤンが奮闘し何とか形になったほどだ。
それでも設営が終わる頃、風は収まりガスも切れて穏やかな稜線と夕日まで見せてくれると
疲れ切った身体にも力が戻るもので気持ちも晴れてテントに入った。

17:00頃、安着となり雪を溶かしながらウイスキーのお湯割りで乾杯する。
広いテントは居心地が良く足を延ばしてリラックス出来たのは何よりだった。
今日と明日の水を作り軽く夕食も食べながら明日の行動について話していた。

今日ピリカに登って来た二人パーティーはガスの中、往復11時間掛けてテン場に戻ったと言うが
私たちなら12時間は掛かるだろうと予想したり、往路で7時間掛けてもピークが踏めなかったら
タイムアウトと判断して戻ろうとか・・・色々心配だらけの話は尽きなかった。

一杯二杯とウイスキーを飲んでいるとさすがの私にも眠気が襲う。

今宵は明日の登頂に備えて早寝が大事と19時には爆睡体制に入った・・・。



設営が終わる頃、ガスも風も収まり絶景の夕日を拝む・・・

★ 2日目・・・
夜中に風の音で何度か起こされたが、最終的に2:00にセットした目覚ましで起きた。
用を足すため外に出ると風は無く満天の星空。期待は膨らむも心中は不安だらけだったかも知れない。

コーヒーを落としながら同時に朝食の用意をする。
夫婦登山の時はこのまったりとした時間がなんとも心地良い。
今朝の朝食は、レトルトのカレーとスープだったがちょっと油が強く胃がもたれそうな食材だった。
朝の食欲は元々ない方だが、時間を掛けて無理に食べ切った。

予定の4:00出発が4:25になったが、快晴の兆しを感じながらまずはテントを出た。

凛と冷え込んだ朝も風は無く展望も開けて目指す稜線はくっきりだった。
雪面は固くアイゼンは小気味よく刺さり歩き易かった。まず目指すのはトヨニ岳北峰・・・。



テントから朝陽が昇る十勝側を望む・・・


前方のピークがトヨニ岳北峰1529m・・・


順調に北峰まで来ていた・・・


北峰への登り・・・


チーヤンは初ピークの「トヨニ岳北峰」

★ 北峰から狂い始めたかも?・・・
5:10 トヨニ岳北峰
テントから45分も掛かってしまったが、最初の目標である北峰に立ち幸先が良いぞと思っていた・・・。
チーヤンは初登頂、私は2度目の登頂だが今考えるとこの時すでに気持ちに余裕が無く「緊張マックス」
状態の私だったかも知れない。

それは何故か? その時は私自身も気が付く事無く淡々としていたように思う。


★ 不覚・不運が重なる・・・
最近頼り切っている携帯のGPSアプリは今回も使用していた。
大容量の充電用モバイルバッテリーもありこれさえあればと安心していたのだ。
それが気が付くとバッテリー自体が使え切り携帯のバッテリーも切れそうになっていた。
一つの原因は就寝中ずっと充電をしたままスイッチを切っていなかったため過充電状態で
モバイルバッテリーは使い切ってしまった事と携帯が古い事でバッテリーの放電が早い事も
考えられた。
いずれにしても北峰から先はGPSで現在地を確認出来なくなり、地図とコンパスを活用
しての登行となってしまった。携帯が使えない事で実は写真も撮れなくなり不運は重なっていた。



遥かなるピリカ・・・のイメージが強く写真に示した山名はすべて下山後に分かった事である

★ 体調不良も重なる不運・・・
今、思えばすべて「言い訳」にしかならない。
二日目の登山を開始した当初からなんとなく体調が優れず、特に登りになると動悸に似た
鼓動が激しくなって何度も足が止まった。ただの疲れ?荷は日帰り装備だから軽いし
もしかしたらプレッシャーから来るストレス?・・・(当時は、こんな事も考えていなかった)

下の写真に示した山名のピリカヌプリ。当時は完全に「1512峰」だと思い込んでいた。
あの山の向こうにピリカがありまだ遥かなる稜線を辿らなければならない・・・と。
そして、ピリカはあの1512峰に登らなければ見えない・・・そう思い込み、地図すら
出す事なく淡々と歩き続けていたのだ。

こんな事ってあるんだろうか?
まったく笑い話にもならない初歩的なミスを何故起こしてしまったのか・・・?

今更、悔やんでも悔み切れないが・・・。



この時、示しているピリカヌプリは1512峰だと思い込んでいたのだ・・・


たまには被写体の私だが、ちょっと体調が悪かった・・・


振り返った景色にもはっきりしていたのは北峰だけ、1486峰がそこだったとは


トヨニ北峰の北東尾根に突き出した鋭鋒1438峰が格好良かった・・・

★ 登行中止の判断・・・
8:30頃 1384P付近
GPSが使えず、写真も撮れず、地形図すらも出さずに思い込みだけで歩いていた私自身を振り返る。
実際には、すでに1512峰を過ぎていてその先にコブから一気に標高差150mの下降。
そして、地形図上の1384Pに来た頃の体調が最悪となっていた。

あの下降の時、ちゃんと地形図を出して現在地を確認していればすでに1512峰を過ぎている事も
150m下ったこの場所が1384Pである事も目の前に聳え立つ鋭鋒が正にピリカヌプリであると
確信したはずなのに・・・


地形図上の1338Pを過ぎて1310付近がピリカへの最低コルと言われている場所。
この手前でチーヤンには先に歩いてもらい私は茂みで用(大便)を足した。
胸やけに似たモヤモヤ感やお腹周辺のムカムカ感も少しすっきりした感じになった。

しかし、その先に見上げるピーク(当時は1512峰と思い込んだ山)を見て再び足が止まった。
歩き始めてすでに4時間が経っているのに俺たちはまだ1512峰すら辿り着いていない。
仮にあそこに登ったとしてピリカまでは2キロ以上あるんだ・・・。
そう思ったら戦意喪失、体調と時間を考慮して登行中止の判断をしてしまったのだ。

チーヤン的には、自分だけでも1512峰に登りその先に見えるだろうピリカヌプリを拝みたいと
一時登る事も考えていたのだ。私自身も「登る、登らない」と自問自答していたが「ピリカに
登れないなら止めよう」という楽な結論を選んだのだ。



1486P稜線から望むピリカだったが・・・・


この下りは1512峰の稜線から1384に降りる痩せ尾根だった・・・


標高差約150mの下り、帰り登り返しが気になり過ぎて現在地を見失っていた


見えているあのピークがピリカだったなんて、この時夢にも思わなかった

★ 下りで体調戻る・・・
こんな恥ずかしい山行記は載せたくなかった。

目指すピークがそこにあるのに登らずに下山した・・・
この事実は、エバ夫婦の登山史上最も恥べき山行になった。
皮肉にも、登行を中止して下山に入ると体調が戻りこれまで以上に足取りが軽いのが悔しい。



4/23 「私たちのピリカヌプリ」で終わった場所・・・

★ あと300mのピリカヌプリ・・・
9:30 下山開始
上の写真は、チーヤンの携帯で撮ったもの。せめてもの慰めじゃ~ないが、
ピリカヌプリ頂上を背に撮った写真があるだけでも救いにしようと思った。

テン場への復路もアイゼンが利き腐った雪で足を踏み抜く事もなく嘘のように順調だった。

13:30 トヨニ岳北峰

14:20 テン場 C2



web上で見つけたピリカヌプリ・・・

★ 反省会で気が付く・・・
一日中快晴の日だった・・・。
テントに戻って来たのは14:20。まだ陽は高く暖かかった。
無事ピリカを制し戻ったお祝いにと冷やしていた唯一の缶ビール。
登れなくても栓を開けて残念会と反省会と称しやけ酒を開始した。

GPSを頼って地形図を見なくなった理由の一つに「老眼」がある。
特に私は「遠視の老眼」。汗掻きでもあり登行中はメガネをかけないのが常。
裸眼では地形図はほとんど見えない。地形図を見る時はメガネを出すかルーペを
出して見る事になるが、面倒がってるのが悪い癖になった。

テントの中で地形図を今更に見る。
すると「あれっ?」って疑問がいくつか見えて来た・・・。

トヨニ岳北峰の標高は1529mに対し、1512峰は北峰より低い事に今更気が付く。
であれば、1512峰と思い込んでいた山はなんだ?
150mも下る場所ってどこだったんだ?・・・と目を皿にして地図を読んだ。

「あらららら・・・」
もう、絶句である。

もう、後の祭りだが自分の情けなさに言葉を失ってしまった。
もう、これ以上は語れないから記するのはやめよう。


★ 3日目・・・
3:00 起床
5:30 出発

一時は、今日も快晴ならもう一度ピリカに向かいピークを踏んでから下山しよう・・という話もあった。
しかし、生憎と天候は下り坂。午後からは雨予報にもなっていたので再びピリカは諦めた。

下山開始時、晴れでは無かったがまだ雲も高く稜線の景色もはっきりしていた。
だが、崩れるのは早く1251P手前コルで一面ガスで覆われ視界が消えた。

そして、この後ハプニングに見舞われる。



下山の日 テントを撤収する前にチーヤンの携帯で撮った唯一の一枚

★ やってまった・・・
下山のルート選択で一番迷ったのは1251Pのどこを通るかだった。
登りでは雪の無い東斜面を大きくトラバースしその先の稜線岩峰群もトラバースしてから
尾根上に戻ったが、意外にも笹やハイ松などに苦戦させられ通過に時間を要したので
復路では岩峰も1251Pにも登って素直に尾根上を辿ろうと決めていた。

岩峰群を超えるまでは良かったものの1251P手前のコルでガスが立ち込めまったく
見えなくなって風も出て来た。

休憩してから踏み跡を辿り1251Pには登った。

まさかの坂がここにあった。
ミスは繰り返す・・・ではないが、ガスで視界の無いピークから素直に稜線を下れば
再び主稜線に降りるとここでも思い込みである。
後で地形図を見ると1251Pにはもう一つ南西側に尾根が派生していたのだ。
その尾根を降りる時に少し変だなと思いつつあれよアレヨと下ってしまった。

150m程降りてからようやく異変に気が付き地形図とコンパスを出す始末。
そして、登り返しが半端なく大変だった。幸いアイゼンを付けていたので滑り落ちる事は
なかったが、再びピークに戻るまで30分以上のアルバイトとなり合わせて1時間の
ロスタイムとなってしまった。
修正して本来の主稜線に戻った時は本当に安堵して胸を撫で下ろしたが、ガスの中で
一時はどうなるものかと不安で一杯だった。

心配したガスは、後に切れ始め代わりにアラレが降り出したり青空が出たりと
急変の天候だった。

稜線から沢に降りる分岐に来た時、始めて「帰れる」と確信した。
何度か休憩もしたが約1時間で本流の沢と出会い渡渉も終えて無事駐車場に戻った。

その頃降り出した雨は車に着く頃本降りとなり、不運な中にも幸運があるなぁと感謝した。

帰路では、優駿の風呂で汗を流しランチして16:30無事帰宅した。


来年また来ます・・・

※ バタバタしていてアップ出来ずにいましたが、本日(5/12)ようやく終了です。








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2 コメント

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ブログ完成アップを待っていました (パプマル)
2018-05-14 19:29:31
全部を読んで理解しました。

8年越し4度目の挑戦であっても
無理をしすぎない がモットーのエバさんらしい山行だと思いました。

自らの失敗も隠さずブログにアップされて自分にもおこりうる事なので参考になりました。

計画してもなかなか登頂できない山ってホントありますね。
でもそれが成就した時の喜びはひとしおですよね。
来年はそれを味わう事ができますように
その計画の日が天気、体調などなどの諸条件に恵まれますように心から願っています。
 
いつも私達の前を行かれる先輩エバさんご夫婦を応援しています。
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恥ずかしいです (エバ)
2018-05-14 21:34:06
色々あってアップが遅れ申し訳ないです。

結果的には、本当に恥ずかしい記録をアップしている訳で
これは、今回に限った事ではありません。
体調が悪かったから・・と言えばいい訳になるものではありません。

でも、「やってまった」のは事実・・・。
笑ってやってください。それが当たり前です。

来年は、しっかり準備をして確実にピークに立ちたいと思います。

応援してくれる仲間がいる事に感謝し力を頂いています。

パブマルさん、ありがとう!

エバ、恥ずかしいです・・・
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