エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

増毛山魂・・・中ノ沢岳(1189m)

2013年03月16日 | 山紀行 (増毛・夕張・芦別)
悪天休日の過ごし方 パートⅢ・・・
ブログ開設前の山紀行を再編投稿
増毛山魂・・・中ノ沢岳 (1189m)

■ 山 行 日   2008年3月18日(火)~19日(水)   1泊2日
■ ル ー ト    北尾根ルート 往復
■ メ ン バ ー    夫婦登山 №12
■ 登 山 形 態     山スキー&アイゼン登行
■ 地 形 図    1/25000地形図  「雄冬」「国領」
■ 三角点・点名   三角点無し
■ コースタイム   登り  5時間10分   下り  2時間50分
<登り>
06:15   ゲート前
06:45   林道二股
07:20   北尾根取付き
08:00   C460尾根上
09:50   879m地点
10:20   986mコブ東側
11:25   中ノ沢岳頂上

<下り>
11:40   下山開始
12:10   968mコブ
12:15   879m尾根上
13:30   林道出合
14:30   登山口ゲート




「増毛山魂・・・」と聞くだけで厳しい山。と言うイメージが強くましてや主峰・暑寒別岳から見た
西へ延びる断崖絶壁の尾根上に西暑寒岳が主峰とも劣らない勇姿を見せその更に西の中ノ沢岳も
痩せた尾根上のピークでエバ夫婦のレベルでは登れる山ではないと考えていた。
しかし、文献やネット上で見つけた山行記録を読んで今の時期なら何とか登れるかも知れないと
計画を組んでみた。

地形図上には「中ノ沢岳」という山名の記載は無く、暑寒別岳1491mの西稜にある西暑寒岳1413mの
さらに西にある標高1189mのピークをそれと呼んでいた。


★ 国稀酒造・新酒のにごり酒に酔いしれて・・
【3月18日(火)】  くもり後晴れ

自宅を11:20出発。
今日の宿泊予定地は、増毛町から暑寒別岳の登山口「暑寒荘」に向かう途中で
市街地からおよそ7キロ入ったゲート前である。手前には道立水産孵化場がある。
ゲートは冬期間(10/31~4/15まで)通行止めで明日はここから2キロ歩いて二股となり右折して
橋を渡り更に2キロ歩いてようやく中ノ沢岳の北尾根の末端に取付く。
(二股を左折しておよそ3キロ進むと暑寒荘がある)
そして、北尾根は約6キロあり合計片道10キロ、長丁場の山行だ。

増毛町には、14:00に着く。まずは宿泊地となるゲートの場所を確認する。
ゲートの先はまだ1m前後の積雪が道路を埋め尽くしていた。街に戻って町内にある「国稀酒造蔵元」
に立寄り、色々な酒の利き酒をした末、新酒の「にごり酒」とロックが美味しいという清酒「北酔」を買う。
ほろ酔いのエバからチーヤンに運転を変わり、町内「ホテル増毛」のトロン温泉に入ろうと出掛けたが、
昨年の10月31日で営業を終え経営者も変わって改装中だった。
ホテルに入るまでそれとは判らず外から来た観光客にすれば
もっと分かり易い表示をしてほしいものだ。
・・と不満のエバである。
結局温泉は諦め宿泊地に戻って安着の儀に移行した。まだ陽の高い15:15の到着である。

ホテルハイエースの寝床を作り、いつもの安着「乾杯」の儀となる。
酒造元で買って来た「タコの燻製」や「数の子わさび漬け」そして、増毛の名産「越冬りんご」を肴に
ビールと夫婦談義は進む。
メインディッシュは、チーヤン特製の鶏ガラスープをベースにした具沢山の鍋で更に食と酒が進み、
五合瓶のにごり酒は空いてしまった。
満点の星空の下、静かなゲート前ホテルは20:10の就寝である・・・。

超辛口のにごり酒が余りにも美味しかったので、
数の子わさび漬けと合わせて翌日の帰路でまた買い求めてしまった。



ゲート前貸切の「ホテルハイエース」

ゲート手前に表示された「道路情報」の看板

【3月19日(水)】   快晴
4:00起床。(緊張してか2時頃から何度も目が覚めていた・・)
外は満点の星、風も無く登山日和の朝を迎えた。
いつものようにコーヒーを落とし熱い一杯でまったりとした朝のひとときを味わう。
朝食はレトルトカレーと昨夜の残り鍋を頂き、出発態勢は万全だ。

6:15 出発。
直線道路の向こう側に形の良い「雄冬山」を望みながらスキー歩行を開始する。
早朝の雪面は固くほとんどトレースが残らないほどだ。30分で二股到着。左折して3キロほどで
暑寒荘だが今日は右折して橋を渡り暑寒別川沿いの林道を進む。古いスキーのトレースがあり
途中から中ノ沢岳から派生する二本の北尾根の東側末端に続いているようだった。

私たちは、西側の北尾根から取付くので更に林道を進む。
取付きは現地の地形を見極め緩斜面から取付く。
ダケカンバや松の疎林帯で登り易く順調に高度を稼ぐ。
30分程で気が付くと広い尾根上に出ていて標高は460mだった。



北尾根に取付いた斜面を登るチーヤン・・・


中ノ沢岳北尾根500m付近から望む


尾根から見た「雄冬山(1198M)」


ダケカンバの疎林帯で広い北尾根・・・

★ 快晴も烈風・・・
9:40頃、標高800m付近。
天候が急変し快晴も強烈な西風に時々立ち止まる。雪煙が舞い雪面が固くなって来た。

879mでチーヤンはスキーをデポし、アイゼンを付ける。
私はスキーアイゼンを装着しそのまま歩く事が出来た。



アイゼンを付けた頃の尾根上・・・


まだまだ真っ白な「浜益岳(1258m)」


北尾根900m付近、雄冬山を背に登るこの一枚はエバのお気に入り・・・


ほぼ同じ場所で・・・

★ 初登頂「中ノ沢岳」と感動の景色・・・
10:20 986mコブには登らず、東側を巻いて通過する。
次の頂上稜線(二本の北尾根の合流点)までは痩せた尾根となり東側に小さな雪庇が発生
しているが恐怖感も無く通過出来た。
ここから見る東隣の北尾根は、非常に広く下りのスキーも楽しめそうだったが、登った来た尾根も
スキーは楽しめそうだったし、八谷和彦氏の記録では東側の北尾根は下りも登りと同じくらい時間を
要した・・とあるので今回は使わない計画だ。

三角点のある北尾根の合流点1073.3m付近を通過し、いよいよ頂上への痩せ尾根に取付く。
スキーアイゼンも利かない急斜度をカニ歩きでクリアし稜線に出た。
二つほどある小さなコブのアップダウンを終えると遂に中ノ沢岳の頂上である。

11:25 登り5時間10分を要したがその価値は充分に備え持った頂上である。

目の前には正に鋭鋒の「西署寒岳」が聳え、その陰に暑寒別岳の平らな頂上部があり、
その稜線上を辿って次の鋭鋒「群別岳」が少し小さく見えた。
その後ろ側に見えた奥徳富岳(ポン群別岳)は、群別岳より鋭く聳え立ち格好が良かった。
連なる「浜益岳」「浜益御殿」「雄冬山」と増毛山地の秀峰を全望する絶景の展望台だった。





頂上直下の登り・・・左は西署寒岳1413mの北斜面


「中ノ沢岳(1189m)」頂上にて・・・背景は浜益岳

感動に浸る二人、登頂を喜び固い握手をして恒例の山頂コーラで乾杯。
もう次は、目の前の「西署寒岳」を目標にその北尾根の様子を注視して下山する事にした。





中ノ沢岳頂上から望む「群別岳(1376m)」

登れるとは思っていなかった頂上に登れてその達成感と満足感で
満ち溢れる二人だった。暖かい日差しで雪面の固さは緩み、表面は細かなザラメ状で
シールを付けていても充分に楽しめた。
付けて来たテープを回収しながら13:30無事林道と出合、安堵する。



986mコブから879m付近の尾根上を下る・・・

帰路では、国稀酒造に再来し美味しく酔いしれた昨夜のにごり酒と
数の子わさび漬けを買い求め、増毛町岩尾温泉「あったま~る」で汗を流し、
更に浜益村で煮タコの大きな足をゲットしてもう満足満足の帰宅をする。



※ この山紀行は、ブログを開設する前の山行記をブログ用に再編して投稿したものです。
  当時自分たちの呼び名は「エバ」「チーヤン」ではありませんでした。
  他は当時の記録(文章)を少しだけ編集して載せています。ご了承下さい。


悪天休日の過ごし方 パートⅠ・・・「雲知来内岳」 (2008.2.19)
              パートⅡ・・・「鬼首山」 (2008.2.20) です。







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