エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

雲知来内岳(1241m)

2008年02月19日 | 山紀行 (日高山系)
※ブログ開設前の山行をアップしました・・・(2012.12.06 再編投稿)

甘くなかったリベンジ・・も苦戦の登頂!!
雲 知 来 内 岳(うんちきない) (1241m)
■ 山 行 日     2008年2月19日(火)    日帰り
■ ル ー ト     春別沢川林道~南尾根 往復
■ メ ン バ ー     夫婦登山 №8
■ 登 山 形 態    山スキー
■ 地 形 図    1/25000地形図   「千栄」「二岐山」
■ コースタイム   登り 6時間12分  下り 3時間15分
<登り>
春別沢林道二股 7:35---沢の渡渉 8:05---南尾根取付き 8:15---作業道出合 9:00
---尾根上1000m付近 11:00---1028m付近 11:35---1212mピーク 13:25---雲知来内岳 13:47

<下り>
下山開始 14:15---尾根上1000m付近 15:47---南尾根取付き 16:45---登山口 17:30



★ 2/8 のリベンジも・・密林の若木に泣き長い南尾根に苦戦

【2/19(火)】

エバ夫婦のいつもの会話・・・
まずは現地まで、無理をせず駄目なら下山をモットーに常に安全登山に徹しようと話す。

前回の雲知来内岳の敗因は南尾根に取り付きの際、雪のあまり付いていない急斜面を見てスキー
をデポした判断が後にツボ足の深いラッセルとなり前進を阻まれてタイムアウトとなったためだった。
 今回は、この10日間で降雪もあり教訓を胸に気合を入れてリベンジに臨んだ。そして下山後は
日高町の道の駅で車中泊し翌20日「糠平山」に登る計画だった。

 5:30 自宅を出発。国道274号線日高町福山の温度計は-20℃を示していた。
日高町市街で夜明けを向かえいつものコンビニでトイレタイムを取り登山口の千栄へ向かう。
春別沢林道出合いのゲートから深そうな新雪となっていた林道だが作業車? が通ったトレースが
あったので慎重に立ち入ると前回と同じ林道二股までの400mを進めた。
 
 7:03の二股到着、駐車。手持ちの温度計は-18℃の極寒、今回も寒い朝の出発だ。
ルートとなる春別沢林道には新雪が積もり車などのトレースは無かったが二股の一方にはトラック
らしきタイヤ痕があり奥で何かの作業が行なわれているようだった。
 
 7:35 リベンジ開始。スキーを履いて春別沢林道を軽いラッセルで辿る。
約1.5キロほど歩いた8:05 林道が沢の手前で崩壊しているところで沢の渡渉、わずかに積もった雪の
お陰でスキーを履いたまま渡ることが出来た。対岸(右岸)の廃道化した作業道痕を辿り前回の取り付
き点に着く。(8:15) 
前回よりかなり多い雪が斜面に積もっていたのでスキーを履いたまま登り始めたがやはり途中で断念
するほどの急斜面でツボ足になる。両手にスキーを持ってツボ足登攀はほんの10数mで終わりその後
は再びスキーを履いて何とか登ることが出来た。

前回のルートにはこの日のために標識テープを残置していたので迷わずに辿ることが出来たが積雪が
多い分前回のトレースも鹿道も薄く少しずつラッセルも深くなって時間はかかっていた。
900m付近前回タイムアウトで下山した地点に10:10に着き所要時間を見て前回とあまり変わらない・・
と少しがっかりした。しかし、ここからがスキーの威力を発揮するところと思い新たな高みを目指す。
振り返ると常に春別沢の対岸に鋭い岩峰群を突上げた1491.8mの春別岳が聳え立ち、我が夫婦と別世
界・別レベルの日高を感じながらいつかあの頂にも・・なんて夢を見る。

 11:00 南尾根の末端1000m付近に来ると顕著な稜線となってくるが若い松の密林に泣かされ枝に触れ
るだけで上からどっさりと雪が落ちてきて頭を濡らす。嫌気がさすギリギリの我慢(15分くらい)で疎
林になってホッとするが再び密林になったりで以外と長く感じる尾根だった。

 11:35 正確ではないが1028m地点、13:25 1212m地点に着く。わずか2キロほどの稜線(尾根上)だった
が約2時間もかかってしまった。正直私は疲労困憊気味で足取りは重く、後半はチーヤンにリードをお
願いする事が多くなった。



林道から春別沢を渡渉し南尾根の末端に取付く・・


南尾根の取付きはスキーで登れなかった・・・

★ 1212mピークは最高の展望台

雲知来内岳の手前1212mピークは、東隣の1385m峰やその奥の鋭鋒・春別岳に繋がる稜線の分岐点で
あるが木々が無くピーク感と高度感のある眺望の良い場所だった。すぐ北東には上滝山と稜線繋がり
の沙流岳があり南東にはペンケヌーシ岳、その影にチロロ岳の一角そして遥か南に日高の主峰・幌尻
岳と北戸蔦別岳の真っ白な山並みを見ることが出来た。また北西の方向には夕張岳や芦別岳更に十
勝岳連峰も遠望出来る最高の天候に恵まれた。

わずか標高が1200mしかないこの稜線の一角だが最高の展望を見せてくれるスポットだった。
それに比べ500mほど先にある本峰「雲知来内岳」は白樺を中心とした若木が多く展望の妨げになって
いるのが残念だった。
そうは言ってもなかなか踏めない雲知来内の頂はここから500m先にあり間もなく踏める喜びはひとしお
だった。



南尾根上1212mピークへの登り、若木から大木の疎林となる。


1212mピーク直下の登り・・・


1212mピーク分岐から1385m峰と稜線を望む


1212mピークから上滝山はすぐ北東隣だ。

★ 高度感の無い平らな頂上・・・

 13:47 雲知来内岳 (1241.1m) 頂上到着。

登山口から実に6時間12分を要しての登頂だった。久しぶりに長い登りの苦闘にヤッター・・と言うより
「もう歩けないよぉ~」という疲労感と脱力感が先に感じてしまったほど疲労困憊のエバだった。

頂上と言っても1212mピークと違い平らな稜線上の一点であり若い白樺の木が点在し高度感の無い
頂上だった。その白樺には古い標識テープの残置が何本か付いていて来る人が居たことを窺(うかが)
える。

チーヤンには感謝・・といつもながら固い握手で登頂を喜び合い、いつもの登頂コーラで喉を潤す。

何と言っても快晴・無風、気温は-8℃と暖かく時間と眺望が良ければいつまでも居たいと思うのも
いつもながらの感想だ。

エバ日高を語る・・
日高の山は、北海道の山の中でも他とは一味もふた味も違いその険しさと神秘さは胸の鼓動となって
実感する。安易ではなく必死に登らさる態勢と途中の深く切れ落ちた渓谷美は正に圧巻であり大好き
な景色だ。また、限られた人のみ立ち入る事しか出来ない連なる尾根尾根と入り組んだ深い沢は複雑
な地形となり山屋を目指すものとして魅力溢れる遊び場なのだ。



1212mピークから雲知来内岳へ向かう・・・


間もなく頂上 (写真手前が頂上)


2008.2.19 雲知来内岳(1241.1m) 初登頂 

★ スキーの威力実感!・・・

14:15 下山開始。
登りで6時間も掛かった分下りの時間が気になるところだが、安定した好天気とトレースを辿れば・・
という安心感そして下りで威力を発揮するスキーの滑降があれば何とか暗くなる前に林道まで降りられ
るだろうと大まかな予想を立てた。シールを付けたままでもトレースを辿れば比較的滑りは良く順調に
時間を稼ぐ。

嫌気をさした密林地帯も道を選ばすトレース通りに歩くと意外にスムーズに通り抜けてしまい急斜面の
下りは慎重にジグを切り疎林の新雪ではシュプールを描く? そして、林道への急な下りではスキーを脱
ぎザックに括り付けてツボ足で降りた。

16:45 長い南尾根をわずか2時間30分で降りる事が出来安堵する。
再びスキーを履き林道のトレースを滑るように歩いた。
車に着く頃には、深いV字谷の春別沢上空に月が顔を出し周りは月明かりに照らされていた。

17:30 無事に車に到着。長い山行が終わった。



帰路・・・頂上から1212mピークへの登り


1212mピークから振り返る雲知来内岳の全容・・・


1212mピークから望む「沙流岳」


1212mピークから望む「上滝山」


1212mピークから日高の主峰群も望む・・・

★ 疲労困憊、糠平山は中止帰宅

この後の予定は、沙流川温泉に浸かって日高町の道の駅で車中泊し明日「糠平山」だったが・・・・。

温泉までの道中ですぐに話は決まった。予定している糠平山は、林道歩きが長いうえ登りでの深い
ラッセルが予想出来た。本日10時間に及ぶ山行ですっかり疲労困憊のエバはそんな愚痴をこぼし
明日のキツイ山行を懸念した。チーヤンは必ず再計画を組む事を条件にすぐに了解をしてくれ温泉後
は帰宅することになった。ただ、明日も天気が良いという予報なので地元の山で未踏の「鬼首山」を
目途に散策とリハビリを決行することにした。




※ この山紀行は、ブログを開設する前の山行記をブログ用に再編して投稿したものです。
  当時自分たちの呼び名は「エバ」「チーヤン」ではありませんでした。
  他は当時の記録(文章)をそのまま載せています。ご了承下さい。


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