エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

GPS様々で初登頂・・・朝里岳 (1281m)

2017年01月20日 | 山紀行 (道央・札幌・積丹)
初のGPSアプリ使用・・・朝里岳 (1281m)
■ 山 行 日    2017年1月20日(金) 日帰り
■ ル ー ト     朝里峠~北東斜面ルート
■ メ ン バ ー     夫婦登山 №3
■ 登 山 形 態      山スキー
■ 地 形 図     1/25000地形図 「張碓」「余市岳」
■ 三角点・点名    三等三角点  点名「アサリダケ」
■ コースタイム    登り 3時間15分  下り 1時間15分+45分
<登り>
 9:00 朝里峠P帯スタート
10:15 C928
12:15 朝里岳頂上

<下り>
12:30 下山開始
13:45 スキー場下
14:30 登山口P帯



実際のGPSログではありません。スマホアプリのGPSログを参考に辿ってみました。
★ 実質二人の初登頂・・・
朝里岳、自身の山行記録では2001年12月24日に初登頂としている。
当時所属していた山岳会の仲間4人で国際スキー場から余市岳を目指した冬期山中1泊の山行だった。
最終リフトを降りて朝里岳への東尾根1100m付近でテント泊し翌日余市岳を目指す計画だった。
しかし、翌日は天候が悪く視界不良の中で余市岳を目指し地図とコンパスを駆使しながらルートを辿る。
当時、今のようなGPSは無く先輩に連れられた冬山初心者の山行だった。
余市岳を目指すとルート上に朝里岳頂上を踏んで南西に南下するルートとなるので、知らない内に
朝里岳頂上を踏んでいると勘違いしていたようだ。
当時はまだ1000m超峰に拘りもなく朝里岳登頂の写真も撮らなかった。
「近くは通ったが登頂していない・・」というのが事実かもと今に思う。
なので、今回夫婦で目指した「朝里岳」が実質二人の初登頂として記録を書き換えたいと思う。



登り始めは、ちょっと混みあった混合樹林帯の緩斜面を歩き出す・・・


スキー場中程、崖記号のある928標高点の登り斜面


高度1000m付近、すぐ左側はスキー場のコース。スキーヤーの姿も近くに見える。前方上部の雲行きが悪い・・・

★ 初めて使うGPSアプリ・・・
スマホで使えるGPSアプリを初めて使って見る事にした。
どう使うのか右も左も分らぬまま地形図をダウンロードし登山開始のログをスタートさせると動き出した。
「凄い!便利」と感心しながら自分たちの居る場所が画面に表示される度に感動するもまだ半信半疑だった。

登行を進めルートを確認すると面白いほど辿って来た足跡が表示される。
ずっと地図とコンパスだけを頼りに山行をしてきた者にとってこの機能は「神」に近い。
「ちょっと右に寄りすぎた」「この先に急斜面があるぞ」「すぐ左はスキー場だ」などと現在地が手に取るように
分るとは脳いらずの便利グッツここにあり・・・である。

この後まさかこのアプリのお陰で登頂に至るとはこの時まだ思ってもいなかった・・・。



スキー場最終リフト付近で一時青空の広がる快晴状態になるも更に上部は雪~吹雪となる・・




頂上近くまで来ていたが雪は次第に吹雪となり視界は最悪のホワイトアウト状態になって来た。

★ 普段なら登行中止の天候・・・
今日の天気予報は「晴れ時々雪」雪が降っても積もるほどではない・・・だった。
しかし、山の天気は別物ですね。
時々「予報が当たってたね」なんて青空と太陽を見ると上機嫌になったが、標高を上げると雲行きが悪くなり
気が付くと吹雪の中を歩いている自分たちに気が付く。
頂上付近がまったく見えなくなって先行者の深いトレースすら分からなくなって来ていた。
この状態が続くようなら無理をしないエバ夫婦、「登行中止」の判断をする場面だった。

しかし、今日はGPSログが上手く機能していて自分たちの位置を正確に示してくれる。
ホワイトアウト状態でほとんど何も見えない状況なのに歩を進める事にした。頂上はもうすぐそこにある。

慣れないGPS操作で少し遠回りをしてしまったが、吹雪の中無事登頂出来た。
頂上と思われるハイ松のモンスターにピンテが付きGPSも頂上を示していた。

吹きさらしで非常に寒く、手がかじかむ。
「三脚を出しての登頂写真は諦めよう」と思ったがチーヤンは折角の初登頂だから・・と、三脚を出すことにした。


朝里岳登頂を証明する地図アプリのGPSログ


ホワイトアウトの朝里岳頂上・・・実質二人とも初登頂

★ 遭難の二文字・・・
12:30 下山開始
GPSを頼るもぐるっと遠回りして登頂したので下山ルートはトレースを使えなかった。
どっちに下りればいいのか、どの方向を目指すか・・・それは、地図とコンパスを見れば分るが
吹雪状態とホワイトアウトと極寒の中に於いて冷静な判断と行動が伴わない事はよくある。
しかし、これが後に「遭難」に繋がる原因になることもよくあり冷静な行動が求められる時だった。

頼るものは「GPS」しかなかった。
下山するためのログを確認し自分たちのトレースと合流する方向を目指して軽いラッセルをする。
すると間もなくまだ真新しいトレースを見付け、GPSを見ると辿って来たルートと合流した。
またまた凄い!・・・と単純に感心する。正直、これで帰れると思った。



1000m付近からスキー場コースに入りそのまま下山することにした


スキー場にスキーをデポし徒歩で車を止めた場所まで歩く事にした・・・

★ 危険回避の安全策・・・
13:30頃 スキー場上の1100m付近
時間は定かではないが、シールを付けたままここまで下りて来て風が弱くなった。
少しホッとしながらここで休憩とシールを外すことした。
すぐ下はスキー場の最終リフト地点で降りてくるスキーヤーの姿も見える。
自分たちの下山ルートは基本登りと同じ・・・

しかし、トレースの一部がスノーモービルに潰されて不明瞭となり降雪の状態も酷くなって来た。
恐らくこのまま往路を辿ろうとしても自分たちのトレースは消え方向を見失う恐れが出てくると予測する。
往路には登り返しや急斜度の下りもあり時間と体力の消耗を危惧した。
ただ折角のGPSログを利用しているので復路のルートを間違えることはないだろう。

結局、疲れていた・・と言うのが本音?

少しの危険は回避し安全に下山する方法はスキー場コースを降りること。
後は道路を歩けば車に辿り着く。


13:45 スキー場玄関口 スキーをデポ。
13:50 道路出合い
14:30 登山口駐車帯


★ ちょっと複雑な心境・・・
実質初登頂だった朝里岳・・・それ自体は素直に嬉しい。
そして、初めて使ったGPS機能のお陰で無事下山も出来て何より。
ホント今日はGPS様々なのだが、ちょっと複雑な心境でもある・・・。

これがあると無いでは登頂か途中敗退かの大きな差がありまた無事下山か遭難かも加わり
現代に於いてこれを用いて登山をする事が必須になってしまうのかと考えるところありである。

地図を用いてコンパスで方向を読み高度計で更に現在地を読む。
実際の地形や特徴物を見付けある程度の正確な現在地はこれまでも確信してきた。
しかし、視界不良やホワイトアウトだけはどうにもならない弱点だ。
目標物の無い樹林帯や支流の無い沢登りなどでも頼りは高度計のみで時として現在地を見失う。
これまで何度となくそれが原因で途中下山を余儀なくされリベンジを繰り返したことか・・。

でも、それで良いと思っていた。
ダメならまた登れば良い。また来れば前回と違う山を感じ登頂すれば喜びも倍だ。

GPSは高い!
欲しいけど買えない。
俺は、地図がガイドの山歩き・・・とどこかのHPのタイトルみたいだけど、その彼も実際は
予備としてGPSを所持して山に臨んでいる。

今は無料のアプリで簡単に地形図をダウンロード出来、GPSログの機能も使えるとなると
使わない方が間違いな気もして来た。

次の夫婦登山は決まっていないが、もう一度このアプリを使って見ようと思ている・・・。





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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
GPSは神様ですね。 (GAKU)
2017-01-21 11:50:38
興味深く拝読しました。
飛行場のように広いあの朝里岳の山頂付近でホワイトアウトになったら、GPSがなければアウトですね。
私も初めてGPSを使った時は神様に思えました。 GPSは道迷い遭難を防ぐ最高のツールですが、それだけに、神が突然隠れてしまった時を思うと恐ろしくもなります。
車のナビと同じでGPSに頼りきってしまうとせっかく鍛えた読図能力も退化してしまうので、GPSは歩いた後の確認用と心得ていますが、それでもなにかおかしいと感じた時にはGPSをチェックし、藪山などで何度か大事に至らずに復帰できたことがあります。
今後もGPSを上手く使っていきたいです。
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御意・・・です(笑) (エバ)
2017-01-22 16:04:52
GAKUさん いつもどうもです。
まったく御意です。

今後もスマホGPSを試してみるつもりです。
使えるようなら本来のGPS機を購入しなくても済むかも知れませんね。
藪山や沢登りそして雪山でも使えるなら
自分たちにとって歴史が変わる革命的な山行が可能かも (笑)

凄いんですね・・今さらですが。
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gps (べんさん)
2017-01-24 17:29:52
スマホのバッテリーの持ちはどうですか、僕のスマホ バッテリー直ぐ無くなってしまいます、そんなことで 最近は携帯そのものも山に持って行かなくなりました。スマホの節電が有るのですか?
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特に節電は無しです (エバ)
2017-01-25 10:21:38
使用する前まで充電していました。
充電100%の状態でアプリを起動し、途中写真も撮りながら約6時間使いました。下山後のバッテリーの消費は50%以上あったと思いますので日帰り山行ならスマホアプリは使えそうです。泊りなどで山中2日間以上使うなら充電器があればOKかと思います。
スマホの節電機能もありますが使っていません。
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