エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

函岳(1129m)

2019年06月16日 | 山紀行 (道北)
ゲート解放の情報、手段選ばぬ登頂記・・・
北海道百名山もドライブ登山 函 岳 (1129m)
■ 山 行 日    2019年6月14日(金)  日帰り
■ ル ー ト    美深町~加須美峠ルート (林道ダート)
■ メ ン バ ー     夫婦登山 №19
■ 登 山 形 態     ドライブ登山
■ 地 形 図    1/25000地形図 「函岳」
■ 三角点・点名   一等三角点 点名「函岳 ハコダケ」
■ コースタイム    登り 10分  下り  5分
<登り>
18:00  頂上駐車場出発
18:10  函岳(1129m)頂上

<下り>
18:20  下山開始
18:25  駐車場


★ 偶然・・・
1泊2日で行ける夫婦登山の山を探していたら、偶然「函岳」の所在地である美深町
のホームページから林道ゲート解放の情報が目に止まった。なんと6/13~解放と
あった。検索したのは11日だったが、直感的に「これだ!!」と思い、14日の夫
婦登山は「函岳」にしようと決める。道北の未踏1000m超峰であり積雪期に北隣
にある未踏の屋根棟山(1039m)とセットで登る計画を立てた事があったが、近そうで
遠いこの2座をセットでなくとも、登れるなら手段に拘らず、登頂に拘って函岳への
思いを馳せた。

当初の計画はこうだった。
14日、昼前に自宅を出て「道の駅なよろ」で車中泊。
15日、函岳に登って帰宅・・・という単純だった。

14日は朝から出発出来ない事情があり、どうしても昼前の出発がせいぜいだった。
それでも再度計画を練り直して見ると、14日の内に函岳に登れないか?と考える。
陽の長いこの時期なら、まだ明るい内に山頂直下まで行けるかも知れないと思った。
そして、15日は近くのピヤシリ山(987m)も登れるのではないかと調べて見た。
するとピヤシリスキー場下から山頂直下まで続く林道も解放されていて、歩く距離は
僅か2㎞ほどと分かる。ピヤシリ山は、1000mに満たない山ではあるが、北海道
百名山にも選ばれた山であり私たちも未踏だった。今冬期登るチャンスはあったが、
同行するメンバーとのスケジュール変更で私たちだけ取り止めた山でもあった。


★ ドライブ登山・・・
林道が解放される6月~10月中旬までなら27㎞に及ぶ長い林道も車で4~50分
で頂上直下まで登れる函岳。広い駐車場と大きく立派なヒュッテ、トイレも完備され
足で登ればほんの10分で山頂である。決して登山とは言えないが、この雨量レーダ
ー塔の裏にある一等三角点の函岳がここであれば、当然ながらカウントされる一座で
あるし、ピークハントと言えども登り方に拘りはない。極端な話、ヘリコプターに乗
ってピークに降りる事以外なら登頂は登頂なのである。

自宅から約280㎞。車で5時間半を要してようやく辿り着いた林道入口。
更に27㎞のダート。トータル300㎞越えのドライブだけでも充分「登ったぞぉ~」
と言える価値ある登山と位置付ける。明日登る予定のピヤシリ山も山頂直下まで林道
が続き、車はその約2㎞手前まで行けると言う。歩く距離は2㎞でもほぼ林道なので
苦労など無い。登行10分も40分も変わらぬハイキング登山が出来る北海道百名山
は他に「函館山」だけだろう。

でっかいどう北海道。
簡単に登れる百名山であれ、そこまで行くにはそれなりの準備と労力が必要であり、
ドライブ=登山と考えるのは強引だろうか(笑)



林道入口の標識 この時17:15


林道入口から約17㎞で加須美峠にある林道分岐、ここから函岳まで更に10㎞のダートが続く 17:40



函岳手前の林道から本峰を望む・・・

★ 感動の初登頂・函岳・・・
自宅を出ておよそ5時間半、丁度18時に頂上駐車場に着いた。
曇り空の合間に青空も覗かせ、全体的にはまだ明るく、視界も良好だった。
気温は13℃とちょっと肌寒く、風も多少あったのでフリースを羽織って早々ピーク
を目指した。情報通りの光景が広がり、100m程先に大きな雨量レーダー塔が建っ
ていた。暗くなる前にとにかくピークへ急ごうと足早にレーダー塔に近づき、ルート
を確認する。柵ゲートに向かって右側に踏み跡があり、柵の横を回り込むように裏側
へ進むとハイ松帯の奥に函岳の頂上標識が顔を出していた。

僅かに10分程しか歩いていないのに「ようやく着いたぁ~」と歓声を上げたくなる
心境で360度の展望が一気に広がって私たちを迎えてくれた。

まずは立派な頂上標識にタッチし、すぐ近くにある一等三角点にも手を当てて初登頂
を実感した。

北西の遥か向こうに浮かんでいるはずの「利尻山」は、残念ながら見られなかったが
来シーズンの冬期に登りたい北隣の「屋根棟山」も無雪期の姿を目に焼き付けた。
そして、遠くは大雪山系や天塩山系も望み、寒かった風もそよ風に感じて気持ち良か
った。花はまったく期待していなかったのに「チングルマ」の小さな群落が一つだけ
あったり、「ツマトリソウ」もハイ松の下に点在していて癒され安堵した。



ついに到着、函岳頂上駐車場 18:00


大きな雨量レーダー塔


レーダー塔の裏に山頂標識と一等三角点がある・・・


ハイ松帯の奥に山頂が見えて来た・・・


とにかく登頂だ! 2019.6.14 「函岳(1129m)」初登頂


一等三角点にタッチ・・・


北隣に位置する「屋根棟山(1039m)」・・・矢印の場所が頂上付近


ここにチングルマが咲いているとは思わなかった・・・


ツマトリソウ


なんかに似ていませんか? 面白いので一枚撮って見た・・


哀愁漂う後ろ姿に惚れて一枚・・・


少しずつ暗くなり始めて来た山頂をもう少し楽しむ・・・


広い駐車場と立派なヒュッテ・・・


右側がトイレ、左側がヒュッテ(テーブルとイスだけ)スペース


駐車場とレーダー塔

★ 大満足・・・
ずっと気になっていた道北の未踏「函岳」がこんな形で呆気無く登頂出来た事に何故
か大満足な私だった。それは、やはり道北という遥かなる場所で日帰りで登れる山で
はないと決め付けていただけに、日帰りでも登れるんだと実践出来た自分に一瞬酔っ
てしまったからかも知れない。

一票の重さではないが、「一座の重さ」は、必ずしも苦労を重ねて登った者だけが味
わえる一座ばかりではなく、簡単な登頂劇も登頂までのプロセスは苦労と苦悩の連続
であれば、その重さは変わらないと思った瞬間でもあった。

無事に林道を降りて、ピヤシリ山の麓にあるホテルサンピラーで汗を流し、本日の宿
泊地道の駅「なよろ」に着いたのは21時だった。

久しぶりの車中泊も広いホテルハイエースの居心地は良い。
冷えたビールで乾杯し、好きな音楽を聴きながらも23時過ぎの就寝となった。
明日は、急ぐ事もなくゆっくり起きての登行・・・

二人ともあっと言う間に爆睡だった・・・。





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