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エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

浅間山(前掛山) (2524m)

2009年09月06日 | 山紀行 (本州)
百名山・・・浅間山(前掛山) (2524m)
台風11号の影響の中でラッキーな再会山行と登頂を果たす・・・
■コース  火山館コース・浅間山荘~火山館~前掛山 往復
■メンバー CL東海林、高橋、エバ
■山行日  2009年8月30日(日)~31日(月)
■地形図  1/25000図 「浅間山」
■登山形態 一般登山道

■コースタイム  登り 4時間  下り 2時間




浅間山・火山館コースの登山口 (浅間山荘のすぐ横にある鳥居をくぐる)

再会山行が実現して・・・

 今回のリーダー東海林さん(62)と高橋さん(57)は、横浜在住の友人だが出会いのきっかけは、2001年7月9日 百名山・幌尻岳頂上付近のある出来事だった。以降エピソードは沢山あるがいつか紹介する事として、取り合えず約6年ぶりの再会と山行が実現した事を喜びたいと思う。

 兼ねてから富士山の計画を知らせていて下山後に再会の約束をしていた。二人の他に同じ横浜在住で山ではリーダー的存在の村井さん(72)も幌尻事件で出会ったグループの一人である。今回の浅間山にも同行の予定だったが体調不良で急きょ欠席となってしまった。ただ前日には再会していて横浜市内の「横浜開港150周年記念会場」を案内していただき各イベント会場を一緒に歩いた。その夜には家にも泊めて頂きお世話になりました。

八ヶ岳から浅間山に変更・・・

 当初リーダー東海林さんの計画では、八ヶ岳連峰の阿弥陀岳を予定していたらしいが、接近している台風11号の影響や山行時間などを考慮して長野県と群馬県の境に位置する浅間山に変更したという。ここはこれまで火山活動が活発で最近まで登山規制があり登れるのは浅間山西隣の「黒斑山(くろふやま)」と「蛇骨岳(じゃこつだけ)」「鋸岳(のこぎりだけ)」の三座を通るコースだけだったらしい。しかし、噴火警戒レベルが下がり本峰「浅間山」のすぐ南西に位置する「前掛山(まえかけやま)」まで登れることが分かり、台風の影響も比較的少ないと見込んで決めてくれたようである。また、下山した後に泊まる所は登山口から近い軽井沢の別荘と聞いてびっくりした。
 軽井沢の別荘は、高橋さんの旦那さんの祖父が所有していたもので少し古い建物だが広い敷地内にその構えは風情が漂っていた。高橋さんの手料理と美味しいお酒そして衆議院議員総選挙の開票速報をレトロなテレビで観ながら山と人生談義に話は尽きなかった。

横浜、朝4時出発・・・

 3:55 東海林さんが村井家の呼び鈴を鳴らす。
村井さんご夫妻にも見送られ寝静まった住宅街の村井家を後にした。その後、すぐ近くの高橋家に寄りメンバーが揃うと一路「浅間山」登山口へ向けて出発した。

 その後の経路については、土地勘がないエバにはうまく説明出来ないので割愛させて頂くが、長い高速道路をひたすら走って最後に上信越自動車・小諸ICを降りた事は覚えている。丁度日曜だったのでインターを1000円で通過出来るETCが便利だなぁ・・と実感した。(払うのは東海林さんですが・・)
 峠越えするまでは、台風の影響か雨にも当たって心配したが、山を越えて日本海側になると雨は止み東海林さんの読みがピシャリと当たった。

登山口 8時20分 到着・・


登山口に建つ温泉旅館 天狗温泉「浅間山荘」・・・下山後に汗を流したが「日本一赤い温泉」として
有名で単純鉄冷鉱泉 標高1400mを越えた場所の温泉だ。


天狗温泉 浅間山荘  http://www.tenguspa.com/

 8:30  登山開始。
浅間山荘の横に登山口があり立派な鳥居をくぐって登山路に繋がっている。
一の鳥居、不動の滝、二の鳥居と経由して少しずつ高度を上げていく。雨は上がっているがガスで視界は悪く周りの山容はまったく分からない。二の鳥居の傍に薪が積上げられそこには「一本でも構わないので火山館まで・・」という看板があったので一人二本ずつ持って運ぶことにした。
 10:15 火山館に着いてびっくり。


山奥のログハウス。 「火山館」は、植生やカモシカの調査小屋として建てられたもので避難小屋では
ないそうだ。一年中常駐している管理人も居て標高2000m付近に建っている。


「火山館」には、美味しい湧き水とバイオトイレが完備され、利用は無料。
管理棟の中は資料館のようになっていて薪ストーブが点いていた。ごく僅かだが力になったなら嬉しい限りだ。ちょっと風変わり(と言っては失礼ですが)な管理人さんとお話しているとつい時間が過ぎてしまい25分の滞在をしてしまった。

10:40 火山館出発。


標高2000mを越えて木々が低くなり西側に聳え立っているだろう見えない「黒斑山」への分岐を
越えると賽の河原に出ていよいよ山頂は近い?


11:10 賽の河原。

低くなった松も次第になくなり火山そのもの(北海道で例えると樽前山の登山道)の中に微かな踏み跡があり山頂に向かって高度を上げて行く。ガスの切れ間からは青空も顔を出し回復の兆しは濃厚だ。目の前には大きな台地状の浅間山の全形が姿を現し、振り向くと西側には切れ落ちた断崖にも関わらず青々とした黒斑山も見えてきた。カールを思わせる平で綺麗な窪みは「湯の平」と呼ばれる火口底で実に美しい山容である。黒斑山に繋がる北側はまったく逆の山容でギザギザの岩峰群が連なる「蛇骨岳」と「鋸岳」と言うらしいが同じ山でこれほど違った山容は始めてである。


賽の河原から顔を出した 西側から見た浅間山の全形・・・


振り返るとガスが消えて現われた「蛇骨岳」と「鋸岳」そしてカール状に見える火口底の湯の平だ。



前掛山 山頂稜線から観た 黒斑山と鋸岳の全容・・・


標高はすでに2400m・・地形図上のシェルター付近から前方に目指す前掛山の稜線が見えている。
切り立った岩壁の上が「前掛山」の頂上だ。





シェルター  巡礼者や登山者の避難場所として作られたもの・・・?

12:05~10
 シェルター。


間もなく 頂上だ

12:27
 浅間山 (前掛山) 2524m 頂上。


百名山にも関わらずこの頂きに立ったのは私たち3人の他 1組2名の5名だけだった・・・
(左から 高橋さん、東海林さん、エバ) すぐ後ろが本峰 浅間山だ。


正しく雲の上の天井。四方は雲海に包まれ下界を見下ろすことは出来ないが、快晴の頂上「浅間山」に立つことが出来た。半ば諦めていた再会山行だっただけに満足感と感謝の気持ちで一杯になる。それは東海林さんも高橋さんもいっしょで言葉に出ないほどである。
本峰は今に活発な火山活動で噴煙を上げている。本来のピークは標高2542mで僅か18m満たないが立ち入り規制があり仕方が無い。ただ今まではこの前掛山にも登れないほど警戒レベルが高く、西隣の黒斑山(2404m)の登頂をもって浅間山の登頂と認めていたらしく百名山を目指す多くの登山者は黒斑山=浅間山としていたらしい。
 雲海でも絶景と呼びたいほど爽やかな風と太陽に照らされて心地良い頂上を満喫した。軽く食事を取って早々の下山となった。

12:57 下山開始。


頂上付近に群落していた「ホシタデ」という花らしいが別名「名月草」とも言うらしい・・


山頂直下の稜線から雲海を見渡す・・・


下り 賽の河原から絶景の鋸岳を背に・・・


登りでは見えなかった火山館からの眺望・・・黒斑山の南尾根の頭になる岩峰が聳え立つ


火山館のすぐ下から再び黒斑の岩峰を見上げる・・ここはニホンカモシカの生息する山域なのだそうだ。

15:00 登山口到着。

大満足の再会山行に感謝感激・・・そして 軽井沢の別荘へ

長いようでも終わって見ればあっと言う間の一日だった。移動中も登山を開始してからも北海道とはまるで違う距離感と景色と歴史と山容・・・・目に写るもの見るものが新鮮で楽しかった。
下山後に浸かった天狗温泉は東海林さんとの貸切だったし、日本一赤い温泉と言うのも納得のいく赤さだった。
そして、何より軽井沢に別荘を持っていた高橋さんのセレブな生活環境にも驚かされたが・・日本本来の古風な建物とその古さは表彰ものだったので少し安心してお付合いが出来るかな?とも後で思った。
精一杯の心遣いともてなしに本当に嬉しく感謝の気持ちで一杯です。
一生の思い出として忘れることは無いでしょう。
最後に歩いた軽井沢の街並みやソフトクリームは美味しかったぁ~

本当にありがとうございました。

また 逢いましょう。