⬛️ポケットに名言を⬛️
老いた言葉は、言葉の祝祭から遠ざかってゆくが、不逞の新しい言葉には、英雄さながらのような、現実を変革する可能性がはらまれている。私は、そこに賭けるために詩人になったのである。言葉はいつまでも、一つの母国である。(中略)本当にいま必要なのは、名言などではない。むしろ、平凡な一行、一言である。だが、私は古いノートをひっぱり出して、私の「名言」を掘り起こし、ここに公表することにした。まさに、ブレヒトの「英雄論」をなぞれば「名言のない時代は不幸だが、名言を必要とする時代は、もっと不幸だ」からである。そして、今こそ、そんな時代なのである。