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世界遺産・春日山原始林、ナラ枯れの危機…奈良

2013-12-11 16:00:35 | 社会
世界遺産・春日山原始林、ナラ枯れの危機…奈良
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20131211-OYO1T00253.htm?from=newslist
2013年12月11日
読売新聞

 奈良市の東大寺や興福寺などの寺社とともに世界遺産に登録され、国の特別天然記念物でもある春日山原始林(約300ヘクタール)で今秋、広葉樹が甲虫の繁殖で枯死する「ナラ枯れ」の被害が初めて確認された。隣接する若草山で広がる被害が飛び火したとみられる。原始林を管理する奈良県は「被害が急速に拡大する恐れがある」として対策に乗り出した。

 県によると、9月、原始林の3か所で少なくとも5本のカシやシイに被害が出ていることが判明した。

 ナラ枯れは、体長5ミリほどの甲虫カシノナガキクイムシが夏場、広葉樹の幹に穴を開けて病原性のカビを持ち込むことで起こる。感染すると、幹の中の水を運ぶ導管が詰まって枯れる。

 新年の山焼きで知られる若草山では2010年度に北側斜面の3・6ヘクタールでナラ枯れを確認。被害は11年度に5・4ヘクタール、12年度には13・5ヘクタールと拡大し、南東の原始林の近くにも迫っていた。
 県や奈良市は11年以降、若草山で枯れた木約550本を伐採し、甲虫が繁殖しているとみられる約5100本の幹にビニールを巻いて封じ込めを図っている。

 今後は原始林との境界付近で重点的にビニールを巻き、甲虫が活動を活発化させる来春以降、甲虫をおびき寄せる薬剤を散布した丸太を使って駆除を実施。被害が出た原始林内の樹木は、国と協議し伐採するかどうかを決める。県奈良公園室は「古代から伝わる景観を守るため、あらゆる対策を講じたい」としている。

 林野庁によると、ナラ枯れ被害は10年度に過去最悪の30都府県、32・5万立方メートル(木材量)にのぼり、鹿児島県の世界遺産・屋久島や「五山の送り火」で知られる京都市の大文字山などにも広がった。その後の対策によって、12年度の被害発生は28府県、8・3万立方メートルに抑えられている。
春日山原始林 古くから春日大社の神山として守られ、平安時代の841年、一帯での伐採や狩猟が禁止された。豊臣秀吉が植林して保護したという記録も残る。広葉樹やシダ植物など約800種が生育。都市近郊に残る世界でも珍しい原始林で、1998年、平城宮跡や周辺の6寺社とともに世界遺産「古都奈良の文化財」に登録された。

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