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トンネル内崩落 そのとき50台が走行、惨事なぜ3台だけ、進入退避繰り返し 最後の遺体は22時間後

2012-12-04 10:31:12 | ウエーブニュース

トンネル内崩落 本格的な刑事責任追及 山梨県警、中日本高速道路を家宅捜索
2012年12月4日(火)09:25
(産経新聞)

 山梨県の中央自動車道笹子(ささご)トンネル天井板崩落事故で、県警は4日午前、業務上過失致死傷容疑で中日本高速道路(名古屋市)の八王子支社などの家宅捜索を始めた。走行中の車が3台が下敷きになって9人が死亡するなどした事故の本格的な刑事責任追及に乗り出した。

 これまでに、トンネル最上部の天井と天井板をつなぐつり金具を固定するボルトが脱落していたことが明らかになっており、県警は点検状況など安全管理態勢について捜査する。

 事故は2日朝、笹子トンネル上り線でコンクリート製の天井板が約130メートルにわたって落下し、車3台が下敷きになって9人が死亡。多くの車がトンネルに取り残されたほか、2人が負傷して病院に搬送されるなどした。

 トンネルは開通した昭和52年以降、天井部分の大規模な改修工事をしていなかった。

トンネル内崩落 そのとき50台が走行、惨事なぜ3台だけ…
  2012年12月4日(火)00:02
  (産経新聞)

 24時間に及ぶ救助作業も実らなかった。山梨県の中央自動車道笹子(ささご)トンネルで起きた天井板事故は3日、9人が遺体で見つかった。「助けられなかった」。消防隊員はうめいた。天井板約330枚(約360トン以上)ものコンクリートのがれきが突如、3台の車を襲う。当時、トンネル内には約50台の車が走行していたと推定される。なぜ3台だけが被害に遭ったのか。うち1台はあと30メートル走っていれば、惨事から逃れられていた可能性がある。奇跡的に女性1人が生還したが、何が明暗を分けたのか。

 中日本高速道路によると、行楽日和の日曜日朝だったが、渋滞はしていなかった。事故直前の2日午前7時台の1時間、現場付近の交通量は約750台。それぞれの車が規制速度70キロで走っていた場合、トンネル内を約50台の車が通過していた計算だ。一方、山梨方面には間一髪で難を逃れた約30台の車が乗り捨てられていた。

 東山梨消防本部によると、約4・7キロの笹子トンネルで、東京方面の出口まで約1・7キロの地点から約130メートルにわたって天井板が崩落した。山梨ナンバーの乗用車は崩落した天井板の出口側から約30メートル地点で、山梨県在住の70代男女と60代女性とみられる焼死体が見つかった。3人もあと30メートル先に進んでいれば、下敷きを回避できたことになる。

 3台の車は崩落した天井板に押し潰される形で見つかった。多摩ナンバーのレンタカーのワゴン車は崩落した天井板が直撃、炎上した。東京や神奈川の同年代の男女3人ずつを乗せ、帰途についていたとみられる。車は原形をとどめないほど潰れている。

 「どうやって抜け出したのか覚えていない」。6人乗りのワゴン車から生還した神奈川県三浦市の女性銀行員(28)は150センチぐらいと小柄できゃしゃだった。天井板が座席上を直撃すれば、無事では済まない。脱出する際も偶然できた隙間からはい出たとみられる。

「隙間があるようには見えなかった。あそこから抜け出せたとしたら、まさに奇跡だ」(山梨県警捜査幹部)。同県甲州市の女性教諭(50)がトンネル内で女性と遭遇したとき、髪がぬれ、はだしで靴下も破れていた。決死の覚悟で、車から脱出したのか。入院中の女性は精神的なショックが大きく、県警の事情聴取に多くを語っていない。

 最後列の3列目に乗っていたという証言がある。大音響をあげ、V字状に崩壊しつつある天井板に突っ込む形となり、最後尾の席が命をたぐり寄せた可能性もある。

 同県甲斐市の会社員、中川達也さん(50)は同県都留市まで行く途中だった。救出されたのは、半日以上たった午後10時すぎ。すでに心肺が停止していた。

 現場周辺には3日、事故で犠牲になったとみられ、身元が確認されていない遺体の家族ら約20人が訪れた。現場を見たいとの要望が寄せられたという。

トンネル内崩落 進入退避繰り返し 最後の遺体は22時間後
  2012年12月4日(火)00:00
  産経新聞

 雪が舞う中、夜を徹した懸命の救助活動も実を結ぶことはなかった。「進入退避。進入退避の繰り返し。非常にじれったい。焦燥感が募る救助現場だった」。笹子トンネルで救助活動に当たった東山梨消防本部の楠照雄消防長(60)は唇をかんだ。9人目の遺体が運び出されたのは3日午前6時20分。事故発生から22時間後だった。

 噴き上がる白煙に逆走して避難する車、逃げ惑う人々。時折、爆発音が響いた。救助隊が到着したのは経験したことがない現場だった。「想定以上。規模が甚大」(楠消防長)。トンネル内はV字状に落ちた天井板が救助隊を阻み、死者が出た3台の車両まで近づくことはできない。

 「天井板がいつ落ちてくるか分からないことが一番のネックだった」と塩山消防署の小笠原克也署長(57)。幾度も作業が中断される。救助隊が最初に目指したのは、生存していた中川達也さんのトラックだ。ハンマードリルでコンクリート板を破壊、カッターで鉄筋を切断する。この作業を繰り返し、ようやく16・8メートル先のトラックに到達する。トラックはコンクリート板3枚の下敷きになり、車体は半分ほどに押しつぶされていた。

 救助活動中も次々と遺体発見の報が入る。「救助できず、非常に心残り。助けられなかった…」。地元消防隊員はつぶやくように話した。


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