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スペインの巡礼路、大木に仏像刻む…香川の仏師

2014-02-27 16:02:10 | 社会
スペインの巡礼路、大木に仏像刻む…香川の仏師
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20140227-OYO1T00701.htm?from=newslist へのリンク
2014年2月27日
読売新聞

 キリスト教の聖地へ向かうスペインの世界遺産「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」に立つ大木に今春、四国の仏師が仏像を刻む。「生木いきき地蔵」という古来の手法だ。四国は八十八か所霊場で知られ、巡礼の長い歴史を持つ縁に導かれて実現した。

 香川県観音寺市の仏師、凡海ぼんかい(本名・荻田文昭)さん(72)。4月にスペイン北部の町、モリナセカへ渡り、約3か月かけ、巡礼道沿いのクルミの木(直径80センチ)に高さ1・2メートルの観音菩薩ぼさつ像を彫る。自生する木の幹に彫る生木地蔵は、奈良時代以降、仏教を広めるため各地につくられた。仏師ではなく、修験者ら素人が手がけたとされるが、現存するものは少ない。

 凡海さんは1971年に独学で仏像彫刻を始め、79年に生木地蔵に出会った。愛媛県四国中央市の朽ちた木に約300年前の作が残っていた。庶民に守られ、根付いてきた地蔵の姿に胸を打たれた凡海さんは、地元の人に〈二代目〉の制作を頼まれ、そばに生えていたカゴノキの幹に60センチほどのものを彫った。生木は長い時間をかけて仏像を包むように成長し、人の手では表現できない厳かさを醸し出していった。

 新たな依頼が舞い込んだのは2010年。世界の巡礼文化を発信する人口800人の町、モリナセカのアルフォンソ・アリアス・バルボア町長が、四国霊場の世界遺産登録を目指すNPOの招きで来日。凡海さんの生木地蔵を見て「私たちの町にも彫ってほしい」と希望した。

 今回、観音像を彫ることにしたのは、母性的な雰囲気が漂い、禁教下の日本で聖母マリアに重ね合わせて信仰された歴史があるため、親しまれやすいと考えたからだ。凡海さんは「木を彫ることは、自然への畏敬の念を表現すること。ヨーロッパにもモミの木に精霊の存在を感じ、クリスマスツリーを飾る伝統がある。木の命を宿した仏像も、きっと心に響くはず」と確信している。
サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路 9世紀にイエス・キリストの十二使徒の一人、聖ヤコブの墓が見つかったとされるキリスト教の聖地、サンティアゴ・デ・コンポステーラへと向かう道。フランス各地からピレネー山脈を越え、スペイン北西部へ至る。同国側だけで約800キロあり、年間10万人以上が徒歩などで終着地の大聖堂を目指す。1993年に世界遺産登録された。


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