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消費者事故調あす発足 エレベーター、食品窒息事故…再発防止

2012-09-30 10:21:17 | 社会

消費者事故調あす発足 エレベーター、食品窒息事故…再発防止  gooニュース
   2012年9月30日(日)08:05
   (産経新聞)

 「原因究明、ようやく一歩」

 消費者の身近に起きた事故の原因を調べる「消費者安全調査委員会」(消費者事故調)が10月1日、消費者庁に設置される。食品による窒息事故やエレベーター事故など、これまで調査機関を持たなかった消費者事故に対応し、刑事責任の追及とは別に、原因を究明して再発防止につなげるのが狙い。被害者や遺族らは「ようやく一歩を踏み出せる」と新機関の船出を見守っている。

 「この6年間、息子を失った悲しみ、事故原因が調査、解明されない憤りと、心に二重三重のおもりを抱えてきました」

 平成18年6月、東京都港区のマンションで発生したエレベーター事故で息子の大輔さん=当時(16)=を亡くした市川正子さん(60)は訴える。

 大輔さんはエレベーターを降りようとした際、扉が開いたまま上昇したエレベーターと建物に体を挟まれて死亡した。東京地検はエレベーターの製造元のシンドラーエレベータなど2社5人を業務上過失致死罪で在宅起訴。事故機の技術的欠陥は明らかになったが「警察の捜査は個人の責任を問うものだった。組織風土や管理体制の欠陥などを含めた真の事故原因は明らかにならなかった」と市川さんは唇をかむ。

 調査の徹底を求めたが、警察は「捜査の秘密」として詳しい情報を明らかにすることはなく、国土交通省からは「事故原因を究明するところではない」「証拠物がないからできない」と言われ、途方に暮れた。

 港区は事故後、調査委員会を設置したが、住民側がシンドラー社側に資料提出を求めた際は「損害賠償は起こさない」ことを条件とされ、権限を持たない調査の限界も立ちはだかった。

 市川さんは仲間とともに、消費者事故に対応する第三者の機関設置を求める活動を開始。消費者庁は事故調の在り方を考える検討会を立ち上げ、今年8月、事故調の新設を含む改正消費者安全法が成立した。

 これまで常設の調査機関としては、航空、鉄道、船舶の事故を調べる国交省の運輸安全委員会があったが、新設される消費者事故調はこれらを除く全分野が調査対象となる。被害者や遺族の申告も受け付け、過去に起きた消費者事故も対象となるとしている。

 「私たちの願いは、何が真の事故原因なのか事故の背景要因まで解明、公表して事故の教訓を安全に生かしてもらうこと。それが、理不尽に命を奪われた息子の生きる道だと感じます」

 市川さんは、そう話している。

 調査対象となる主な消費者事故

 エレベーター事故、プール事故、公園遊具による事故、誤飲窒息、健康食品中毒、医療・介護施設での事故、エステトラブルなど

 【用語解説】消費者安全調査委員会

 首相が任命する委員7人で構成。専門家らでつくる「事故調査部会」の調査報告に基づいて事故原因を特定、関係省庁に意見を述べ、首相に措置を求めて勧告できる。事故現場の立ち入りなどを通じて証拠を集め、関係者に事情聴取や資料提出を求めることもできる。調査を拒めば、罰則が科されることもある。被害者や遺族が事故を調査してほしいと申し立てられる仕組みも整えた。事務局機能は、消費者庁消費者安全課に設置される「事故調査室」が担う。


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