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SHOOTING SPORTS

試合のレポート、練習での指導内容など、思ったことを書いています!

勝ち運

2016-07-06 22:42:01 | UKA14

6月16日から19日までの4日間、能勢射撃場で開催された西日本学生ライフル射撃選手権大会において、3年生のUKが女子3種目を制覇し三冠を達成した。




彼女との出会いは、高校2年生の夏。インターハイ最終日のファイナルだった。来年の受験者を獲得するため、広島に入っていたが、お目当ては3年のYSだった。


ARのファイナルの結果は、団体での悔しさをバネに、個人優勝したYSが、ピストルだけでなくライフルでも非凡な才能を持っていることを実証した形で幕を下ろした。


そんな中、同じ高校の1年後輩で、3位入賞した選手がいた。それがUKだった。


小柄な体格に似合わない、大きく構える姿勢と、淡々と撃つ射撃スタイルは、決して目立った存在ではなかった。

その後、高校選抜で5位に入賞、日韓大会に出場するも、その後大きな大会で、入賞から遠ざかってしまう。


私の中では、是非うちに来てもらいたいという思いが有った。ただそれは彼女自身がそれを望まなければ実現することはない。

大学に来てくれていた、高校の先輩からそれとなく話をしてもらっていたが、後は待つしかなかった。



夏が過ぎようかという時に、顧問の先生から連絡が入った。

「 本人が受験したいと言っています。」

私としては、待ちに待った連絡だったので、もちろんNOは無かった。

そして、本人に大学に来てもらって、初めて話をした。

「うん。大丈夫だ。」

私は確信した。

そこから、受験までの懸命の勉強が始まった。私の中で不思議と焦りは無かった。

そして、無事合格。狭き門であったが、彼女なら大丈夫だと思った感触は、間違いではなかった。
 


 


入学し、1年生から活躍を続ける。出る試合出る試合ファイナルに出場し、入賞をしていく。

それは、ローカルでもメジャー(全日本クラス)でも変わりなかった。

1年生の彼女の活躍があったからこそ、その年の全日本女子学生選手権の総合団体優勝に結びついたと思っている。

それだけ安定して結果を出し続けてくれた。



しかし、個人での優勝は無かった。
日本学生選抜では準優勝、 インカレは6位、JOCカップは3位、全日本選手権は7位。
関西の学生の大会でも準優勝止まりだった。

そんな彼女に私が掛けた言葉は、「シルバーコレクター」

非常に残酷な言い方だが、何とか優勝を勝ち取って欲しいという思いからだった。

しかし、過去に「シルバーコレクター」よりももっと残酷な「ブロンズコレクター」というニックネームをつけた選手がいた。


それは、UKの3年上の高校、大学の先輩であるAMだった。


AMは高校2年で国体優勝してから、数々の大会に出場し、入賞を果たす、しかしUK同様に優勝からは遠ざかっていた。

高3のインターハイ3位、大学1年のインカレ3位、全日本選抜4位。まさしくブロンズコレクターだった。


UKの実績は、AMと比較しても遜色ない。しかしAMとUKは体系も性格も違う。射撃のスタイルも異なっている。
UKはAMのように注目されることがほとんどなかった。


AMは3年生でその才能を開花させた。

日本学生選抜で3姿勢優勝。東京国体の3姿勢で優勝。インカレの伏射で優勝、3姿勢で準優勝。

この年、MPA指定され、ユニバーシアードにも出場している。
その後彼女は、ナショナルチームに入り、ワールドカップにも出場する選手と成長した。

持ち前の明るさと、人を惹きつける魅力、そして何よりも感謝する心を持ち、多くの仲間からのサポートを受けられる人間力を持っていることが、彼女が強くなれた要因ではなかっただろうか。



今年、UKは3年生となった。

そして、西日本学生に続いて、7月に行われた、日本学生選抜の3姿勢で初優勝を飾った。

AMと同じ道を歩もうとしている。


今のUKには、本来の実力に、「勝ち運」が宿っている。


「勝ち運」とは、他力本願な意味ではない。

「棚から牡丹餅」は、落ちてくる棚を探さない者には、絶対得られない。

日々の努力によって、落ちてくる棚を探し当てられた者だけが得られる「ご褒美」だから。


また、ただ努力するだけでも必ず得られるとは限らない。でも必ず落ちてくると信じて努力し続けることによって、引き寄せることはできると思う。
やみくもに努力をするのではなく、目標を立て、その目標に向かって、何をやるかを行動に落とし込み、そしてそれをやり切ることが、真の努力である。


もう、「シルバーコレクター」とは呼ばせない。強くなった彼女は、今年大きな飛躍を遂げることを確信している。

まだまだ世界との差がある。国内でもトップ選手をもっと脅かす選手になってもらいたい。そして超えて欲しい。

射手として、射撃の技術だけではなく、更に人間力を磨くことによって、多くのチャンスが得られるだろう。


彼女と初めて話をした時に感じた「大丈夫だ」という根拠は、「努力するという才能を持っている」というものだった。

UKが努力し続ける限り、無限の可能性が広がっている。そう信じて疑わない。 

 


UKA14 NT選考会(ライフル)

2015-02-28 22:13:20 | UKA14

先週末のNT選考会に出場しました、UKA14から報告がありましたので、コメントいたします。



(以下本人コメント)

 今回のNT選考会の結果報告をさせて頂きます。

一日目
102.7 101.6 102.1 103.8  410.2  (×27)

二日目
102.6 102.1 102.3 103.1  410.1  (×27)

前日練習を含め、トップレベルの選手と試合をしたり、姿勢を見ることで多くのことが学びとれました。
自分としては、二日ともにいつも通りの感覚で撃ちきることができました。
また、OFF期間から重点的に取り組んできた据銃練習とトリガリングに関しても最近の練習通りに、以前より良い感覚で撃つことができました。
二日間点数を安定してだせたことはとても自信につながりました。
全日へも体力・疲労を回復し、自信を持って試合に挑めるように調整したいと思います。
また、今回の試合での反省をしっかりして春の練習に取り組みたいと思います。


(以下管理人コメント)

NT選考会お疲れ様でした。

昨年1年間の安定した射撃は、ともすれば伸び悩みと受け取られかねませんが、決してそうではありません。

ここまでのレベルになれば、1点、2点上げるために、何かを変えてすぐに実現するというものではなく、日々の練習に目的を持ち、こつこつと積上げた結果が1点の上乗せにつながります。

地道に努力してきたからこそ、今回の410点2回という結果につながったと思います。

2/27に、2015年度のMPA基準が発表されました。

MPA選手等指定基準要綱
 http://www.riflesports.jp/member/for_member/doc/2015/info_0227_1.pdf

基準点
 http://www.riflesports.jp/member/for_member/doc/2015/info_0227_2.pdf

昨年までの19歳であれば、基準点が410点ですので、MPA入りできましたが、今年からは20歳の基準である412点以上をランキングの平均点で撃たねばなりません。

ここからの2点は、今まで通りのやり方の積み重ねだけでは非常に道のりは遠いですから、新たな取り組みをプラスしましょう。

先週に行った、目標設定から行動計画までの落とし込みを徹底的に行い、日々の練習で確実にステップアップできるように、していきましょう。


今回、トップレベルの選手の姿勢を見ることができたことは、良い刺激になったと思います。

次は、勇気を振り絞って、話しかけてみましょう。会話をすることで、より深く理解することが出来ますし、選手の考え方などはきっと参考になりますから。 


140413 UK14 立射姿勢

2014-04-14 19:15:22 | UKA14

大学の練習での、UKの立射についてコメントします。





ちゃんとした練習を見るのは始めてでした。

印象としては小柄ではあるが、大きな射撃をするな。というものでした。

通常であれば、長いストックを扱いきれないことも多いのですが、スムーズな姿勢が取れていると思います。

左足荷重になりすぎるところは注意が必要ですが、現状はうまくできていると思いました。

唯一気になったのが、照準時間です。

10点は多く取れているのに、センターが少ないのは、狙いこみすぎか、目の消耗から来ていると思われたので、
先日ファーニックコーチに教えを受けた、短い照準方法を実践してみようと伝え、やってもらいました。

呼吸法と照準の組み合わせて、6秒以内に撃発できるよう、目を下げたり上げたりをやってもらいました。

まだ慣れないですが、できると思いますので、やってみましょう。

今年から小数点勝負になります。ファイナル進出するためにも、ファイナルで勝ち残る為にも、より深く10点を取らなければなりません。

10点を撃つ技術は持っているので、ひとつひとつクリアしていきましょう。 


140309_全日本選手権 in 石巻 10mS40W UK14

2014-03-10 23:37:48 | UKA14

全日本選手権に出場した、4月に入学するUKからの報告です。



(以下本人メール文)

 本選で自分の今持っている力をだしきれ、MM先輩など強い選手とファイナルに残れたことは自分の自信に繋がりました。
ファイナルでは、自分の思うように撃てず悔しい結果になりました。
自分の持っている力をファイナルでもだせるようにこれからの練習に励みます。

今回の反省をきっちりして、次からの練習、試合に繋げていけるよう頑張ります。



(以下管理人コメント)

全日お疲れ様でした。7位入賞おめでとう。

誰が勝ってもおかしくない強豪ひしめく女子のARでファイナルに残ったことは自信を持ってください。

同期の中でTOPになったことも、この冬の練習の成果です。

ファイナルについては、経験の差が出ますので、結果は真摯に受け止めましょう。そしてこの経験が必ず生かされることを信じましょう。

今年は小数点表示になります。より深い10点が要求されますので、点数だけではなく、具体的にパフォーマンスがどうだったのかを
書き出してください。

「思うように撃てなかった」とは、どういうことなのか?

「持っている力をファイナルでも出せる」とは具体的にどうすることなのか?

抽象的な表現は実際の行動には結びつきにくいものです。とにかく自分がはっきりとイメージできるまで具体的な行動に落とし込んでください。

上達の秘訣は「成功体験の蓄積」です。悪かったことを反省ばかりしていても、決して上達はしません。

反省から課題を設定し、それを次の練習・試合で克服し、小さな成功を何度も繰り返すことで、確実に上達していきます。

漫然と射座に入ることなく、毎回テーマを決めてください。

あせらず、しっかり地に足をつけて頑張りましょう。