「博士の愛した数式」

2006年01月21日 21時37分39秒 | 巻十六 読書感想
博士の愛した数式

新潮社

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話題作、を今さら読む。
読書は嫌いじゃないが、
小説というジャンルを読むのは年に1回あるかないか。
文庫本1冊を数時間で一気に読んでしまうのもかなり珍しい。
でも、それだけの価値はあった。

―――――――――――キリトリ――――――――――――――

連日受験絡みの話になってしまうのはただの偶然だが、
「社会人」になってからも時折、
「受験数学」がなぜか恋しくなることがある。
会議中に、2次方程式の解の公式を思い出そうと苦しんだり。
結局は「受験数学」。今覚えている内容は皆無に等しい。
でも、解いてみたい、とたまに思う。

―――――――――――キリトリ――――――――――――――

この本を手に取ったのは、そんな数学への郷愁もあるけど、
以前作者と一青窈さんが「ダヴィンチ」で対談していたため、
いつかは読みたい、と思っていた。

というわけで、読後の印象。
音の残り香は、ラジオの野球実況中継。
味は…メロンとケーキ。
触覚は、開いた窓から入ってくる雷雨のしぶき。
匂いは、古本屋のにおい。
色のイメージは、なぜだかセピア色、もしくはくすんだモノクロ。
五感にはこのように記憶された。

淡々とした語り口に
阪神とか母子家庭とかのテーマが織り交ざり
もちろん要所要所で語られる、「博士の数式」。
何度か涙ぐんでしまったことをここで告白。

自分の職員番号が
一瞬期待させて、実は素数ではなかったことに、
少し落胆した。

―――――――――――キリトリ――――――――――――――

映画化された。
劇場になるかDVDになるかわからないが、
いつか観てみたい。

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