
ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」 ラファエル=クーベリック指揮 バイエルン放送交響楽団ソニーミュージックエンタテインメント詳細 |
好きになった理由。
だいたい、第一印象があまりよくない方が
のちのち、しみじみ、「よさ」を思い知らされることは多い。
ブルックナーは、そんな人なのかもしれない。
好きになった理由。
それがうまく言葉で説明できれば、と思う。
語るべき語彙を持たぬ自分。
だから、自分は何も伝えられないままなのかも知れない。
ショスタコーヴィチのように打楽器大活躍なわけでもない。
マーラーのように、主観と激情をぶつけてきて、
それに対し自分も自分の感情を立ち向かわせる、
そんな交錯があるわけでもない。
なのになぜブルックナーなのか?
彼の全交響曲を聴いたわけではない自分が語るのはおこがましい。
2番まではいまだに聴いたことがないのが自慢だ。
そこにあるのは宇宙?
あるいはドイツ中世の森の風景?
そびえ立つ大自然の弧峰?
そのどれでもであり、
どれでもない気もする。
だから、好きになるのに好きになる理由なんてないのだ。ということでよろしい?
一つだけ言い切れることは、
ブルックナーはもうこの世に居ないけど、
その残した音楽は
決して自分を裏切らないし、
突然自分から離れて逝ったりしないし、
追いかけたら逃げ出すとかいう戯れをしたりしないし、
いつでも会いたいときにそばにいてくれる優しき音楽だ、という
…これも自分の勝手な思い込み。
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交響曲第4番「ロマンティック」。
ブルックナーの交響曲のうち、
もっともポピュラーと言える存在なのかもしれない。
でも、7番でブルックナーを知った自分にとっては、
到底あの第2楽章の「超宇宙的」音響に及びもつかないものとして
この4番に物足りなさとかを感じていた。
決して、カール=ベームのせいだけではないとも思う。
そして、次にクーベリックの演奏を聴いた。
聴き比べで演奏の優劣をつけるなんて
自分にはまだまだできる話ではない。
でも、自分が好きなシーンの一つである、
第4楽章13分5秒付近(クーベリック盤で)。
うまく説明はつかないけれども、
そこで、ああ、これだな、と思った気がする。
あとは、うーん…
第1楽章の10分46秒付近。
どうしてそんな強烈なクレッシェンドがそこにあるの?
これが普通なの?譜面の指示なの?
2種類しか聴いたことのない自分には
何もいえない。
…ヨッフムの全集買ってくっかな。やっぱり。
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好きになった理由。
それがわかれば…
たとえわかっても、好きなこの状態に変わりはないか。
だから自分はこの耳を信じる。
この眼を信じる。
このどうしようもなく自分勝手な感性を、信じる。
ブルックナー過去記事
《ブルックナー 交響曲第7番より(ピアノ版)》
《ブルックナー「交響曲第5番」》
《ブルックナー「交響曲第4番 ロマンティック」》
《ブルックナー「交響曲第6番」》
《ブルックナー5番を、「観る」。》
《クナッパーツブッシュの5番「改竄版?改訂版?」》
《ブルックナー「交響曲第7番ホ長調 『鐘』」》
《ブルックナー「交響曲第9番ニ短調」》
クーベリック関連
《ドヴォルザーク「交響曲第8番ト長調」 》
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