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今だから想う。好きになった理由。

2006年03月28日 23時30分00秒 | 巻七 ブルックナーが私に語ること
ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」

ラファエル=クーベリック指揮
バイエルン放送交響楽団
ソニーミュージックエンタテインメント

詳細


好きになった理由。
だいたい、第一印象があまりよくない方が
のちのち、しみじみ、「よさ」を思い知らされることは多い。

ブルックナーは、そんな人なのかもしれない。

好きになった理由。
それがうまく言葉で説明できれば、と思う。
語るべき語彙を持たぬ自分。
だから、自分は何も伝えられないままなのかも知れない。

ショスタコーヴィチのように打楽器大活躍なわけでもない。
マーラーのように、主観と激情をぶつけてきて、
それに対し自分も自分の感情を立ち向かわせる、
そんな交錯があるわけでもない。
なのになぜブルックナーなのか?
彼の全交響曲を聴いたわけではない自分が語るのはおこがましい。
2番まではいまだに聴いたことがないのが自慢だ。

そこにあるのは宇宙?
あるいはドイツ中世の森の風景?
そびえ立つ大自然の弧峰?
そのどれでもであり、
どれでもない気もする。

だから、好きになるのに好きになる理由なんてないのだ。ということでよろしい?
一つだけ言い切れることは、
ブルックナーはもうこの世に居ないけど、
その残した音楽は
決して自分を裏切らないし、
突然自分から離れて逝ったりしないし、
追いかけたら逃げ出すとかいう戯れをしたりしないし、
いつでも会いたいときにそばにいてくれる優しき音楽だ
、という
…これも自分の勝手な思い込み。

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交響曲第4番「ロマンティック」。
ブルックナーの交響曲のうち、
もっともポピュラーと言える存在なのかもしれない。
でも、7番でブルックナーを知った自分にとっては、
到底あの第2楽章の「超宇宙的」音響に及びもつかないものとして
この4番に物足りなさとかを感じていた。
決して、カール=ベームのせいだけではないとも思う。

そして、次にクーベリックの演奏を聴いた。
聴き比べで演奏の優劣をつけるなんて
自分にはまだまだできる話ではない。

でも、自分が好きなシーンの一つである、
第4楽章13分5秒付近(クーベリック盤で)。
うまく説明はつかないけれども、
そこで、ああ、これだな、と思った気がする。

あとは、うーん…
第1楽章の10分46秒付近。
どうしてそんな強烈なクレッシェンドがそこにあるの?
これが普通なの?譜面の指示なの?
2種類しか聴いたことのない自分には
何もいえない。
…ヨッフムの全集買ってくっかな。やっぱり。

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好きになった理由。
それがわかれば…
たとえわかっても、好きなこの状態に変わりはないか。
だから自分はこの耳を信じる。
この眼を信じる。
このどうしようもなく自分勝手な感性を、信じる。

ブルックナー過去記事
《ブルックナー 交響曲第7番より(ピアノ版)》
《ブルックナー「交響曲第5番」》
《ブルックナー「交響曲第4番 ロマンティック」》
《ブルックナー「交響曲第6番」》
《ブルックナー5番を、「観る」。》
《クナッパーツブッシュの5番「改竄版?改訂版?」》
《ブルックナー「交響曲第7番ホ長調 『鐘』」》
《ブルックナー「交響曲第9番ニ短調」》
クーベリック関連
《ドヴォルザーク「交響曲第8番ト長調」 》

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