本澤二郎氏の評論を読み、感じたことを「私見」としてまとめた。
櫻井智志
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2015年10月22日
島国・日英の大外交の落差<本澤二郎の「日本の風景」(2151)
<戦前回帰の日本政府>
安倍内閣が誕生すると、がぜん、極右外交に舵を切った。中国敵視による改憲軍拡路線である。それが戦後70年の節目に火を噴いた。ようやく「世界が日本を評価してくれている」とはしゃぐ日本国首相である。戦前回帰の日本外交に隣国は警戒と不信を募っている。国際社会も懸念を抱いている。他方、同じ島国の英国は、世界NO1の市場である中国と黄金の時代構築に専念している。この大きな落差をどう見るか。
<靖国参拝・戦争法に踊る極右>
かつて日本の天皇制国家主義を煽り立てて日清戦争を起こした?大英帝国のロンドンは、戦後金融国家として変身、覇権主義の片りんを見せることはない。ワシントンに振り回されることはあっても、失敗を反省して正常軌道に乗せているロンドンである。
日本は戦後70年、米帝国をまねて日本版NSCを創設、そこから矢継ぎ早に発信される極右外交によって、戦争の出来る日本改造に余念がない。
戦争神社である靖国神社参拝に狂奔するアンベイ内閣が、轟音を立てて疾走している。極右の危険なダンスに、従来は平和主義で一部国民の支持を得ていた公明党創価学会が、率先して加わり、とうとう自衛隊の海外派兵を容認する戦争法を実現して、内外に衝撃を与えている。
<ロンドンは中国と黄金の時代へ>
イギリスは、日本とは逆の大外交を展開している。北京がアジアインフラ投資銀行を立ち上げると、ロンドンの金融街は真っ先に手を挙げるよう英政府を突き上げた。
いま中英両国とも「黄金の時代」を合唱している。共に賢い外交を展開している、それを戦後70年の節目に合わせている。
思えば70年前、英軍は中国の抗日戦争を戦っている。アメリカも、である。その感謝を込めた先のワシントン・ニューヨークへの主席の訪問だった。ワシントンとの軋轢を回避した北京は、その足でロンドンに立っている。これもまた北京の大外交を印象付けている。
<英王室の華麗な歓迎>
アンベイのニューヨーク訪問を、国連事務総長は相手にしなかった。世界運命共同体を訴える中国主席に歩調を合わせた。戦後体制崩壊を狙う東京に対して、米大統領オバマも顔を背けた。
彼は戦争法を武器に今日から北京の北方諸国を回って、封じ込め作戦に余念がない。狂ってしまっているのである。
それにしても英王室の習近平歓迎は、この国のすべての力を振り絞ったものであることが、映像で伝えられてきている。昨日は、重陽節である。敬老の日である。
家族団らん、ロンドンの華麗な歓迎式典に酔いしれた人民である。
おとぎ話が、目の前に現れたような錯覚にとらわれる。黄金の馬車に乗る習近平主席とエリザベス女王である。ワシントンでは許されなかった議会演説が、ここロンドンでは容易に実現した。
最高の歓迎ぶりを淡々とこなす習近平である。戦後70年に手にした世界第2位の大国である。世界経済をけん引する中国である。
<実利・合理主義のロンドン>
世界最大の消費市場の中国にいち早く目を付けたロンドンの金融街である。負けじとベルリン・パリも追随している。中国の存在なくして、今の欧州は存在しないかのようである。
テロの生産国・アメリカに欧州は、シリア難民で悪戦苦闘している。責任を取らないワシントン、反省しないワシントンに距離を置く欧州である。孤立するワシントンにキスする相手は、日本の極右政権だけである。
ロンドンは、1億人を超えた中国の中産階級の旅人に感謝している。元の強さを知悉している。実利に目のないロンドンである。西洋の合理主義である。そこに宝の山がある。そこへ行けばいい。小学生でもわかる。
領土問題を提起して軍事的威嚇する日米外交は、ロンドンの大外交には存在しない。高齢の女王が率先して中国の客人を必死で接待する姿に、中英両国民は頭を垂れている今である。
<愚かな財閥・日本会議・創価学会>
ロンドンと北京の華麗なダンスを見ていると、日本のそれが悲しい。情けなくなる。沈没する日本を見る日本国民も悲劇である。
財政破綻目前である。それでも軍拡予算に余念がない財閥・日本会議・創価学会の愚かさには、もはや発する言葉もない。
2015年10月22日記(武漢大学客員教授・日本記者クラブ会員)
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私見
中国敵視による極右外交路線にかじをきった安倍晋三に、すりよる左翼知識人がいる。平和市民運動「(略称)市民の風」の元代表だった河内謙策弁護士である。「市民の風」は地道で堅実で素晴らしい市民団体である。その元トップが、中国はすぐにも侵略戦争を開始するから中国非難の署名が千人を越えたと喜んでいる。「風」の内部には、ほんとうに福島原発に真剣に取り組む勇気ある知識人田島直樹さんが河内氏の投稿の問題点を毎回指摘している。しかし、深い配慮がたぶんあるのだろうが、会の代表者は黙視して通している。いずれ、「市民の風」が自身で方向性を決めるであろう。
中国は知識人のユートピアではなくなった。社会主義でもない。それでも世界の首脳は、外交手腕で「じょうずに交際する」選択をおこなっている。
創価学会は、いままで「平和の党」「福祉の党」と公明党を世間に想わせてきた。しかし、もはや本澤二郎氏が財閥や日本会議と同列に並べているように、すでに正体はばれている。自らの権益と創価学会の利益となることなら、自ら飾り立てた宗教的幻想を自らやぶって、国民のもとに正体を晒している。内部で公明党批判の学会員の造反をさせているが、私は官邸前12万人集会で、はっきり田舎芝居と直観した。下手なパフォーマンスはもう賞味期限切れである。
櫻井智志
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2015年10月22日
島国・日英の大外交の落差<本澤二郎の「日本の風景」(2151)
<戦前回帰の日本政府>
安倍内閣が誕生すると、がぜん、極右外交に舵を切った。中国敵視による改憲軍拡路線である。それが戦後70年の節目に火を噴いた。ようやく「世界が日本を評価してくれている」とはしゃぐ日本国首相である。戦前回帰の日本外交に隣国は警戒と不信を募っている。国際社会も懸念を抱いている。他方、同じ島国の英国は、世界NO1の市場である中国と黄金の時代構築に専念している。この大きな落差をどう見るか。
<靖国参拝・戦争法に踊る極右>
かつて日本の天皇制国家主義を煽り立てて日清戦争を起こした?大英帝国のロンドンは、戦後金融国家として変身、覇権主義の片りんを見せることはない。ワシントンに振り回されることはあっても、失敗を反省して正常軌道に乗せているロンドンである。
日本は戦後70年、米帝国をまねて日本版NSCを創設、そこから矢継ぎ早に発信される極右外交によって、戦争の出来る日本改造に余念がない。
戦争神社である靖国神社参拝に狂奔するアンベイ内閣が、轟音を立てて疾走している。極右の危険なダンスに、従来は平和主義で一部国民の支持を得ていた公明党創価学会が、率先して加わり、とうとう自衛隊の海外派兵を容認する戦争法を実現して、内外に衝撃を与えている。
<ロンドンは中国と黄金の時代へ>
イギリスは、日本とは逆の大外交を展開している。北京がアジアインフラ投資銀行を立ち上げると、ロンドンの金融街は真っ先に手を挙げるよう英政府を突き上げた。
いま中英両国とも「黄金の時代」を合唱している。共に賢い外交を展開している、それを戦後70年の節目に合わせている。
思えば70年前、英軍は中国の抗日戦争を戦っている。アメリカも、である。その感謝を込めた先のワシントン・ニューヨークへの主席の訪問だった。ワシントンとの軋轢を回避した北京は、その足でロンドンに立っている。これもまた北京の大外交を印象付けている。
<英王室の華麗な歓迎>
アンベイのニューヨーク訪問を、国連事務総長は相手にしなかった。世界運命共同体を訴える中国主席に歩調を合わせた。戦後体制崩壊を狙う東京に対して、米大統領オバマも顔を背けた。
彼は戦争法を武器に今日から北京の北方諸国を回って、封じ込め作戦に余念がない。狂ってしまっているのである。
それにしても英王室の習近平歓迎は、この国のすべての力を振り絞ったものであることが、映像で伝えられてきている。昨日は、重陽節である。敬老の日である。
家族団らん、ロンドンの華麗な歓迎式典に酔いしれた人民である。
おとぎ話が、目の前に現れたような錯覚にとらわれる。黄金の馬車に乗る習近平主席とエリザベス女王である。ワシントンでは許されなかった議会演説が、ここロンドンでは容易に実現した。
最高の歓迎ぶりを淡々とこなす習近平である。戦後70年に手にした世界第2位の大国である。世界経済をけん引する中国である。
<実利・合理主義のロンドン>
世界最大の消費市場の中国にいち早く目を付けたロンドンの金融街である。負けじとベルリン・パリも追随している。中国の存在なくして、今の欧州は存在しないかのようである。
テロの生産国・アメリカに欧州は、シリア難民で悪戦苦闘している。責任を取らないワシントン、反省しないワシントンに距離を置く欧州である。孤立するワシントンにキスする相手は、日本の極右政権だけである。
ロンドンは、1億人を超えた中国の中産階級の旅人に感謝している。元の強さを知悉している。実利に目のないロンドンである。西洋の合理主義である。そこに宝の山がある。そこへ行けばいい。小学生でもわかる。
領土問題を提起して軍事的威嚇する日米外交は、ロンドンの大外交には存在しない。高齢の女王が率先して中国の客人を必死で接待する姿に、中英両国民は頭を垂れている今である。
<愚かな財閥・日本会議・創価学会>
ロンドンと北京の華麗なダンスを見ていると、日本のそれが悲しい。情けなくなる。沈没する日本を見る日本国民も悲劇である。
財政破綻目前である。それでも軍拡予算に余念がない財閥・日本会議・創価学会の愚かさには、もはや発する言葉もない。
2015年10月22日記(武漢大学客員教授・日本記者クラブ会員)
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私見
中国敵視による極右外交路線にかじをきった安倍晋三に、すりよる左翼知識人がいる。平和市民運動「(略称)市民の風」の元代表だった河内謙策弁護士である。「市民の風」は地道で堅実で素晴らしい市民団体である。その元トップが、中国はすぐにも侵略戦争を開始するから中国非難の署名が千人を越えたと喜んでいる。「風」の内部には、ほんとうに福島原発に真剣に取り組む勇気ある知識人田島直樹さんが河内氏の投稿の問題点を毎回指摘している。しかし、深い配慮がたぶんあるのだろうが、会の代表者は黙視して通している。いずれ、「市民の風」が自身で方向性を決めるであろう。
中国は知識人のユートピアではなくなった。社会主義でもない。それでも世界の首脳は、外交手腕で「じょうずに交際する」選択をおこなっている。
創価学会は、いままで「平和の党」「福祉の党」と公明党を世間に想わせてきた。しかし、もはや本澤二郎氏が財閥や日本会議と同列に並べているように、すでに正体はばれている。自らの権益と創価学会の利益となることなら、自ら飾り立てた宗教的幻想を自らやぶって、国民のもとに正体を晒している。内部で公明党批判の学会員の造反をさせているが、私は官邸前12万人集会で、はっきり田舎芝居と直観した。下手なパフォーマンスはもう賞味期限切れである。