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本はスベテをカタル

何気なく手にとった本を読んで、人生についてほんの少しだけ考えてみる。

東野圭吾/さまよう刃

2008-06-15 23:07:49 | 東野圭吾

東野圭吾/さまよう刃 (角川書店)
おすすめ度:★★★☆☆

長峰重樹の娘、絵摩の死体が荒川の下流で発見される。犯人を告げる一本の密告電話が長峰の元に入った。それを聞いた長峰は半信半疑のまま、娘の復讐に動き出す――。遺族の復讐と少年犯罪をテーマにした問題作。


東野圭吾/手紙

2007-07-17 00:00:02 | 東野圭吾

東野圭吾/手紙 (文藝春秋)
おすすめ度:★★★★☆

強盗殺人の罪で服役中の兄、剛志。弟・直貴のもとには、獄中から月に一度、手紙が届く…。しかし、進学、恋愛、就職と、直貴が幸せをつかもうとするたびに、「強盗殺人犯の弟」という運命が立ちはだかる苛酷な現実。人の絆とは何か。いつか罪は償えるのだろうか。犯罪加害者の家族を真正面から描き切り、感動を呼んだ不朽の名作。

これは殺人犯の家族のお話しです。
この手の小説はけっこう出てると思うけど、相も変わらず難しいテーマです。

殺人犯の弟の直喜は事あるごとに差別を受けます。
ほんと他人事で言うと「弟は関係ないじゃん」ってことなんだけど、
これはそれほど単純で簡単なことではないんだよね。

「差別はね、当然なんだよ」って社長の平野は言うんだけど、
ほんとそうなんだろうなって思うんだよ。実際ね。

もし俺の周りに殺人犯の家族がいたら、
「関係ないじゃん」って言ってあげたいけど、多分、言えないと思う。
普通に接しなきゃって、いくら思っていても、やっぱり出来ないと思うんだよ。
みんなそうなんじゃないのかな。
でも、誰も責めることなんてできないんだよ。
だって、その差別には悪意がないんだから。

罪を犯した人は罪を償えば済むっていう問題じゃない。
身内がどれだけの苦しみを背負わなければいけないかっていうこと。
それがものすごい伝わる作品でした。

さてさて、映画ももちろん見ました。
小説ではミュージシャンを目指してたんだけど、映画では芸人を目指してる。
芸人にして正解だって思ったね。最後にね。。。

東野圭吾/殺人の門

2006-07-16 01:37:53 | 東野圭吾

東野圭吾/殺人の門 (角川文庫)
おすすめ度:★★★★☆

「倉持修を殺そう」と思ったのはいつからだろう。悪魔の如きあの男のせいで、私の人生はいつも狂わされてきた。そして数多くの人間が不幸になった。あいつだけは生かしておいてはならない。でも、私には殺すことができないのだ。殺人者になるために、私に欠けているものはいったい何なのだろうか?人が人を殺すという行為は如何なることか。直木賞作家が描く、「憎悪」と「殺意」の一大叙事詩。


私には殺すことができない。
殺人者になるために、私には一体何が欠けているのだろうか…。

これがこの物語のテーマです。
それをわかってしまったら、それはそれでマズイ気もしますが。。。

事あるごとに田島の前に現れ、人生をめちゃめちゃにする倉持。
読んでる方としては、「田島よ、いい加減に気付け!!」とツッコミを入れつつ、
でも、先が気になって、どんどん読んでしまいます。

さて、田島は「殺人の門」をくぐることができるのでしょうか?

東野圭吾ファンもそうでない人も、
期待は裏切らないから、安心して読んでください。

東野圭吾/パラレルワールド・ラブストーリー

2005-10-27 00:13:20 | 東野圭吾

東野圭吾/パラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫)
おすすめ度:★★★☆☆

親友の恋人を手に入れるために、俺はいったい何をしたのだろうか。
「本当の過去」を取り戻すため、「記憶」と「真実」のはざまを辿る敦賀崇史。
錯綜する世界の向こうに潜む闇、一つの疑問が、さらなる謎を生む。
精緻な伏線、意表をつく展開、ついに解き明かされる驚愕の真実とは!?

主人公・崇史の恋人は親友のかつての恋人だった。
ある日、親友は恋人ができたと、彼女を崇史に紹介した。
その彼女は、以前に崇史が一目惚れした女性だった・・・。

なんだか、よくありがちな三角関係のお話しっぽいですが、
忘れてはいけないのは、この小説の作家は東野圭吾であるっていうことです。
ということで、もちろんミステリーです。

なぜ、俺は親友の恋人と付き合っているのだろうか?
親友の恋人を手に入れるために、俺はいったい何をしたのだろうか?
俺の「記憶」は真実なのか?嘘なのか?
記憶と現実が交錯する中、彼が辿りついた真実とは・・・。

話しの内容は、テンポもいいし、読みやすいです。
それでいて、話しの続きがかなり気になってしまうので、
一気に読み進めてしまいますね。

なので、寝る前にちょっと読もうかなっていうのはオススメできません!!
時間のあるときに、一気に読んでしまいましょう!!

東野圭吾/天空の蜂

2005-10-20 23:19:12 | 東野圭吾

東野圭吾/天空の蜂 (講談社文庫)
おすすめ度:★★★★☆

奪取された超大型特殊ヘリコプターには爆薬が満載されていた。
無人操縦でホバリングしているのは、稼働中の原子力発電所の真上。
日本国民すべてを人質にしたテロリストの脅迫に対し、
政府が下した非情の決断とは。そしてヘリの燃料が尽きるとき…。
驚愕のクライシス、圧倒的な緊迫感で魅了する傑作サスペンス。

テロリストに奪取された最新鋭の無人ヘリコプターに取り残された少年。
爆弾を搭載したヘリコプターは原子力発電所の真上に。
すべての原子力発電所の停止を政府に要求するテロリスト。
そのとき政府の行った対応とは??
取り残された少年は無事に救出されるのか??
そして、その結末とは・・・。

原発には、放射能漏洩問題とか事故の危険性とか、いろいろな問題があります。
でも、すべてが電子化している今の社会には、
原発は必要不可欠は存在なのは確かなんです。
だから、余計に難しいテーマなんですね。
原発反対!!でもなくては困る・・・原発反対!!私の住む町には・・・。

原発のことはよくわからないって責任転換していませんか?
でも、無責任に無視するわけにはいかないテーマなんですよ!!
って言われているような気がしました・・・。

文庫で630頁くらいあって、かなりのボリュームだけど、
内容は、ほんの数時間の出来事なんですね。
なので、スピード感とか緊張感とか、ものすごく伝わってきます。

難しい専門用語が多くて、ちょっと辛いっていう評価も耳にするけど、
俺てきにはそれも含めて、かなり面白かったですね。

東野圭吾/変身

2005-10-17 00:20:54 | 東野圭吾

東野圭吾/変身 (講談社文庫)
おすすめ度:★★★☆☆

平凡な青年・成瀬純一をある日突然、不慮の事故が襲った。
そして彼の頭に世界初の脳移植手術が行われた。それまで画家を夢見て、
優しい恋人を愛していた純一は、手術後徐々に性格が変わっていくのを、
自分ではどうしょうもない。
自己崩壊の恐怖に駆られた純一は自分に移植された悩の持主(ドナー)の
正体を突き止める。

事件に巻き込まれて頭を銃で打たれてしまった主人公は、
世界初の脳移植手術が施され一命を取り留めた。
しかし、その結果、彼の性格は徐々に変わってしまう。

自分の中に芽生えてしまった「殺意」を抑えることが出来ない主人公。
この「殺意」はドナーの意思なのか?
彼の脳はドナーの意思に支配されてしまうのか?
自分の意思を取り戻すことができるのか?

前に、貫井徳郎の『転生』を紹介したと思うんだけど、
内容は、移植した結果、性格が変わってしまうっていう点では、
かなり似ていますが、終着点はまるで違います。

貫井徳郎の『転生』は青春小説と紹介しましたが、
東野圭吾の『変身』は青春小説というには少し残酷すぎる内容ですね。

さて、この小説の結末とは・・・。

けっこう賛否両論と思われるラストになっていますね。
俺はアリかなって思うけど・・・。
というか、この終わりしかないんじゃないかなって思うな。

少し残酷で、そして、そのぶん感動できる小説です。

この作品は玉木宏、蒼井優出演で11月に映画化されますね。
映画はどうなんでしょう??ちょっと見てみたい気もするな。

東野圭吾/秘密

2005-10-07 21:17:41 | 東野圭吾

東野圭吾/秘密 (文春文庫)
おすすめ度:★★★★☆

妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美を乗せたバスが崖から転落。妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった。その日から杉田家の切なく奇妙な"秘密"の生活が始まった。映画「秘密」の原作であり、98年度のベストミステリーとして話題をさらった長篇、ついに文庫化。第52回推理作家協会賞受賞。


この作品はけっこう賛否両論ですね。
感動したあ~!!っていう人もいれば、納得できないっ!!っていう人もいる。
俺的にはかなり良かったなあって記憶してます。

妻と娘を乗せたバスが事故にあい、妻は死亡し、娘は奇跡的に意識を取り戻した。
だが、娘には死んだ筈の妻の意識が宿っていた。
そして、娘の体と妻の心を持った女性との奇妙な生活が始まる。。。

この作品は広末涼子出演で映画化もされてますね。
みなさん映画は見ましたか?
俺の勝手な意見ですが、はっきり言って映画は最悪です。もうガッカリ!!
小説の良いところがすべてなくなってる感じですよ。
特に最後が最悪!!
どうして、そういう終わりになっちゃうわけ??

というわけで、映画を見て面白いと思った人も、そうでもない人も、
小説を読んでいないのなら、是非に読んでみて下さいな。

推理作家協会賞受賞はうなずけるはず!!

東野圭吾/ゲームの名は誘拐

2005-09-25 23:58:13 | 東野圭吾

東野圭吾/ゲームの名は誘拐 (光文社文庫)
おすすめ度:★★★☆☆

敏腕広告プランナー・佐久間は、クライアントである重役・葛城にプロジェクトを潰された。葛城邸に出向いた彼は、家出してきた葛城の娘と出会う。"ゲームの達人"を自称する葛城に、二人はプライドをかけた勝負を挑む。娘を人質にした狂言誘拐。携帯電話、インターネットを駆使して、身代金三億円の奪取を狙う。犯人側の視点のみで描く、鮮烈なノンストップ・ミステリー!


この作品は、藤木直人、仲間由紀恵出演の『g@me.』というタイトルで
映画化されていますね。

映画はエンターテイメントだから、と監督が言っているとおり、
ミステリーというよりはラブストーリーに近いような気がするな。
ラストも実に映画っぽい終わりだった(良くも悪くもね)。

小説の方は、完全な本格ミステリーです。
ハラハラ、ドキドキ、身代金受け渡しのやり取りは圧巻ですよ。
そして、ラストは映画とはまったく違います。
俺は小説のラストの方が好き!!

映画は見たけど小説は読んでないという人は、是非、読んでみてほしいな。
たぶん、印象が全然違うと思うよ!!

映画は映画。小説は小説。
でも、小説を読んでから映画を見ると、
「なんでこんな風になっちゃうの?」って思うのは俺だけ??