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本はスベテをカタル

何気なく手にとった本を読んで、人生についてほんの少しだけ考えてみる。

横山秀夫/震度0

2008-06-15 23:11:03 | や行

横山秀夫/震度0 (朝日新聞出版)
おすすめ度:★★★★☆

阪神大震災の朝、N県警本部警務課長・不破義人が姿を消した。県警の内部事情に通じ、人望も厚い不破が、なぜいなくなったのか? キャリア、準キャリア、叩き上げ、それぞれの県警幹部たちの思惑が、複雑に交錯する……。組織の本質を鋭くえぐる長編警察小説。


夢野久作/ドグラ・マグラ

2007-10-07 01:26:45 | や行

夢野久作/ドグラ・マグラ (角川書店)
おすすめ度:★★★★★

「ドグラ・マグラ」は、昭和10年1月、1500枚の書き下ろし作品として、松柏館書店から自主出版された。
<日本一幻魔怪奇の本格的探偵小説><日本探偵小説界の最高峰><幻怪、妖麗、グロテスク。エロティシズムの極>とうたった宣伝文句は、読書会の大きな話題を読んだが、常人の頭では考えられぬ、余りに奇抜な内容のため、毀誉褒貶が相半し、今日にいたるも変わらない。
<これを書くために生きてきた>と著者がみずから語り、十余年の歳月をかけた推敲によって完成された内容は、狂人の書いた推理小説という、異常な状況設定の中に、著者の思想。知識を集大成する。これを読む者は、一度は精神に異常をきたすとさえ伝える、一大奇書。

まさに圧巻の内容!!
説明には「これを読む者は、一度は精神に異常をきたす」ってあるけど、
あまりそういう印象は受けなかった。
その時代によくこんなこと考え付くなあと、ただただ感心するばかりです。

話しの中に精神病についての記述がたくさん書かれてます。
精神病の者が他の病気の者に比べてどれだけ酷い扱いを受けてきたかとか、
病院ではどれだけいい加減な治療しか行っていなかったかとか。

今は精神病に対しての理解は深まってきてはいるけど、
まだまだ完全じゃない。
体の弱い人には優しい気持ちになれるのに
精神病の人には蔑みの気持ちをもってしまう。
なんで同じ病気なのにこうも人の気持ちは違うのだろう。

ってそんなことを考えてしまう小説でもあります。

さてさて、肝心の小説の内容ですが、、、
はっきり言って良くわかりません。
最後まで読んでも、結論というか真実は良くわかりません。

まあ、そういう小説じゃないんでしょうね。
「この本を5回読んだら5回とも違った感想を得られるだ」と著者が言っているとおり、
真実は読んだ数だけあるのでしょう。

横山秀夫/陰の季節

2007-06-04 23:20:55 | や行

横山秀夫/陰の季節 (文藝春秋)
おすすめ度:★★★☆☆

警察一家の要となる人事担当の二渡真治は、天下り先ポストに固執する大物OBの説得にあたる。にべもなく撥ねつけられた二渡が周囲を探るうち、ある未解決事件が浮かび上がってきた…。「まったく新しい警察小説の誕生!」と選考委員の激賞を浴びた第5回松本清張賞受賞作を表題作とするD県警シリーズ第1弾。

まったく新しい警察小説の誕生!

たしかに、こんな警察小説は読んだことないです。

警察小説って言えば、新宿鮫を代表するように、
警察と犯人との闘い、まさにハードボイルドが売りのような気がするけど、
この作品はまったく違いますね。

この作品は警察の内部というかデスクワーク組みっていうのかな
監査や管理をする人たちのお話しになってます。

なんていうか、警察内部もドロドロだね~。
ほんとにこんななのかね~。こわいわ~。

というわけで、警察小説としては、新鮮で面白かったです。
これってシリーズで出てるんだよね。
他の作品も今度読もうかな!!

横山秀夫/クライマーズ・ハイ

2007-06-02 11:12:10 | や行

横山秀夫/クライマーズ・ハイ (文藝春秋)
おすすめ度:★★★★★

1985年、御巣鷹山に未曾有の航空機事故発生。衝立岩登攀を予定していた地元紙の遊軍記者、悠木和雅が全権デスクに任命される。一方、共に登る予定だった同僚は病院に搬送されていた。組織の相剋、親子の葛藤、同僚の謎めいた言葉、報道とは―。あらゆる場面で己を試され篩に掛けられる、著者渾身の傑作長編。

すごい!!そのひとことにつきる。
日航機墜落事故を背景に、友人や親子の絆を描いた最高の作品です。

この事故が起こったとき、俺は小学生の低学年で、
大変なことが起きたんだなあとは感じてたけど、
あんまり実感がなくって、悪い言い方だけど他人事だったんだと思う。

あれから十数年。
やっぱりちょっとは知っておきたい、と思うわけです。

作者が新聞記者時代にこの事故を取材していて、
その体験をもとに、この小説ができてるわけだから、それはそれはリアルです。
その頃の状況が、ほんと目に浮かんでくる。

上の説明にもあるけど「報道とは―」も、もうひとつのテーマ。
伝えたいことが伝えられない。
報道の理想と現実。
そんなところも考えさせられる作品です。

この作品はドラマ化されているので、
早速見てみようとレンタルショップに行ってみたんだけど、
見事にレンタル中だった。。。
あ~早く見たい!!

♪♪♪追記

DVD見ましたよ~。
原作に忠実に再現されてたましたね。なかなか良かったです。

♪♪♪追記

ボイスレコーダーと調査委報告書を基にしたFLASHがあります。
これは本物のボイスレコーダーの記録です。
ほんと、まじで泣きそうになる。
http://mito.cool.ne.jp/detestation/123.html

横山秀夫/半落ち

2005-10-01 00:17:34 | や行

横山秀夫/半落ち (講談社文庫)
おすすめ度:★★★☆☆

「妻を殺しました」。現職警察官・梶聡一郎が、アルツハイマーを患う妻を殺害し自首してきた。動機も経過も素直に明かす梶だが、殺害から自首までの2日間の行動だけは頑として語ろうとしない。梶が完全に“落ち”ないのはなぜなのか、その胸に秘めている想いとは――。日本中が震えた、ベストセラー作家の代表作。


「半落ち」は寺尾聡、柴田恭兵、伊原剛志出演で映画化されてるね。
みなさん、映画の方は見ましたか?
見てない人は見て下さいね。
めちゃめちゃ泣けるよ!!ここ最近では一番泣いた映画です。

妻を殺して後追い自殺をしようとした梶はなぜ死ななかったのか?
生きる希望を与えた空白の2日間にいったい何があったのか?
そして、梶はなぜその2日間の行動を語ろうとしないのか?

愛とは、絆とは、生きるとは
ものすごく考えさせられます。涙なしには語れませんよ。

映画と小説で、話しの内容はほとんど同じだけど、
個人的には映画の方が好きかな。
話しの進め方とか、それそれの人の心境とかが良く描かれてる気がする。

映画の方が良かったので、評価は控えめの★3つです。