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本はスベテをカタル

何気なく手にとった本を読んで、人生についてほんの少しだけ考えてみる。

雫井脩介/犯人に告ぐ

2008-06-15 23:14:06 | さ行

雫井脩介/犯人に告ぐ (双葉社)
おすすめ度:★★★★☆

闇に身を潜め続ける犯人。川崎市で起きた連続児童殺害事件の捜査は行き詰まりを見せ、ついに神奈川県警は現役捜査官をテレビニュースに出演させるという荒技に踏み切る。白羽の矢が立ったのは、6年前に誘拐事件の捜査に失敗、記者会見でも大失態を演じた巻島史彦警視だった──史上初の劇場型捜査が幕を開ける。第7回大藪春彦賞を受賞し、「週刊文春ミステリーベストテン」第1位に輝くなど、2004年のミステリーシーンを席巻した警察小説の傑作。

ふつーに面白かった。
もともと映画化を見据えて作られたかのような作品ですね。
情景を浮かべ易い。なので、感情移入もできます。

で、肝心の映画はというと、、、
豊川悦治が主演ということで、「合ってるなあー」って期待してましたが、、、
ぜんぜん面白くない。
DVDで見たんだけど、あまりのつまらなさに30分で断念しました。
やぱり、面白い小説を映画化すると失敗するんだね。

とまあ、映画のことは置いといて、
小説はふつー面白いです。はい。

沢木冬吾/愛こそすべて、と愚か者は言った

2007-08-06 22:48:42 | さ行

沢木冬吾/愛こそすべて、と愚か者は言った (角川書店)
おすすめ度:★★★☆☆

始まりは深夜の電話だった―。七年前に別れた息子が誘拐された。事件の解決を待たずに別れた妻も失踪した。ありきたりの推理を嘲笑う展開。男の胸を騒がす血と絆のドラマ。第三回新潮ミステリー倶楽部賞、高見浩特別賞受賞作。

なんか久しぶりの更新になっちゃったなぁ。
この本読み終えるのに、なんか知らないけど時間かかっちゃった。

で、どんな内容だったのかというと、
かなりの、ハードボイルドですね。正統派なミステリー!?
ちょっと長いなぁ~とは感じたけど、
だからと言って、展開に飽きるわけでもなく、中だるみも特に感じることもなく、
楽しく読めました!!っていうのが感想ですね。

ただ、タイトルの「愛こそすべて、と愚か者は言った」の意味が
あまり良く伝わってこなかったのが残念。(俺の頭が悪いからかもしれないが…)
俺の中ではかなり意味のある言葉やセリフだと思って
読んでたので。。。

とはいえ、面白いことは面白かったので、
沢木冬吾さんの他の作品にも手を出してみようかな。

瀬尾まいこ/幸福な食卓

2007-07-06 23:48:42 | さ行

瀬尾まいこ/幸福な食卓 (講談社)
おすすめ度:★★★☆☆

切なさの分だけ家族はたしかにつながっていく
佐和子の家族はちょっとヘン。父を辞めると宣言した父、家出中なのに料理を届けに来る母、元天才児の兄。そして佐和子には、心の中で次第にその存在が大きくなるボーイフレンド大浦君がいて……。それぞれ切なさを抱えながら、つながり合い再生していく家族の姿を温かく描く。
吉川英治文学新人賞受賞作

「父さんは今日で父さんをやめようと思う」…から始まるこの小説。
なんだ!?どういうこと!?でもちょっと興味引くなあ。

全体的にはほのぼのしてて良いですね。
父さんは父さんをやめて、母さんは家を出て、兄さんちょっと変で、、、
なのにすごい温かい家族が描かれてる。不思議。

兄の直ちゃんがかなりイイ味だしてて面白かった。

ただ、最後の話しはどうなのかな!?
別に無理矢理泣かせる話しにしなくってもいいのに!!ってオレだけかなあ、、

あ、映画も見たよ。
ほとんど同じだね。なかなか良かった。

鈴木光司/神々のプロムナード

2007-05-16 20:28:09 | さ行

鈴木光司/神々のプロムナード (講談社)
おすすめ度:★★☆☆☆

「もうおまえとは暮らせなくなった」という言葉だけを残して失踪した松岡邦夫。その妻・深雪は友人の村上史郎にすがる思いで連絡をする。友人を探し始める史郎。すると他の失踪劇との関連性がちらつく。そしてその陰にはある宗教組織の存在が見え隠れし始め、史郎は事件の真相へと突き進んで行く…。

おっ!鈴木光司だっ!ひっさびさ~~
ということで買ってみました。

なかなか展開も面白くって、さすが鈴木光司ってかんじで読んでました。
ただ、、、俺的には最後がちょっと。。。
まあ、それは人それぞれだと思うけど、
なんかね、期待し過ぎちゃったのかな。

ぜんぜん関係ないけど、
貴志祐介の新作って早く文庫で出ないかな~。
ホラーといえば、鈴木光司か貴志祐介みたいな時代があったからさ。
あ、俺の中でね。

真保裕一/繋がれた明日

2006-03-14 22:32:30 | さ行

真保裕一/繋がれた明日 (朝日文庫)
おすすめ度:★★★★☆

この男は人殺しです―。
仮釈放となった中道隆太を待ち受けていた悪意に満ちた中傷ビラ。
いったい誰が何の目的でこんな仕打ちをするのか?
孤独な犯人探しを始めた隆太の前には巨大な“障壁”が立ちはだかった…。
殺人を犯した者の“罪と罰”の意味を問うサスペンス巨編。


殺人を犯した者は、罪さえ償えば、人生をやり直す資格があるのか!?
なんとも深くて重いテーマなんだろうか。

隆太は喧嘩の末、相手を殺してしまい5年から7年の懲役刑を言い渡される。
先に手を出したのは被害者だったが、目撃者(被害者の友人)の嘘の証言と、
護身用で持参していたナイフの所持が殺意有りと判断されての懲役刑だった。

6年の刑期の後、仮釈放となるが、
それでもまだ、隆太は被害者を恨んでいた。
自分一人が悪かったのか。自分だけが加害者なのか・・・と。

この作品は、隆太の視点、あくまで加害者の視点で描かれているので、
読む人によっては共感できないかもしれない。
加害者はあくまで加害者であり、被害者はやはり被害者なのだ。

なので、あえて俺の意見は書くのはやめようと思う。
読んだ人それぞれが判断するのが良いんじゃないだろうか。
この小説は、そういう小説なのだと思う。

真保裕一/ダイスをころがせ!

2005-11-03 01:05:38 | さ行

真保裕一/ダイスをころがせ! (新潮文庫)
おすすめ度:★★★★☆
 
<ダイスをころがせ!・・・上>
職を失い妻子とは現在別居中。駒井健一郎34歳はどん底にいた。
ある日、高校時代のライバル・天知達彦が現れ、驚くべきことを口にする。
「次の衆院選に立候補する。共に戦ってくれ」
コネや金は一切なし。持っているのは理想のみ。
第二の人生を拓くため、彼らは完全無党派で選挙に挑む。
理解の無い妻、敵陣営の妨害。早くも難題は山積みなのだが。

<ダイスをころがせ!・・・下>
駒井健一郎は、達彦とともに天知家の過去との対決を迫られる。
一方、地元政財界の絡んだ不透明な土地売買が、
彼の社をやめた原因と繋がっていらことが判る。
事件はなおも続く、だが選挙は待ってくれない。遂に、12日間の決戦が始まった!
ポスター、選挙カー。何事につけてとんでゆく金に悩みつつも。
俺たちは手づくりの選挙を貫く。


みなさんは選挙の投票に行ってますか??
面倒だし、選挙も政治もよくわかんないし、政治家なんて誰がなっても同じだし、
って、なあなあにしちゃってませんか??
かくゆう俺も投票には数えるくらいしか行ってないけどね。

はっきり言って選挙ってよくわかんないんだよね。
ブラックボックスになってる部分が多すぎる。
選挙にはお金がかかるって聞くけど、
どこにそんなお金がかかるのかとかもイマイチよくわかんない。

この小説は、会社を辞め、妻子とは別居中の主人公・駒井健一郎が
高校時代のライバル・天知達彦に秘書に誘われて、
お金やコネを一切使わず、理想のみを掲げて選挙に立ち向かうお話しです。

この小説を読んでみると、
どこにお金がかかるのかとか、選挙の不透明は部分がよくわかります。
そして、理想と現実の厳しさも・・・。

地元政財界の絡んだ土地売買などのミステリーの要素もあり、
選挙に立ち向かうエンターテイメントの要素もあり、
読んでいて飽きないし、かなり楽しめる小説です!!

俺もそうだったけど、この小説をきっかけに、
少しは選挙や政治に興味を覚えるのではないでしょうか!!

真保裕一/発火点

2005-10-13 21:23:12 | さ行

真保裕一/発火点 (講談社文庫)
おすすめ度:★★★★☆

12歳の夏に父が殺されてから、怒りと苛立ちを胸に一人で生きてきた。
親を殺された者を見る、好奇の視線に抗うように。
あの夏に何があったのか。なぜ父は友人に殺されたのか。
22歳の今、敦也はなくした9年を埋めるために再び故郷を訪れる。
胸に迫る衝撃の真相。著者の心情が強く投影された、魂の軌跡。


主人公は「父を殺された少年(青年)」ということで、
周りから好奇の視線を向けられたり、腫れ物を触るように同情されてしまう。
冗談を交わし合ってた友達も、その事実を知ると途端に態度が変わってしまう。
だから、彼は友達も作らず一人で生きてきた。

彼はある女性と出会い、そして彼女を深く傷つけてしまった。
彼女は何も悪くなかった。すべて自分という人間の小ささのためだった。
そのことに気付いた彼は、逃げてきた過去を振り返ようと決意する。
あの夏、なぜ父は友人に殺されたのか??
そして、その理由とは・・・。

人間とはなんて小さい生き物だろうか。
うまくいかないことを環境や社会のせいにし、他人のせいにする。
なんとかして自分を守ろう自分以外の何かに責任転換する。
決して自分のせいではないんだと、そう思い込ませるために・・・。

この小説を読むと、そんな人間の弱さがよくわかります。
そして、きっかけさえあれば、誰でも立ち直れるっていうことも。

ということで、
この小説のジャンルも「ミステリー」ではなくて、「成長系」だね。