三都deドラマ

岩国・加古川・京都で演劇教育をすすめる3人の活動を報告します

コミュニケーション教育フェスタ 文科省

2010年08月19日 23時33分45秒 | 演劇教育
文科省主催のコミュニケーション教育フェスタが開かれ参加しました。
平田オリザさんの講演・小中高の実践報告・シンポジウムがおこわなれました。

平田さんの講演は「対話の時代のコミュニケーション教育」と題して30分という短い時間でしたが、富士見ヶ丘小でのワークショップの映像なども入れながら具体的で示唆に富むものでした。平田さん独特の言い回しがおもしろい。

簡単にまとめると

戯曲が減ってきた。指導が難しいし時間がかかる。
対話劇を開発した。 えんげきなのでウソをついていいよ。いちばんうまいうそをついて人がいいんだ。
対話劇の授業は参加率が高い。作文かけない子どもでも一生懸命に書いてくれる。
教師は教えたがる。これでは気付きがなくなってしまう。
表現が出てくるのを待つ勇気がいる。プロの演劇人は待てる。その経験を持っている。


杉並区立富士見ヶ丘小学校でのワークショップ(5年)
ワークシートにして(  )に書き込んでいく。

朝の教室の場面
決まらないグループへは援助に入る。
普段はどうしてるの?
今朝は?
こうやって自分自身の生活を振り返らせていくと子どもが話し出していく。言語活動を意識化させる。
なにも話さない子がいれが話さない役をつくってく。ぼくはいないという子がいれば遅刻してくる子の役にする
かたどおりに進むよりなにかイレギュラーがあったほうがおもしろい
学びは、閉じた空間に異文化が入ることで揺さぶりをかける。そこに教師や役者がそれを拾っていくことなんでは。

子どもたちのコミュニケーション
コミュニケーションが低下しているとは思っていない。
機会の減少
少子化
地域社会の崩壊
が考えられる。
”伝えたい気持ち”を育てることが大切。→伝わらない経験が欠乏しているのでは。
価値観やライフスタイルの違う人との出会いであって、演劇はその他者をシュミレートしていく活動である。
ちがいを認め、空間的秘計を理解する力を コンテクスト

最後に
吃音の子どもが入ったグループで詰まってしまってしゃべれにまま1時間目が終わったが、次の時間にこどもたちがその次の場面を「斉藤またおまえか」と有無を言わさず連れて行ってしまう場面にまとめてしまった。うまくしゃべれないというマイナスのカードを子どもたちが自分たちの知恵で乗り越えてしまった。本当に感動的な場面だった。そこに演劇教育の可能性を見ることができた。


実践発表
◆三島市立南小学校
パントマイムを使った言葉の授業
言葉重視の文科省方針の中で、「感性なくして伝え合いはないのではないか」という立場で実践。
1年 / 自己解放 / すきなものになる
2年 / 個から2人で相手を意識する / キャッチボール・・・
3年 / 身近な生活から対比する動き相手を意識する

※言葉を使わず感性からっていうところがポイントだなあ。学年別の目標となるとそうなるのかあ。

◆伊丹市中学校
伊丹市全小学校で週1時間の言葉科の授業
受け取る努力そして伝える努力
コミュニケーションとは情報を伝えすりあわせ妥協すること。
WSDわっきーのとこや伊丹といえばやるなぁ伊丹

◆青森県高校
クラス全員での群読がすばらしかった。


パネルディスカッション
「コミュニケーション教育の推進について」


〈平田さん筑波附属中高〉
数学と結婚できても・・・
身の回りだけでなく社会的なコミュニケーションが必要

平家物語を演劇にする
わからないから説明して
わからないから劇にして教えて
まだわからないから音や歌を入れて説明して

オリザ「知り合いですけど彼は本当にわかってないです・・・笑)」
http://yaplog.jp/iwaihideto/archive/1022 岩井秀人ブログ

〈堤さん〉WSDの授業で出てきた堤さんだ おだやかぁ・・・
子ども・教師・役者3者の気付きが大切 ここおもしろいねっていう拾い方が違う
役者は即興的な反応でダイレクトに変えてみたりしていける。
それぞれのふれあい方の違いが子どもたちにも様々な刺激をあたえている。
アーティストも普段とちがう気付きの中で創作をし、あらたな気付きをつかんでいる。
ダンスで理科を学ぶ 検索してみたらお隣の平盛小でもやってた!?

オリザ
「プロとアマの違いは時間処理のちがいです。12の班をすべて指導しながら処理できる。プロ将棋の棋士みたいなもんです。」
「2つの意見で班内が対立したらあと3つだしてやる。5つにしたらそこでけんかは終わるんです。」

〈野々平さん 教委〉
自分達の世界が外にむけて開かれる。自分たちだけで成立していうものがアーティストとして出会うことで他者に開かれていく。
授業が変わっていく。いままでのやり方で通用しない状況で取り組みが真剣になる。
他者と意識すること・伝えたい・わかろうとしたい・わかりたい」ここが鍛えられる。

〈鈴木 国語調査官〉
相手を意識し尊重することがすえられているか
効果はとらえにくい 崩壊の兆候が見られるクラスのとりくみでは、指示の入る時間が短くなったなど・・・
人材の育成
カリキュラムとの関わり

〈宮崎〉 
WS的学び
言語活動と学び






時間がそれぞれに短く若干の消化不良ぎみなところはありましたが、コミュニケーション教育・・・演劇教育の胎動が各地で起きていることを実感した1日でした。



各地の実践も持ち寄られていました。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿