Free DV と言うHF帯ハムバンドでデジタル音声通信が出来るソフトが無償で入手できます。 7メガでQSOした研究熱心な局から教えてもらいその音質が素晴らしいと聞いたので早速ソフトをインストールして試してみました。以下はソフトのインストールからQSOが出来るまでのメモです。出来るだけ正確にメモしましたが、間違い等は修正していきたいと思います。
Free DV---- Open Source HF Digital for Amateure Radio(略してFree DV)とは:
Free DVの説明はFree DVのウエブサイト( https://freedv.org/ ) にあり、一部をグーグルで翻訳すると:
FreeDV は、HF 無線用のデジタル音声モードのスイートです。当社の主力モードは Radio Autoencoder (RADE) です。Windows、Linux、OSX 用の無料の GUI アプリケーションを使用して RADE を実行すると、SSB 無線を高品質のデジタル音声に使用できます。
FreeDV テクノロジは、機械学習、DSP、コーディング、設計、ユーザー インターフェイス、テストに共同で取り組んでいるアマチュア無線家の国際チームによって開発されています。このプロジェクトは、5 人のプロジェクト リーダーシップ チーム (PLT) によって管理されています。現在の開発は、ADRC 助成金によって多額の資金提供を受けており、当社の財務スポンサーは Software Freedom Conservancy です。すべてのソフトウェアはオープン ソースであり、(a) GNU Lesser Public License バージョン 2.1 (GUI およびレガシー FreeDV モード) および 2 条項 BSD ライセンス (RADE) に基づいてリリースされています。
以下は実験した内容です。 ⇒ 実際にQSOできました。
・情報源として FreeDV運用ガイド と言うFBなサイトがあります。 https://freedv.info/ このサイトでほぼすべてのことが分かるので是非見てください。
・免許関係についても詳しく出ているので一読してください。 昨年9月25日に省令改正で無線機につなぐPCなどは「アマチュア局特定付属装置」と扱われ、要約すると現在免許されている無線機(SSB)にPCをつないでFreeDVは自由にできるということです。 昨年9月以前にFreeDVを実験した方は免許申請で苦労されたとオンエアで聞きました。従い、SSBでオンエア出来る局は免許された範囲(バンドやパワーなど)でFreeDVを楽しむことができます。
・FreeDVソフトのダウンロードやインストール、無線機との接続やPCの設定は運用ガイドに詳しくでています。 当局が実験した内容をメモします。 現在最新バージョンはv2.0.0 - 20241018 です。このバージョンからRADEモードが入っています。詳しい局に聞いたところまだ実験中なので今後バージョンはどんどん?アップするとのことです。RADEが出る前は色々と問題があった様です。
構成: 運用ガイドの接続例4で実験しました。構成と一番面倒な設定である Audio Config. は次の通りです。 運用ガイドを参考に簡単に表示しています。
- 無線機:IC-7300 USBでPCに接続します。
- サウンドカード: 外付けのSound Blasterを使っています。 PC内臓のものでもOKです。
- マイクとスピーカー:PC用ヘッドセット
運用ガイドに従ってセットすればOKです。が、セットする上で手間取ったことは以下のポイントです。
インストール後、Audio Configurationのタブを開くと上図の様にセット画面がでてきます。 受信と送信でセットするタブが下の方にあります。受信タブを開いた画面が左側、送信タブは右側です。Easy Setupと言うのがToolの中にありますが、Audio Conig を正確に設定するには上図の様にAudio Configが便利です。Deviceの選定はIN/OUTがごっちゃになりややこしいです!
Recieveタブを開くと 上部に Input to Computer From Radio (無線機からPC)、下側は Output From Computer to Speaker/Headphones (PCからヘッドセット)となっていて、そのPCにつながれているAudio Deviceが表示されます。 無線機からPCはIC-7300がPCにつながった状態では マイク(4-USB Audio CODEC)と表示されたものを選びます(PCに他のUSB接続があればこの数字は変ります。ちなみにTS-590もつないでありそれはマイク(USB Audio CODEC)となっています。 PCからヘッドセットはSound Blasterを使うのでスピーカー(USB Sound Blaster HD)を選択します。 選択するとDeviceのところに表示されます。複数台の無線機をUSBでつないでいると無線機の数だけUSB Audio Codecが表示されます。どれが度の無線機かは電源を入れた無線機を一台にすれば分かります。
Transmitタブも同じです。 上部のヘッドセットからPCはマイク(USB Sound Blaster HD)を選び、下部のPCから無線機はスピーカー(4-USB Audio CODEC)を選びます。
PC内臓サウンドカードを使う場合は、スピーカORマイク(Realtek High Definition Audio)を選べばいいはずです(試していないので)
以上で各機器のAudio 関係の接続完了です。 上記に出てくる 4-USB Audio CODECはWindows の設定で名前の変更が出来るので最初にやっておいた方が、特にUSBで何台もつないでいる場合は楽です、名前の変更の仕方は自分で調べてください。
次にメイン画面を見てみます。 これは雑音を拾っている状態です。DVの信号がはいればきれいな帯域幅でWFが見えます。
Audioの設定に加え以下のセットをしてあれば、メイン画面のControlのStartを押すとDVがネットにつながりReporterに自局のコールサインが出ます。 Startを押して数秒するとWFに上記の様な雑音が出てきます。 Analogボタンを押すと通常のSSB(但し帯域は狭い?)になります。DVの時はAnalogと表示されます。Voice Keyerはまだやっていませんが音声ファイルを作りコールサインを言ったりするのが自動?で出来るようです。 PTTはクリックすると送信になります。
Toolタブを開き Easy Setup を開くと次の画面でStep1は上記でセット済みなので確認するだけで、Set2でPTTのセットをします。COM番号は局ごとに異なるのでデバイスマネージャで確認しておきます(FT8をやっている局はそれをコピーでいいはずです)Set3は自局のコールサインとグリッドロケータを記入しておき、Enable Reportingに印をいれておきます。これによりDVを立ち上げスタートするとDV Reporter画面に自局がオンしたことがレポートされます。(従い、PCはインターネットにつながっていることが前提です)
Tool ⇒ Optionを開くと次の画面でreportingのみチェックしておきます。その他タブはディフォルトのままです! OKか否か今後要チェックです。
CAT and PTT Configタブを開いたところです。 ここもEasy SetupでCOMを設定してあればいいはずです。
DV Reoprterの画面です。 DVを立ち上げると同時に出てきます。 赤はその局が現在送信中です。RX状態は電源ONで受信可能?な状態です。なので、周波数を確認しその周波数で呼べばQSOできる?
右下にあるMessageにコメントを入れSendボタンを押すとメッセージが送られます(まだ使ったことがないですが)。
IC-7300側の設定はUSBにしておきDVを運用するときはDATAもオンしPCからの信号が入る様に設定しておきます。USB変調入力レベルは現在30%にしていますが、ALCを見ながら調整するか、画面の右上にある TX Attenuation バーで調整します。出力は7300の最大でも良いですがとりあえず50ワット位でいいと思います。ここら辺はFT8と同じですね。
参考としてIC-7300の外部端子の設定は:ACC/USB=AF, ACC/USB AF 出力レベル 34%、USB変調入力レベル=32%、変調入力(DAFAON)=USB
数日実験して分かったこと:
① 音はFMなみでバックノイズは感じられない。ただし、QSBやQRMで切れることがある。
② 送受の切り替えはSSBやCWの様にクイックではない。 数秒ラグがある。気にならない程度。
③ CQを出したりブレークで割り込んだりするのはどうするのか? 実運用で分かる話ですね。
④ Reporterを見ているとDXも結構出ている、まだ聞いたことはないですが以外とDXとラグチュー出来そう。
⑤ オンエアする周波数は? デフォルトで画面右下の周波数をクリックするとFT8と同じ様な各バンドの特定の周波数が出てきますが、これは特に取り決めがないような??
⑥ 原理を理解するには資料を読み込まないといけません。が、まだです。
⑦ 10メガで送信帯域を2KHz以下に設定するとなんと音声通信が出来る(まだやってませんが)ので多くのDV愛好局が出ている様です。
⑧ IC-7300の場合、FreeDVでQRVするため、SSBでQSOした後、例えば7200KHzにダイアルを合わせ(勿論LSB)モードをDataにしてFreeDVを立ち上げQSOが終わった後FreeDVを終了するとSSBの周波数に戻りますが、なぜ? また、画面右下のReporter Freqに記載した周波数に立ち上げたとき移動します。これはなぜ? SSBやCWのダイアルを回してと言うよりFT8の様な感じもしますが、と、言って3KHz帯域内に多くのFT8の様に信号があるわけではないので効率的な運用をどうすればいいのかが?です。 多分FreeDV Reporterが重要な役割を果たす感じですね。最も運用する局が増えるとReporterに局名が沢山出てくることを想像すると選択が面白くなりそうです。
以上ですが、7メガでは7200KHz, 7192KHzなどでデジタル信号を聞くことができます。まだ出ている局数は少ないので何時でもQSOできるとは限りませんが、DVをインストールして DV Reporterを見ればその時点でQRV可能なRX局や赤でハイライトされた送信中の局を発見することができます。セットアップして呼んでみてください。 今日QSOした2エリアの局はFT991に1m径のマグネチックループアンテナからS9のFBな信号が届いていました。 こちらはZS6BKWアンテナでした。