土手猫の手

《Plala Broach からお引っ越し》

「知ってる?」(転載)

2013-09-30 03:16:11 | 夢日記/感興小説(改稿)
   「知ってる?」
                          本居 寝子

それは細い路地裏、それとも6車線の、信号機の前?
どちらが先だっただろう。
気づかれないように、でも気づくだろうに、フワフワと揺らいでる。
バランスは完璧、コントロールなんて要らない。息をするほど当たり前。
内緒にしなくちゃ? でも、優越感。
この! この気持ち良さを誰も知らないなんて。
交差なんて無しで行ける。顔を体をほんの少し傾けて気持ちの向きを変えるだけ。何も持たない使わない付けない思うまま。
『代用出来る……』
スケートボード? あんな足かせなんて!
「フフン」
気づかれないように、さりげなく、10cm20cm……50cm。すり抜ける縫うように街を通りをすり抜ける軽やかに自由自在にどこまでもどこへでも。
どう? 「この気持ち良さ!」
ああ、気づかれた! でも。
「構わないわ、どうせ追いつけやしない、追って来ないわ」

どこでもドアが欲しい人間には、タケコプターは魅力的じゃないんだもの。

ー飛ぶ夢1ー
2009.7.2「Open Sesame」(初出)。
http://pub.ne.jp/nekome9_1/?entry_id=2260493

2013.9.30 修正。
「様に」を「ように」、「程」を「ほど」。
「?」「!」の後ろにスペース。
「交差なんてしないで」を「交差なんて無しで」に変更。
「…」を重ねて「……」に。句点、読点を一箇所ずつ足し。
「軽やかに」の位置を変えました。

実際見た夢は、身一つ(なんの装備も無し)で飛んでました。

《Plala Broach「土手猫の手」2013.9.30》



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