土手猫の手

《Plala Broach からお引っ越し》

No.41「贈りもの」

2008-12-16 23:59:03 | 掌編(創作)
今日は、郵パックを出す筈だった…

クリスマス前のこの時期の定番?「やまとなでしこ」の再放送(佳境;)を見ていたら、郵便局が5:00までだという事をすっかり忘れ;着いたのは10分程過ぎた頃。
「OUT!;」

仕方無い。本屋、画材屋、等々に寄り道。必要な物々を調達。

「さて…」
予定のコースを大きく遠回りして帰る。途中、向かいからやって来る自転車。

普段すれ違う人の顔をまじまじと見たりしない私だけれど、ここは <よく似た自転車の君> が通る所。
時間は7:00近く、傍まで来ないと顔は解らない。

ちょっと気になる。気になるからと、走って来る人の顔をチェック。
<似た君> じゃない。
「本人?」

互いに、しっかり顔を見て…
すれ違い、ゆっくり歩を進めながら…振り向いていた。
止まっている自転車。地図の様な物を広げている人。

暫し。止まってその人を、見てしまっていた…

「似ている…顎のライン…」
「…でもちょっと若い?」
「違う人か…」

いつまでも振り返って立ち止まってる私、変だよね;

佇む人を、そのままに歩き出すと、
暫くして、後ろからその人が車道を、私を追い越して行った。


「!」「こらこら、逆走だよ;危ないよ!」

心の中の言葉は……


後ろ姿を追って…

赤信号で止まってる、その人が走り出すまで。背中を見ていた。
赤と白のサンタの様な帽子を被った君。


「逢いたい」気持ちが。
会わせてくれたのかな……


2008.12.16 ?(12.19 加筆)