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小松左京 女シリーズ

2005-12-17 06:09:02 | 読書日記(映画)
かつて筒井康隆のエッセイの中で非常に気になったやりとり。

編集「もしかして、女シリーズって凄い作品なんじゃありませんか?」
筒井「なにを言っているんだ、今さら」

73年前後に書かれたこのシリーズ、生まれたばかりの自分には読めるはずがなかったが……。徳間文庫からまとめて編集の上、加筆修正されたものとして復活し、本屋で見掛けて慌てて買ったのがこの春。
実にダラダラと時間をかけて読み終った。
分厚いんだもん。持ち歩きにくくて。

それはさておき、当時でさえ「もう見掛けなくなった仕草を持つ」女たち。主に枯れかけた中年男の視線で描かれる。今はなおさら、絶えて見られなくなった色気の描写……となるのか。

しっとりだったり、SFチックだったり、怪談風だったり。様々のシチュエーションで、濃淡様々な男女の関わりの中で女が描き出される。

リアルタイムで読めたら…これは生まれた頃の作品に対して無理な相談だが、そうでなくても学生時代に読めたらな…ちょっぴり悔しく、もったいない。

「日本沈没」といった名作大作を含め、復活が目立つのは最近。学生時代には図書館や古書店でもみつかりにくかった。
小松左京と僕は、どうもズレというか、すれちがいが多いものである。


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