虎(黄にゃんこ)と馬と猫

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「博士の愛した数式」小川洋子

2005-12-29 05:41:20 | 読書日記(映画)
[八百母]

この小川洋子の作品を読んだのは芥川賞時の単行本「妊娠カレンダー」以来か? 高校か大学。いずれにしても学生時代だ。
「ドミトリィ」だったか、そういう名前の短編があって、辞書を繰って(ほうほう、寄宿舎。覚えた)なんてやっていた記憶もある。

名前は時々目にしていたが、文章を読んだのは今年のデイリースポーツで、優勝決定前後にファンとして特別寄稿していたのが久しぶり。

この作品で広く阪神ファンとして認知された結果だろうか? 「江夏さんの隣に私の文章が載るなんて……」と書かれていたことも、今になると意味が分かる。
完全数「28」を背番号を持つ投手として、作品内で重要な役割を果たしたのが、阪神時代の江夏投手だからだ。


個人的なエピソードだが、年賀状の住所チェックに昔の年賀状を引っ張り出していると「博士の愛した数式はお読みになりましたか」という一言を書かれた一枚が。
2年前の年賀状で(うわぁ、ちょうど今頃読んでいます)と呟いてしまった。相手も阪神ファンで、話題にしたかったのは、あのエピソードか、このエピソードか……ちょっと考えて、喪われたその時が、ちょっと惜しまれる。

少し薄い本だが濃密で、引き込まれる内容でした。